年収 と 所得 の 違い、しっかり理解しよう!~あなたの手取りはどう変わる?~

「年収」と「所得」、この二つの言葉、なんとなく分かっているようで、実はその違いをはっきり説明できますか? 就職活動や税金の話、住宅ローンを組むときなど、色々な場面で出てくる大切な言葉です。今回は、この 年収 と 所得 の 違い を、誰にでも分かりやすく、そしてその違いがあなたの生活にどう影響するのかまで、じっくり解説していきます!

年収と所得、基本のキ!

まず、一番大切なのは、年収と所得は全く違うものだということです。年収は、文字通り1年間で稼いだ「総額」のこと。給料明細に書かれている額面給与はもちろん、ボーナスなども全て含めた、いわば「入ってくるお金のすべて」です。一方、所得は、その年収から、お仕事をする上で必要だった経費(給与所得控除といいます)や、社会保険料、所得税や住民税などを差し引いた、実際に「手元に残るお金」に近いものです。

この違いを理解することは、 年収 と 所得 の 違い を把握する上で非常に重要です。なぜなら、税金はこの「所得」にかかってくるからです。年収が高くても、所得が低ければ、払う税金も少なくなります。逆に、年収がそれほど高くなくても、経費などが少ないと所得が高くなり、税金が多くなることもあります。

具体的に、年収と所得がどのように計算されるのか、簡単な表で見てみましょう。

年収
  • 基本給
  • 残業代
  • ボーナス
  • その他手当
所得
  1. 年収から給与所得控除を引く
  2. さらに、社会保険料控除、生命保険料控除などを引く
  3. (場合によっては、さらに所得控除を引く)

年収と所得、何が違うの?~給与所得控除って何?~

年収と所得の最大の違いは、先ほども少し触れた「給与所得控除」の有無です。会社員の場合、自分で事業をするわけではないので、経費を実額で計算するのではなく、年収に応じて一定額の「給与所得控除」が自動的に差し引かれます。これは、仕事のために洋服を買ったり、交通費がかかったりといった、会社員が最低限必要とする経費を考慮してくれる制度なのです。

例えば、年収が400万円の人と、同じく年収400万円でも、役職についていて色々な手当がついている人では、給与所得控除の額が異なる場合があります。このように、 年収 と 所得 の 違い は、単に「引かれるものがあるかないか」だけでなく、その「引かれるものの種類や計算方法」にも特徴があるのです。

給与所得控除の額は、年収によって決まっています。所得税法で定められており、年収が高くなるほど、控除額も大きくなります。しかし、上限額も決まっているので、年収がいくら増えても、それ以上控除額が増えるわけではありません。この仕組みを知っておくと、年収と所得の関係がよりクリアになるはずです。

給与所得控除以外にも、所得を計算する際には様々な控除が関係してきます。主なものとしては、以下のようなものがあります。

  • 社会保険料控除: 健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などを差し引いた額。
  • 生命保険料控除: 生命保険や医療保険、個人年金保険などに支払った保険料。
  • 扶養控除: 生計を一にする配偶者や親族(子供など)がいる場合に受けられる控除。
  • 基礎控除: 全ての人に適用される控除。

所得税・住民税の計算方法

さて、 年収 と 所得 の 違い を理解した上で、次に気になるのは、実際にいくら税金がかかるのか、ということですよね。税金は、先ほど説明した「所得」を基に計算されます。所得税と住民税では、計算の仕組みや税率が少し異なります。

所得税は、国の税金です。計算式は以下のようになります。

所得税額 = (課税所得金額)× 税率 - 税額控除額

ここでいう「課税所得金額」は、年収から給与所得控除や各種所得控除(社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除、基礎控除など)を差し引いた金額です。税率には「超過累進課税」という仕組みが採用されており、所得が高いほど税率も高くなります。

住民税は、住んでいる都道府県や市区町村にかかる税金です。所得税よりも計算はシンプルで、基本的には「均等割」と「所得割」の合計になります。

  • 均等割: 誰でも一定額がかかる部分。
  • 所得割: 所得額に応じてかかる部分。税率は全国一律で、一般的に10%です。

住民税の計算では、所得税と同様に、様々な所得控除が適用されます。ただし、所得税とは控除の種類や計算方法が異なる部分もあります。

手取り額はどう変わる?

