ウェブサイトを作るときによく耳にする「HTML」と「PHP」。この二つ、実は役割が全然違うんです。今回は、この HTMLとPHPの違い を、初心者さんにも分かりやすく、そしてちょっと面白く解説していきますね!
ウェブサイトの「見た目」と「動き」を司る!
まず、HTML(エイチティーエムエル)は、ウェブページを「作るための設計図」みたいなものだと思ってください。どんな文字があって、どこに画像があって、どんなボタンがあるか、といった、ウェブサイトの「見た目」や「構造」を決めるための言語です。例えば、見出しを大きく表示したり、文章を段落に分けたり、リンクを貼ったりするのは、全部HTMLの仕事なんです。
一方、PHP(ピーエイチピー)は、ウェブサイトに「動き」や「機能」を与えるためのプログラミング言語です。HTMLだけだと、ただの静止画みたいなもの。PHPを使うことで、例えば「お問い合わせフォーム」に情報を入力して送信したり、ログイン機能を作ったり、データベースと連携して最新の情報を表示したり、といった、もっとインタラクティブで便利なウェブサイトが作れるようになります。 この「見た目」と「動き」の連携が、ウェブサイトの魅力を大きく左右するんです。
具体的に、HTMLとPHPができることを比べてみましょう。
-
HTMLの役割:
- 文字の大きさや色を決める
- 画像の配置を指定する
- リンクを作成する
- 表(テーブル)を作る
-
PHPの役割:
- ユーザーからの入力を受け付ける(例: お問い合わせフォーム)
- データベースに情報を保存したり、読み出したりする
- ログイン機能や会員登録機能を作る
- 動的なコンテンツ(例: 最新ニュース)を表示する
HTMLの基本:構造を作る
HTMLは、ウェブページの「骨組み」を作るための言語です。ブラウザ(ChromeやSafariなど)は、このHTMLを読んで、画面に表示する内容を理解します。だから、どんな要素をどこに配置するか、という指示がとても重要になってきます。
例えば、簡単なHTMLの構造はこんな感じです。
-
<!DOCTYPE html>: この文書がHTML5であることを示します。 -
<html>: HTML文書全体の始まりと終わりを示します。 -
<head>: ウェブサイトのタイトルや、検索エンジンに表示される説明文など、直接画面には見えない情報を記述します。 -
<body>: 実際にブラウザに表示される、文章や画像などの内容を記述します。
<body>
の中には、さらにたくさんの「タグ」と呼ばれる指示があります。例えば、見出しは
<h1>
や
<h2>
、段落は
<p>
、画像は
<img>
といった具合です。これらのタグを組み合わせて、ウェブページのデザインを構成していくんですね。
HTMLの役割をまとめた表はこちらです。
| タグの例 | 役割 |
|---|---|
| <h1>, <h2> | 見出し |
| <p> | 段落 |
| <a> | リンク |
| <img> | 画像 |
PHPの基本:動的な要素をプラス
PHPは、HTMLだけではできない「動的な処理」を行うための言語です。サーバー側で実行されるので、ユーザーは直接PHPのコードを見ることはできません。でも、そのおかげで、より高度な機能を持つウェブサイトが作れるようになるんです。
PHPの得意なことの一つに、ユーザーからの情報を受け取って、それを処理することがあります。例えば、ウェブサイトで「名前」や「メールアドレス」を入力して、送信ボタンを押すと、その情報がサーバーに送られ、PHPがそれを処理して、例えばデータベースに保存したり、メールで送信したりする、という流れです。
PHPを使うことで、以下のようなことが可能になります。
- 会員限定コンテンツへのアクセス制御
- ショッピングカート機能の実装
- コメント機能や掲示板
- メールフォームの送信機能
PHPのコードは、HTMLの中に埋め込むこともできます。こうすることで、PHPで生成された内容を、HTMLの構造の中に組み込んで表示できるんです。例えば、PHPで現在の時刻を取得して、それをHTMLの見出しとして表示する、といったことも可能です。
HTMLとPHPの連携:ウェブサイトの実現
