「短期大学」と「専門学校」、どちらも大学卒業までの期間より短く、特定の分野を深く学べる学校ですが、その特徴や卒業後の進路には違いがあります。この違いをしっかり理解することが、あなたの未来を切り拓く学校選びの第一歩となります。この記事では、短期大学と専門学校の違いを分かりやすく解説していきます。
短期大学と専門学校の学び方の違い
短期大学と専門学校の最も大きな違いは、学びのカリキュラムと目指すゴールにあります。短期大学は、大学教育の一部として、短期での教育プログラムを提供しています。そのため、一般的な教養科目も学びつつ、専門分野の基礎から応用までを幅広く学ぶことができます。 自分の興味のある分野をじっくり探求し、幅広い視野を身につけたい人には短期大学が適しています。
一方、専門学校は、特定の職業や分野に特化した実践的なスキルや知識の習得を目的としています。卒業後すぐに現場で活躍できる人材を育成するため、授業の多くは実習や演習が中心となります。例えば、以下のような違いがあります。
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短期大学:
- 教養科目+専門科目
- 幅広い視野と基礎知識の習得
- 例:文学、経済学、保育、食物栄養など
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専門学校:
- 専門分野に特化した実践的な科目
- 即戦力となるスキルと資格の取得
- 例:IT、デザイン、医療事務、調理師、美容師など
また、短期大学では、卒業時に「短期大学士」という学位が授与されます。これは大学卒業者と同じ高等教育機関を修了したことを示すもので、さらに4年制大学に編入する道も開かれています。専門学校の卒業時には、学校が発行する「専門士」などの称号が与えられますが、学位とは異なります。しかし、専門学校で取得できる資格は、職業に直結するため、就職活動において非常に有利になることも少なくありません。
取得できる資格の違い
短期大学と専門学校では、取得できる資格にも違いがあります。短期大学では、卒業することで「短期大学士」の学位が得られるほか、学んだ分野によっては、将来的に国家資格の受験資格が得られる場合もあります。例えば、保育士や栄養士などの資格は、短期大学で所定の科目を履修することで取得が可能です。これらの資格は、卒業後の進路を広げる上で大きな強みとなります。
専門学校では、より実践的な職業に直結する資格取得を強力にサポートしています。多くの専門学校では、カリキュラムの中に資格試験対策が含まれており、在学中に難関資格を取得できるケースも珍しくありません。具体的には、以下のような資格が挙げられます。
- IT分野: 基本情報技術者試験、応用情報技術者試験など
- 医療・福祉分野: 医療事務、介護福祉士(国家試験受験資格)など
- デザイン分野: 色彩検定、Photoshopクリエイター能力認定試験など
- 調理・製菓分野: 調理師免許、製菓衛生師免許など
これらの資格は、専門学校で集中的に学ぶことで、効率的に取得できるのが特徴です。卒業後すぐに就職したい、特定の職業に就きたいと考えている人にとっては、専門学校で資格取得を目指すのが近道と言えるでしょう。
卒業後の進路の違い
短期大学と専門学校では、卒業後の進路にも違いが見られます。短期大学を卒業した学生は、その幅広い教養と専門知識を活かして、様々な企業や団体へ就職します。また、短期大学士の学位を持っているため、4年制大学への編入も選択肢の一つとなります。編入することで、さらに専門性を深めたり、より高度な学問を追求したりすることが可能です。
一方、専門学校を卒業した学生は、学校で培った専門スキルを活かして、卒業後すぐに希望する業界や職種に就職するケースがほとんどです。専門学校は、企業との連携も深く、就職サポートが充実している学校も多いため、希望する就職先へのマッチングがスムーズに進むことが多いです。例えば、以下のような就職先が考えられます。
| 短期大学卒業者の主な就職先 | 専門学校卒業者の主な就職先 |
|---|---|
| 一般事務、営業職、企画職、公務員、教育関係、福祉関係など | ITエンジニア、デザイナー、調理師、美容師、パティシエ、医療事務、介護士など |
このように、短期大学は幅広い進路、専門学校は特定の職業への就職という傾向が強いと言えます。
学費の違い
短期大学と専門学校の学費には、一般的に違いがあります。短期大学は、国公立と私立で学費が大きく異なりますが、専門学校と比較すると、公立の場合は比較的安価であることが多いです。私立の短期大学の場合は、専門学校と同程度の学費がかかることもあります。
専門学校の学費は、学校や学科によって大きく異なりますが、一般的に短期大学よりも高額になる傾向があります。これは、専門学校が高度な実習設備や、現場で活躍する専門的な講師陣を擁していることが多いためです。ただし、最近では、専門学校でも奨学金制度や学費ローンが充実している場合が多く、経済的な負担を軽減するためのサポートも手厚くなっています。
入試方法の違い
短期大学と専門学校では、入試方法にも違いがあります。短期大学の入試は、大学入試に準じたものが多く、一般入試、推薦入試、AO入試などがあります。一般入試では、国語、英語、数学などの学科試験が課されることが一般的です。面接や小論文が課される場合もあります。
一方、専門学校の入試は、比較的門戸が広い傾向があります。学科試験よりも、面接や実技試験、書類審査が重視されることが多いです。これは、専門学校が、学習意欲や適性を重視して学生を選抜したいと考えているためです。特に、芸術系の専門学校では、ポートフォリオの提出や実技試験が非常に重要になります。また、専門学校によっては、早期出願者向けの特典があったり、オープンキャンパスでの評価が合否に影響したりすることもあります。
学びの期間の違い
短期大学と専門学校の最も分かりやすい違いの一つが、学びの期間です。短期大学は、その名の通り「短期」の大学であり、通常2年間で卒業となります。2年間で、短期大学士の学位を取得し、卒業となります。
専門学校の修業年限は、学科によって異なりますが、1年制、2年制、3年制などがあります。例えば、調理師や美容師、IT関連の学科では2年制が多いですが、より高度な専門知識や技術を習得する学科では3年制の場合もあります。どちらの学校を選ぶにしても、自分の興味や将来の目標に合わせて、最適な期間の学校を選ぶことが大切です。
このように、短期大学と専門学校にはそれぞれ異なる特徴があります。どちらの学校が自分に合っているのか、じっくり考えて、あなたの夢を実現するための最適な学校を選んでください。