「年収は高いけど、手取りは意外と少ない…」「所得が高いと、税金がたくさんかかるの?」といった疑問は、 年収 と 所得 の 違い を理解すればスッキリします。手取り額とは、文字通り、実際にあなたの銀行口座に振り込まれる金額のこと。これは、年収から、税金(所得税、住民税)や社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料など)を差し引いた金額になります。

つまり、年収が高くても、控除が少なければ所得が高くなり、結果として税金や社会保険料の負担が増え、手取り額が年収の割に少なく感じることもあります。逆に、年収がそれほど高くなくても、控除をしっかり活用できれば、所得が抑えられ、手取り額が年収の割合に対して多くなることもあります。

手取り額を増やすためには、以下の点を意識すると良いでしょう。

  1. 控除について理解する: 自分がどのような控除を受けられるのかを把握し、漏れなく申請する。
  2. 副業などの所得を把握する: 副業をしている場合は、その所得も正しく申告することが大切。
  3. 家計管理をしっかり行う: 不要な支出を減らし、貯蓄や投資に回せるお金を増やす。

年末調整と確定申告

年収 と 所得 の 違い 、そして税金について理解したところで、次に知っておきたいのが「年末調整」と「確定申告」です。これらは、1年間の所得税額を正しく計算し、納税するために行う手続きです。

年末調整: 会社員の場合、通常、会社が年末調整を行ってくれます。これは、1年間の給与から源泉徴収された所得税額と、本来納めるべき所得税額との差額を精算する手続きです。年末調整で、扶養控除や生命保険料控除などの各種控除を申請することで、払いすぎた税金が還付されたり、追加で納税したりすることになります。

確定申告: 一方、確定申告は、自分で1年間の所得と税額を計算し、税務署に申告する手続きです。会社員でも、副業をしていて一定以上の所得がある場合や、医療費控除、住宅ローン控除などで年末調整では処理しきれない控除を受けたい場合などに必要となります。フリーランスや自営業の人は、原則として確定申告が必要です。

年末調整で十分な場合でも、確定申告をすることで、さらに税金が還付されるケースもあります。例えば、年内に結婚・出産・住宅購入など、大きなライフイベントがあった場合は、確定申告を検討する価値があります。

年収と所得、どちらが重視される?

「結局、年収と所得、どっちが大事なの?」という疑問にお答えします。それは、 年収 と 所得 の 違い によって、見られる基準が異なるからです。

  • 住宅ローンや自動車ローンなど: こうしたローンの審査では、一般的に「年収」が重視されます。なぜなら、返済能力を測る上で、毎月安定してどれくらいの収入があるのか(年収)が、最も分かりやすい指標だからです。
  • 税金(所得税・住民税): 税金は、先述の通り「所得」にかかります。したがって、税金を計算する上では所得が重要になります。
  • 社会的な信用やステータス: 一般的な「いくら稼いでいるか」というイメージでは、年収が使われることが多いです。

このように、場面によって重視される指標は変わってきます。自分がどのような目的で、年収と所得のどちらを見ているのかを明確にすることが大切です。

例えば、転職活動で「年収〇〇万円」という求人を見た場合、それはあくまで額面での年収です。そこから税金や社会保険料が引かれると、手取り額はそれよりも少なくなります。そのため、求人を見る際には、額面年収だけでなく、手取り額についても考慮して判断することが賢明です。

また、不動産投資や事業を始める場合など、初期投資やリスクを伴う場面では、年収だけでなく、所得の推移や将来性も合わせて検討することが重要になります。 年収 と 所得 の 違い を理解し、それぞれの意味合いを把握することで、より的確な判断ができるようになるでしょう。

最後に、 年収 と 所得 の 違い を理解することは、将来設計を考える上でも非常に役立ちます。自分がどれくらい稼いで、そこからどれくらい税金や社会保険料が引かれ、手元にいくら残るのか。この流れを把握することで、将来の貯蓄計画やライフプランをより具体的に立てることができるはずです。

この解説を参考に、ぜひご自身の年収と所得について、一度じっくり確認してみてください。きっと、あなたの家計管理や将来設計に役立つはずです。

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