HTMLとPHPは、単独で使われることもありますが、多くの場合、お互いに連携してウェブサイトは作られています。HTMLでウェブサイトの見た目を作り、PHPでそれに動きや機能を追加する、というイメージです。
例えば、お問い合わせフォームを考えてみましょう。フォームの入力欄や送信ボタンはHTMLで作ります。そして、そのフォームから送られてきた内容を受け取って、メールで通知したり、データベースに記録したりするのがPHPの役割です。このように、HTMLで「見せる」部分と、PHPで「動かす」部分が協力し合っているのです。
PHPは、HTMLのコードを動的に生成することもできます。つまり、PHPのプログラムが実行されるたびに、表示されるHTMLの内容が変わる、ということです。これにより、例えば、アクセスしたユーザーによって表示内容を変えたり、最新の情報を自動的に更新して表示したりすることが可能になります。
連携のイメージをまとめると、以下のようになります。
- ユーザーがブラウザでウェブサイトにアクセスします。
- サーバーでPHPプログラムが実行されます。
- PHPプログラムは、必要に応じてデータベースなどから情報を取得します。
- PHPプログラムは、HTMLコードを生成します。
- 生成されたHTMLコードがブラウザに送られ、ウェブサイトが表示されます。
HTMLのメリット・デメリット
HTMLは、ウェブサイトの基本中の基本です。そのメリットとデメリットを理解しておきましょう。
HTMLのメリット
- 学習コストが低い: 比較的簡単に学べ、ウェブサイトの基本的な構造を理解するのに役立ちます。
- ブラウザの互換性が高い: ほとんどすべてのブラウザで正しく表示されます。
- SEO(検索エンジン最適化)に有利: 検索エンジンはHTMLの構造を理解しやすく、適切にマークアップされたページは検索結果で上位表示されやすくなります。
HTMLのデメリット
- 静的な表現に限界がある: 動的なコンテンツや複雑な処理はできません。
- デザインの柔軟性に限界がある: CSS(カスケーディング・スタイル・シート)と組み合わせることでデザインの幅は広がりますが、それ単体では限られます。
PHPのメリット・デメリット
PHPは、ウェブサイトに「賢さ」を与えるための強力なツールです。こちらもメリット・デメリットを見てみましょう。
PHPのメリット
- 動的なウェブサイトが作れる: ユーザーとのインタラクションや、データに基づいた表示が可能です。
- 豊富なライブラリとフレームワーク: 開発を効率化するための様々なツールが揃っています。
- データベースとの連携が容易: MySQLなど、多くのデータベースとスムーズに連携できます。
- オープンソースで無料: 誰でも無料で利用でき、コミュニティも活発です。
PHPのデメリット
- 学習コストがHTMLより高い: プログラミングの概念を理解する必要があります。
- サーバーサイドで実行されるため、環境構築が必要: 開発環境を整える手間がかかる場合があります。
- セキュリティ対策が重要: 不適切なコードはセキュリティ上の脆弱性を生む可能性があります。
どちらが重要?
「HTMLとPHP、どっちがより重要なんだろう?」と疑問に思うかもしれませんが、これは「家を建てるのに、基礎と壁、どっちが重要?」と聞いているようなものです。どちらもウェブサイトを作るためには不可欠な要素であり、それぞれに異なる、しかし重要な役割があります。
HTMLは、ウェブサイトの「土台」であり「骨格」です。これがなければ、そもそも何も表示されません。PHPは、その土台の上に「電気を通したり、水道を引いたりする」ような、ウェブサイトに命を吹き込む役割を担います。
だから、 ウェブサイト制作を学ぶなら、まずはHTMLで構造を理解し、次にPHPで動的な部分を学んでいく のが、一般的なステップと言えるでしょう。
まとめ
HTMLとPHPの違い、なんとなく掴めましたでしょうか? HTMLはウェブサイトの「見た目」や「構造」を作り、PHPはそれに「動き」や「機能」を与える言語です。どちらもウェブサイト制作には欠かせないもので、お互いに協力し合うことで、私たちが普段見ているような、便利で魅力的なウェブサイトが生まれているのです。この二つの違いを理解することで、ウェブサイトがどのように作られているのか、より深く知ることができるはずですよ!