突発性発疹と麻疹の違いを徹底解説!見分け方と注意点

お子さんの発疹に「これは何だろう?」と心配になることはよくありますよね。特に、発疹が出る病気としてよく知られている「突発性発疹」と「麻疹(はしか)」は、名前も似ていて、どちらも高熱が出るという共通点があるため、混同しやすいものです。ここでは、 突発性発疹と麻疹の違い を分かりやすく解説し、それぞれの特徴や見分け方、そして受診の目安についてお伝えします。

発熱と発疹のタイミングと特徴から見る違い

突発性発疹と麻疹の最も大きな違いは、発疹が現れるタイミングと、それに伴う症状の経過です。突発性発疹は、一般的に「不機嫌」や「高熱」が数日間続き、熱が下がった頃に体幹を中心にピンク色の小さな発疹がポツポツと現れるのが特徴です。「熱が下がってから発疹が出る」という点が、他の病気との見分けのポイントになります。

一方、麻疹は、発疹が出る前に以下のような症状が見られることが多いです。

  • 高熱
  • 鼻水
  • 結膜炎(目が充血して涙が出る)
これらの症状が数日間続き、その後に顔や首から全身へと広がる、赤くて少し盛り上がった発疹が現れます。発疹は、突発性発疹よりも大きく、数も多い傾向があります。

このように、発疹が出る前の症状や、発疹の出方、広がり方など、細かく見ていくと突発性発疹と麻疹には明確な違いがあります。 原因となるウイルスや感染力も全く異なるため、正確な診断が重要です。

原因となるウイルスと感染経路の違い

突発性発疹の原因は、主にヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)や7型(HHV-7)といったウイルスです。これらのウイルスは、唾液などを介して感染すると考えられていますが、感染しても症状が出ない「不顕性感染」のことも多いのが特徴です。そのため、一度かかると免疫ができて、基本的には再感染することはありません。

対して麻疹は、麻疹ウイルスの感染によって引き起こされます。麻疹ウイルスは非常に感染力が強く、空気感染をするため、感染者の咳やくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むだけで感染してしまう可能性があります。そのため、麻疹にかかったことがある人や、麻疹ワクチンを接種していない人は、感染のリスクが非常に高くなります。

発疹の広がり方と消え方の違い

突発性発疹の発疹は、体幹(お腹や背中)に現れることが多く、顔や手足にはあまり出にくい傾向があります。発疹は、数ミリ程度の平らなピンク色で、かゆみはほとんどありません。発疹は数日でおさまっていきます。

麻疹の発疹は、まず顔や首に出て、そこから全身に広がっていくのが一般的です。発疹は、突発性発疹よりも赤く、少し盛り上がることがあります。また、発疹が消えるときも、出てきたときと同じように顔から全身へと徐々に薄くなっていきます。

症状 突発性発疹 麻疹
発疹の出始め 熱が下がった頃 高熱や咳などの症状が出た後
発疹の出やすい部位 体幹(お腹、背中) 顔、首から全身へ
発疹の見た目 平らなピンク色、数ミリ程度 赤く、少し盛り上がることがある

合併症の起こりやすさの違い

突発性発疹は、基本的には軽症で自然に治ることがほとんどです。まれに、熱性けいれんを起こすことがありますが、後遺症が残ることは稀です。しかし、免疫力が低下しているお子さんの場合は、肺炎などの合併症を起こす可能性もゼロではありません。

一方、麻疹は、合併症を起こしやすい病気として知られています。特に、以下のような合併症が起こることがあります。

  1. 肺炎
  2. 中耳炎
  3. 脳炎(最も重篤な合併症で、後遺症が残ることもあります)
これらの合併症は、重症化するリスクがあるため、麻疹の疑いがある場合は、迅速な受診と適切な治療が不可欠です。

予防接種の有無による違い

突発性発疹には、特別な予防接種はありません。そのため、一度かかっても、原因となるウイルスが体内に潜伏している期間や、再感染する可能性が示唆されることもありますが、一般的には一生に一度かかるとされています。

麻疹は、感染力が非常に強く、重症化しやすい病気だからこそ、予防接種が非常に重要です。麻疹ワクチンは、単独のワクチン(MRワクチンではありません)や、麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)として接種されます。定期接種として2回接種することで、麻疹にかかるリスクを大幅に減らすことができます。 麻疹の流行を防ぐためには、ワクチン接種率の向上が不可欠です。

医療機関を受診する目安

お子さんに発疹が見られた場合、まずは落ち着いて、発熱の有無、発疹の出方、他に気になる症状がないかなどを確認しましょう。

  • 高熱が続いている
  • 機嫌が悪く、ぐったりしている
  • 咳や鼻水、目の充血など、発疹以外の症状がひどい
  • 発疹が急に広がっていく
上記のような症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。特に、麻疹の疑いがある場合は、感染拡大を防ぐためにも、受診前に必ず電話で連絡し、指示を仰ぐようにしましょう。

「突発性発疹かな?」と思っても、初期症状が似ている他の病気である可能性も十分にあります。自己判断せず、医師の診断を受けることが大切です。医師は、問診や診察を通して、突発性発疹と麻疹、あるいは他の病気との違いを判断します。

どちらの病気も、早期発見・早期治療が重要ですが、特に麻疹は感染力が強く、合併症のリスクも高いため、注意が必要です。お子さんの健康を守るためにも、日頃から病気の特徴を理解しておくことが役立ちます。

突発性発疹と麻疹は、名前や症状に共通点があるため、区別が難しいと感じる方もいるかもしれません。しかし、原因となるウイルス、感染経路、発疹の出方、合併症のリスクなど、多くの点で違いがあります。 これらの違いを理解しておくことで、お子さんの状態をより正確に把握し、適切な対応をとることができます。

今回の記事が、突発性発疹と麻疹の違いについて理解を深める一助となれば幸いです。お子さんの健康を第一に、気になる症状があれば迷わず医師に相談してくださいね。

関連記事: