DSP版とOEM版の違いとは?知っておきたいWindowsライセンスの秘密

パソコンを買うときや、自分で組み立てるときに「Windows」というOS(基本ソフト)が必要になりますよね。このWindowsには、実は「DSP版」と「OEM版」という、ちょっとした違いがあるんです。今回は、この DSP版とOEM版の違い を分かりやすく解説していきます。どちらを選べばいいのか、どんな特徴があるのか、一緒に見ていきましょう!

DSP版とOEM版、何が違うの?~購入方法とライセンスの基本~

まず、DSP版とOEM版の最大の違いは、 購入する際の形態と、それに伴うライセンス(利用許諾)の条件 です。簡単に言うと、DSP版は自分でパソコンパーツとセットで購入するもので、OEM版はパソコンメーカーがあらかじめ組み込んで販売しているものです。

それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。

  • DSP版: パソコンのパーツ(マザーボード、CPUなど)とセットで購入する必要がある。自分で組み立てたパソコンや、パーツを交換したパソコンにインストールする場合に利用されることが多い。
  • OEM版: パソコンメーカーが自社製品にプリインストール(最初から入っている状態)して販売する。一般の人が単体で購入することはできない。

この購入方法の違いが、後々「サポート」や「再インストール」といった点にも影響してくるんです。 この違いを理解しておくと、将来的にパソコンを扱う上でとても役立ちます。

種類 購入方法 主な用途
DSP版 パーツとセット購入 自作PC、パーツ交換後のPC
OEM版 PCメーカー製PCにプリインストール BTOパソコン、メーカー製PC

DSP版のメリット・デメリット

DSP版Windowsの魅力は、なんといっても 価格がお手頃なことと、自由度の高さ です。自分でパソコンを組み立てるのが好きな人にとっては、まさにぴったりな選択肢と言えるでしょう。

DSP版のメリットを具体的に見てみましょう。

  1. 価格がお得: 一般的なパッケージ版(リテール版)と比べて、DSP版は安価に購入できます。
  2. パーツとのセット購入: パソコンを自作する際に、OSも一緒に揃えることができます。
  3. 自由なパーツ構成: 好きなパーツを選んで、自分だけのパソコンを作りたい人に最適です。

一方で、DSP版には注意点もあります。

  • ライセンスの縛り: 基本的に、DSP版は最初にセット購入したPCのパーツとセットでライセンスが紐づきます。マザーボードなどの主要パーツを交換すると、ライセンスが無効になる可能性があります。
  • サポート: Microsoftではなく、購入したパーツショップや販売元にサポートを依頼することになります。

このライセンスの縛りは、DSP版を選ぶ上で最も重要視すべき点です。

メリット デメリット
価格がお手頃 ライセンスの縛りが強い
自作PCに最適 サポート窓口が限定的

OEM版のメリット・デメリット

OEM版Windowsは、 パソコンを購入したときに最初から入っているもの です。普段パソコンを使っているだけなら、ほとんど意識することはないかもしれませんが、こちらも特徴があります。

OEM版の主なメリットは、 購入の手間がかからないことと、メーカーによるサポートが受けられる可能性が高いこと です。

  1. 導入の手間いらず: パソコンを開封すれば、すぐにWindowsが使える状態になっています。
  2. メーカーサポート: パソコン本体に問題があった場合、OSも含めてメーカーがサポートしてくれることが多いです。

しかし、OEM版にもデメリットは存在します。

  • 単体購入不可: 一般の人がOSだけをOEM版として購入することはできません。
  • ライセンスの限定: 基本的に、そのパソコン本体とセットでライセンスが紐づくため、別のパソコンへの移行はできません。

OEM版のライセンスは、そのPC専用のものだと理解しておきましょう。

メリット デメリット
すぐに使える OS単体での購入ができない
メーカーサポート 他のPCへの移行ができない

DSP版とOEM版のサポート体制の違い

DSP版とOEM版では、 トラブルが起きた際のサポート窓口が異なります。 これが、ユーザーがどちらを選ぶかに大きく影響するポイントの一つです。

DSP版の場合、Windowsのインストールやライセンスに関する技術的な問題については、 製品を購入した販売店(パーツショップなど)に問い合わせるのが一般的 です。Microsoftのサポートを受けるためには、別途リテール版(パッケージ版)の購入が必要になる場合もあります。

一方、OEM版は、 パソコンメーカーが提供するサポートの対象となります。 パソコン本体の故障や、プリインストールされているソフトウェアに関する問題と合わせて、OSに関する問題もメーカーのサポート窓口で相談できるのが大きな特徴です。これは、パソコン初心者の方にとっては安心材料となるでしょう。

サポート体制の違いは、長期的にパソコンを安心して使う上で非常に重要です。

種類 主なサポート窓口
DSP版 購入した販売店
OEM版 パソコンメーカー

DSP版とOEM版の再インストールについて

パソコンを使っていると、一度OSを再インストールする必要が出てくることがあります。このとき、DSP版とOEM版では 再インストールの条件や方法に違い があります。

DSP版の場合、 最初に購入したPCのパーツ(特にマザーボード)とセットでライセンスが紐づいている ため、そのPCであれば再インストールは可能です。ただし、マザーボードなどの主要パーツを交換した場合は、ライセンスが無効とみなされ、再アクティベーション(再認証)が必要になることがあります。その際は、購入した販売店に相談することになるでしょう。

OEM版は、 そのパソコン本体に紐づいたライセンス です。そのため、同じパソコンであれば、リカバリーメディアやメーカー提供の回復機能を使ってOSを再インストールすることができます。ただし、これはあくまでそのパソコンに限定された話で、OSだけを取り出して別のPCにインストールすることはできません。

再インストールの自由度や、それに伴うライセンスの扱いを理解しておくことは、将来的なPCのメンテナンスに役立ちます。

再インストールに関する注意点をまとめると以下のようになります。

  • DSP版: 主要パーツ交換でライセンスに影響が出る可能性あり。
  • OEM版: 購入したPC本体でのみ再インストール可能。

DSP版とOEM版のアップグレードについて

Windowsには、新しいバージョンが登場した際にアップグレードする機会があります。DSP版とOEM版では、 アップグレードの際に注意すべき点 があります。

DSP版の場合、 アップグレードする際にも、元のライセンスが有効であることが条件 となります。つまり、DSP版のライセンスが有効である限り、新しいバージョンのWindowsへアップグレードできる可能性が高いです。ただし、アップグレードにはPCのスペックが十分である必要があり、また、アップグレード後に問題が発生した場合は、販売店に相談することになります。

OEM版は、 パソコンメーカーが提供するアップグレードプログラム があれば、それに沿ってアップグレードすることになります。メーカーによっては、特定のバージョンへのアップグレードを推奨していなかったり、有料になったりする場合もあります。また、メーカー製PCには、そのPC固有のドライバーやソフトウェアがインストールされているため、アップグレードによってそれらが正常に動作しなくなる可能性も考慮する必要があります。

アップグレードの際の互換性やサポート体制は、DSP版とOEM版で異なってくるため、事前に確認することが大切です。

種類 アップグレードの注意点
DSP版 元のライセンスが有効ならアップグレード可能。PCスペックや互換性に注意。
OEM版 メーカーの提供プログラムに依存。ドライバーなどの互換性に注意。

まとめ:どちらを選ぶべき?

ここまで、DSP版とOEM版の違いについて詳しく見てきました。 DSP版とOEM版の違い は、購入方法、ライセンス、サポート、再インストールといった様々な面に影響します。

自分でパソコンを組み立てるのが好きで、コストを抑えたいならDSP版。 ただし、ライセンスの制約やサポート体制は理解しておく必要があります。

パソコンに詳しくない、すぐに使いたい、メーカーのサポートを受けたいという方ならOEM版(メーカー製PC)。 こちらは、購入すればすぐに使えるという手軽さが魅力です。

どちらの版を選ぶにしても、 ライセンスの条件をしっかり理解し、ご自身の使い方に合った方を選ぶことが重要 です。

これで、DSP版とOEM版の違いについて、バッチリ理解できたのではないでしょうか。パソコン選びや自作の際の参考になれば幸いです。

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