蕁 麻疹 と 湿疹 の 違い:見分け方と対処法をわかりやすく解説!

「なんだか肌がかゆい…これって蕁麻疹?それとも湿疹?」このように、肌のトラブルが起きたときに、蕁麻疹と湿疹の違いがわからず、悩む方は多いのではないでしょうか。蕁麻疹と湿疹の違いを正しく理解することは、適切な対処法を見つける上で非常に大切です。

原因と症状の現れ方:蕁麻疹と湿疹の根本的な違い

蕁麻疹と湿疹の最も大きな違いは、その原因と症状の現れ方にあります。蕁麻疹は、アレルギー反応などが原因で、皮膚の表面に突然現れる、赤くて盛り上がった発疹(膨疹)が特徴です。この発疹は、数分から数時間で消え、また別の場所に現れるというように、移動しながら現れることが多いです。かゆみが非常に強く、チクチクとした痛みを感じることもあります。 この「突然現れて、すぐに消える」という特徴は、蕁麻疹を見分ける上で最も重要なポイントと言えるでしょう。

一方、湿疹は、様々な要因によって皮膚に炎症が起こる状態を指します。原因は、アレルギー、乾燥、摩擦、化学物質への接触など多岐にわたります。症状も、赤み、かゆみ、ブツブツ、ジュクジュク、カサカサなど、多様です。湿疹は、一度できると数日以上続き、慢性化することもあります。

これらの違いをまとめると、以下のようになります。

蕁麻疹 湿疹
主な原因 アレルギー反応、ストレス、冷たいもの・熱いものなど 乾燥、摩擦、アレルギー、化学物質、ストレスなど
症状 赤く盛り上がった発疹(膨疹)、強いかゆみ、移動性 赤み、ブツブツ、ジュクジュク、カサカサ、かゆみ(強さは様々)
持続時間 数分~数時間 数日~慢性化

発疹の形と広がり方:見分けるためのヒント

蕁麻疹の発疹は、一般的に「蚊に刺されたような」と表現される、境界がはっきりとした赤くて盛り上がった形をしています。これを「膨疹(ぼうしん)」と呼びます。そして、この膨疹は、まるで水を得た魚のように、皮膚の上を移動していくのが特徴です。ある場所が治まっても、別の場所に新しい膨疹が現れる、ということがよくあります。

  • 膨疹の形:円形、楕円形、不規則な形など
  • 広がり方:点々と現れる、広範囲に広がる
  • 消え方:数時間で跡形もなく消えることが多い

対して湿疹の発疹は、初期段階では小さな赤いブツブツや、皮膚の赤みとして現れることが多いです。病状が進むにつれて、ジュクジュクしてきたり、乾燥してカサカサになり、ひび割れを起こしたりすることもあります。湿疹は、一度できると、その部分に留まり、数日間続く傾向があります。

かゆみの質:どちらがより辛い?

蕁麻疹のかゆみは、非常に強く、耐え難いと感じる人が多いです。「チクチクする」「刺されるような」といった表現がされることもあります。これは、皮膚の表面近くにある神経が刺激されるためと考えられています。

湿疹のかゆみも強いことが多いですが、蕁麻疹ほどの急激で激しいかゆみとは少し異なる場合があります。湿疹のかゆみは、皮膚の乾燥や炎症によって起こり、「ムズムズする」「じっとしていられない」といった感覚として現れることが多いです。ただし、湿疹のタイプによっては、蕁麻疹と同様に強いかゆみを伴うこともあります。

発熱や全身症状の有無:重症度を見極めるポイント

蕁麻疹の場合、ごくまれにではありますが、喉の奥が腫れて息苦しくなったり、腹痛や吐き気などの全身症状を伴うことがあります。これは、アナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギー反応の可能性があり、注意が必要です。もし、発疹と同時にこれらの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

湿疹の場合、発熱などの全身症状を直接引き起こすことは少ないですが、皮膚の炎症が広範囲に及んだり、細菌感染を伴ったりすると、全身状態が悪化することもあります。特に、子供のatópic dermatitis(アトピー性皮膚炎)など、慢性的な湿疹では、睡眠不足や精神的なストレスから全身の不調につながることもあります。

治り方と再発:長期的な視点での違い

蕁麻疹は、原因を取り除いたり、適切な治療を受けたりすることで、比較的早く(通常は数時間から数日で)治ることが多いです。しかし、原因が特定できなかったり、体質的な要因が絡んでいたりすると、繰り返して発症することがあります。これを「慢性蕁麻疹」と呼びます。

湿疹は、原因が様々であるため、治り方も一様ではありません。軽度の湿疹は、原因となる刺激を取り除き、適切なスキンケアを行えば数日で改善することが多いです。しかし、アトピー性皮膚炎のように、慢性化しやすい湿疹もあります。これらの湿疹は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長期間付き合っていく必要がある場合もあります。

日常生活での注意点:どちらのトラブルにも共通すること

蕁麻疹も湿疹も、どちらもかゆみがあると、つい掻いてしまいがちですが、掻くことは症状を悪化させる原因になります。

  • 冷たいタオルで冷やす
  • 掻かずに、優しく叩く
  • 爪を短く切っておく

また、どちらのトラブルにも共通して言えるのは、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスを溜めない生活を心がけることが大切だということです。これらの生活習慣は、体の免疫機能を整え、肌の調子を良く保つために役立ちます。

さらに、肌に直接触れる衣類や寝具は、肌触りの良い、天然素材のものを選ぶようにしましょう。洗剤や石鹸なども、低刺激性のものを選ぶことがおすすめです。

適切なスキンケアも、どちらのトラブルにおいても重要です。

  • 肌の乾燥を防ぐために、保湿をしっかり行う
  • 入浴後は、優しく水分を拭き取り、すぐに保湿剤を塗る
  • 刺激になるような成分の化粧品は避ける

これらの基本的なケアは、肌のバリア機能を高め、外部からの刺激に強くなるために役立ちます。

ただし、症状がひどい場合や、長引く場合は、自己判断せずに必ず医師の診察を受けましょう。医師は、症状の原因を特定し、あなたに合った治療法(内服薬、外用薬など)を処方してくれます。

蕁麻疹と湿疹は、似ているようで異なる肌トラブルです。それぞれの特徴を理解し、適切な対処をすることで、つらいかゆみや不快な症状から早く解放されることができます。まずは、ご自身の肌の状態をよく観察し、心配な場合は専門家である医師に相談することが何よりも大切です。

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