「承諾」と「了 承 」は、どちらも相手の提案や依頼に対して「いいですよ」と答える時に使う言葉ですが、そのニュアンスには大きな違いがあります。この二つの言葉の 承諾 と 了承 の 違い をしっかり理解することで、よりスムーズで正確なコミュニケーションが可能になります。
「承諾」と「了承」の根本的な違いとは?
まず、一番大切なのは「承諾」が「相手の提案や要求を積極的に受け入れる」という意味合いが強いのに対し、「了 承 」は「相手の意図や状況を理解した上で、それを認める」という意味合いが強いという点です。つまり、 承諾 は「YES」という意思表示に重きが置かれ、了 承 は「理解した上で受け入れます」というプロセスに重きが置かれます。
具体的に考えてみましょう。
- 承諾 :友達に「明日、一緒に映画に行こうよ!」と誘われた時に、「うん、行く!」と元気よく答えるのが「承諾」です。相手の提案に乗り気で、積極的に同意するイメージです。
- 了 承 :上司から「この資料、明日の午前中までにまとめてくれる?」と頼まれた時に、「はい、承知いたしました。すぐに取り掛かります。」と返事をするのが「了 承 」に近いです。状況を理解し、その依頼に応えることを伝えています。
この違いは、ビジネスシーンで特に重要になります。例えば、契約の場面では、相手の提案内容をしっかり理解した上で「承諾」することが求められます。
| 言葉 | 意味合い | 使う場面の例 |
|---|---|---|
| 承諾 | 積極的に受け入れる | 提案、依頼、申し出など |
| 了 承 | 理解した上で認める | 依頼、連絡、報告など |
「承諾」の具体的な使い方とニュアンス
「承諾」は、相手の申し出や依頼に対して、自分の意思として「良い」「同意する」という返事をすることを指します。これは、単に聞いているだけでなく、その内容を理解し、肯定的に受け止めていることを示します。「承諾」には、相手への敬意や、その提案を受け入れることによる責任が伴う場合もあります。
例えば、以下のような場面で使われます。
- 提案の承諾 :新しい企画の提案に対して、「ご提案を承諾いたします。」という返事は、その企画内容を理解し、採用することを意味します。
- 依頼の承諾 :仕事の依頼に対して、「ご依頼、承知いたしました。」という返事は、その依頼内容を受けて、実行することを約束するニュアンスです。
- 申し出の承諾 :例えば、お見舞いの申し出に対して、「お見舞いの申し出、ありがたく承諾させていただきます。」といった形で使われることもあります。
「承諾」は、相手の行動や提案に対する積極的な意思表示であり、そこには「Yes」という明確な返答が含まれています。 「承諾」の返事は、その後の関係性や物事の進行に大きく影響します。
「了承」の具体的な使い方とニュアンス
一方、「了 承 」は、相手からの情報や指示、要望などを「理解した」「分かった」という意味で受け止めることを指します。これは、必ずしも積極的に同意したり、行動することを約束したりするわけではありません。状況によっては、「承知したけれど、実行できるかは分からない」というニュアンスを含むこともあります。
「了 承 」が使われる具体的な場面を見てみましょう。
- 状況の了承 :「この件につきましては、状況を了 承 いたしました。」という場合、問題や事情を理解したという意思表示です。
- 指示の了承 :「ご指示、了 承 いたしました。」は、指示内容を理解し、それを踏まえて行動する、あるいはその状況を把握したことを意味します。
- 注意点の了承 :「火災には十分ご注意ください、との注意喚起、了 承 いたしました。」のように、相手からの忠告や注意を理解したことを伝えます。
「了 承 」は、相手の意図や状況を把握し、それを心に留めていることを示す言葉です。 「了承」という返事は、相手の意向を無視していないという意思表示であり、誤解を防ぐ上で役立ちます。
ビジネスシーンでの「承諾」と「了承」の使い分け
ビジネスシーンでは、この二つの言葉の使い分けは非常に重要です。相手への敬意を払い、誤解なく意思を伝えるために、状況に応じた適切な言葉を選びましょう。
例えば、
- 契約や合意 :相手からの契約提案を「良い」と判断し、契約を結ぶ場合は「契約内容を承諾いたします。」のように「承諾」を使います。
- 指示や報告 :上司からの業務指示や、部下からの業務報告に対しては、「ご指示、了 承 いたしました。」「ご報告、了 承 いたしました。」のように「了 承 」を使うのが一般的です。
- 依頼への返答 :仕事の依頼に対して、その依頼を受けることが確定している場合は「ご依頼、承諾いたします。」、依頼内容を理解し、検討したり、状況を把握したことを伝える場合は「ご依頼、了 承 いたしました。」となります。
「承諾」は「受諾」、つまり受け入れることを明確に伝える場合に、「了承」は「理解・把握」したことを伝える場合に使うと考えると分かりやすいでしょう。
「承諾」と「了承」の婉曲的な表現
直接的に「承諾」や「了 承 」と言わずに、より丁寧に相手に伝えるための婉曲的な表現もあります。これらの表現を使いこなすことで、さらに円滑な人間関係を築くことができます。
例えば、
- 「結構です」 :これは、相手の提案を断る場合にも、受け入れる場合にも使われるため、文脈で判断する必要があります。目上の人に対しては、丁寧さに欠ける場合があるので注意が必要です。
- 「よろしいでしょう」 :相手の提案や依頼に対して、許可や同意を与えるニュアンスで使われます。「承諾」に近い意味合いで、少し控えめな表現です。
- 「承知いたしました」 :これは「了 承 」とほぼ同義で、相手の言っていることを理解し、受け止めたことを示す丁寧な表現です。
これらの婉曲表現は、相手への配慮を示す上で非常に有効です。
「承諾」と「了承」を間違えるとどうなる?
もし「承諾」と「了 承 」を間違えて使ってしまうと、相手に意図しない意味で伝わってしまう可能性があります。これは、コミュニケーションの齟齬(そご)を生み、場合によってはトラブルの原因にもなりかねません。
例えば、
- 「提案内容、了 承 いたしました。」 :相手は「採用してくれるのかな?」と思っているのに、実際は「内容を理解しただけ」で、採用は保留、という意図だと伝わってしまいます。
- 「依頼、承諾いたします。」 :本当は、条件が合わずに断りたいのに、このように伝えてしまうと、相手は「受けてくれた」と思ってしまい、後で困ったことになるかもしれません。
正確な言葉遣いは、相手との信頼関係を築く上で土台となります。
まとめ:承諾 と 了承 の 違い を マスターしよう!
「承諾」と「了 承 」の 承諾 と 了承 の 違い 、いかがでしたでしょうか?「承諾」は積極的に受け入れる意思表示、「了 承 」は理解した上で認める意思表示。この二つの意味合いをしっかり区別して使い分けることで、あなたのコミュニケーション能力は格段に向上するはずです。ビジネスシーンだけでなく、日常生活でも、相手に正確に気持ちを伝えるために、ぜひこの違いを意識してみてください。