DOHCとSOHCの違いを徹底解説!エンジンの心臓部を知ろう!

車のエンジンって、実は色々な種類があるんです。「DOHC」とか「SOHC」って聞いたことありますか?これらはエンジンの「バルブ」を動かす仕組みを表していて、「DOHCとSOHCの違い」を理解すると、車の性能がどう違うのかが分かってきます。今回は、この二つの仕組みを分かりやすく解説していきますね!

バルブの数と配置が鍵!DOHCとSOHCの基本

「DOHC」と「SOHC」の最大の違いは、シリンダーヘッドにあるバルブの数と配置にあります。SOHCは「Single Overhead Camshaft」の略で、一つのカムシャフトで吸気バルブと排気バルブを動かします。一方、DOHCは「Double Overhead Camshaft」の略で、吸気バルブ用と排気バルブ用にそれぞれ別のカムシャフトを持っています。

このバルブの数と配置の違いが、エンジンの性能に大きく影響します。「 エンジンの吸排気効率を高めることが、エンジンのパワーアップや燃費向上に繋がる 」という点が、DOHCとSOHCの違いを理解する上で非常に重要です。

具体的には、DOHCはバルブの数が多い(通常、1気筒あたり4つ:吸気2つ、排気2つ)ため、より多くの空気を取り込み、排気ガスを効率的に外に出すことができます。SOHCは通常、1気筒あたり2つまたは3つのバルブを持つことが多いです。

名称 カムシャフト数 バルブ数(1気筒あたり目安) 特徴
SOHC 1本 2〜3個 構造がシンプル、低〜中回転域でのトルク重視
DOHC 2本 4個 高回転域までスムーズ、パワー重視

吸排気効率とエンジンのパワー

DOHCエンジンは、吸気バルブと排気バルブがそれぞれ独立したカムシャフトで動くため、バルブの開閉タイミングをより細かく制御できます。これにより、高回転域までスムーズに回転数を上げることができ、結果としてエンジンの最高出力が高くなります。スポーツカーや高性能車によく採用されているのはこのためです。

SOHCエンジンは、1本のカムシャフトで両方のバルブを動かすため、構造は比較的シンプルですが、バルブの開閉タイミングの自由度はDOHCに劣ります。しかし、低〜中回転域でのトルク(エンジンの回転力)を出しやすいように設計されることが多く、街乗りや日常的な走行には十分な性能を持っています。燃費性能とのバランスが良い車種にも多く見られます。

それぞれのエンジンが目指す性能域が異なるため、どのような運転をしたいかによって、どちらのエンジンが適しているかが変わってきます。

  • DOHC:高回転でのパワー、スポーティな走り
  • SOHC:低〜中回転での力強さ、燃費とのバランス

構造のシンプルさとコスト

SOHCエンジンは、カムシャフトが1本で済むため、部品点数が少なく、構造が比較的シンプルです。これにより、製造コストを抑えることができます。そのため、大衆車やコンパクトカーなど、価格を重視する車種に多く採用されています。

一方、DOHCエンジンはカムシャフトが2本必要になり、それに伴って部品点数も増え、構造が複雑になります。そのため、製造コストはSOHCよりも高くなる傾向があります。しかし、その分、より高い性能を引き出すことが可能になります。

エンジンの性能を最大限に引き出すためには、それなりのコストと複雑な構造が必要になる 」という点は、DOHCとSOHCの設計思想の違いからも理解できます。

  1. SOHC:部品点数が少なく、低コスト
  2. DOHC:部品点数が多く、高コスト

メンテナンス性と耐久性

SOHCエンジンは構造がシンプルなため、部品点数が少なく、メンテナンスもしやすいというメリットがあります。定期的なオイル交換などの基本的なメンテナンスをしっかり行えば、非常に長持ちするエンジンです。

DOHCエンジンは構造が複雑な分、メンテナンスには専門的な知識や技術が必要になる場合があります。しかし、最近のDOHCエンジンは非常に信頼性が高く、適切なメンテナンスを行えば、SOHCエンジンと同様に高い耐久性を誇ります。むしろ、より精密に設計されているため、性能を維持するためには定期的な点検が重要になります。

エンジンの種類と各メーカーの採用例

SOHCエンジンは、そのバランスの良さから、多くのメーカーで採用されています。例えば、ホンダの「VTEC」シリーズでも、SOHC VTECというタイプがあります。トヨタでは、「バルブマチック」などを搭載したSOHCエンジンがあります。

DOHCエンジンも、高性能を求めるモデルを中心に、各メーカーが積極的に採用しています。日産の「VVEL」、BMWの「VANOS」、メルセデス・ベンツの「カムトロニック」など、各社独自の技術でDOHCエンジンの性能をさらに引き出しています。最近では、環境性能とパワーを両立させるために、ダウンサイジングターボエンジンにDOHCを採用するケースも増えています。

どのようなエンジンが搭載されているかは、車種のカタログやインターネットで確認することができます。

DOHCとSOHC、どちらが良いの?

「DOHCとSOHCの違い」について説明してきましたが、結局どちらが良いのでしょうか?これは、車の使い方や求める性能によって異なります。

もし、街乗りが中心で、燃費も気になる、とにかく経済的に車を使いたいという場合は、SOHCエンジンでも十分な性能を発揮してくれるでしょう。

一方、週末に山道を走ったり、サーキットでスピードを楽しみたい、とにかくパワフルな走りがしたいという場合は、DOHCエンジンがおすすめです。高回転まで気持ちよく吹け上がる感覚は、DOHCならではの魅力です。

自分のカーライフに合ったエンジンを選ぶことが、満足度を高める鍵 」となります。

各メーカーは、それぞれのエンジンの特性を活かして、様々な車種を開発しています。ぜひ、車のカタログを見ながら、搭載されているエンジンにも注目してみてください。

まとめ

DOHCとSOHCの違いは、エンジンのバルブを動かすカムシャフトの数と配置にあります。この違いが、エンジンの吸排気効率、ひいてはエンジンのパワーや燃費、そしてコストにも影響を与えています。どちらのエンジンにもそれぞれの良さがあり、車の用途やドライバーの好みに合わせて選択されています。エンジンの仕組みを知ることで、車選びがもっと楽しくなるはずです!

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