ヘルパンギーナ と 手足 口 病 の 違い:親御さんが知っておきたいポイント

お子さんが発熱や口の中にできものができて、心配になることってありますよね。「ヘルパンギーナ」と「手足口病」、どちらも夏場に流行しやすい感染症で、似ているようで違いがあります。ここでは、ヘルパンギーナ と 手足 口 病 の 違い を分かりやすく解説し、ご家庭でのケアに役立つ情報をお届けします。

発熱と口の中の痛みに注目!ヘルパンギーナとは

ヘルパンギーナは、主にエンテロウイルスというウイルスが原因で起こる感染症です。夏風邪の一種とも言われ、特に乳幼児や子供によく見られます。突然の高熱と、口の中、特に喉の奥にできる水ぶくれや潰瘍が特徴です。この口の中の痛みが強く、食事や水分を摂るのが難しくなることがあります。 お子さんのつらい症状を和らげるためには、正確な情報と適切なケアが大切です。

  • 原因ウイルス:エンテロウイルス
  • 主な症状:突然の高熱、喉の奥の痛み、口内炎(水ぶくれ、潰瘍)
  • 流行時期:夏

ヘルパンギーナにかかった場合、発熱は数日でおさまることが多いですが、口の中の痛みはしばらく続くことがあります。そのため、熱が下がっても食欲がない、水分を摂りたがらないといった様子が見られる場合は、脱水症状に注意が必要です。無理に食べさせようとせず、アイスやゼリー、経口補水液など、冷たくて喉越しの良いものを少量ずつ与える工夫をすると良いでしょう。

症状 ヘルパンギーナ
発熱 突然の高熱(38℃〜40℃程度)が多い
口の中 喉の奥に水ぶくれや潰瘍ができる。痛みが強い。
手足 発疹はほとんど見られない

手足口病との見分け方:発疹の場所がポイント

手足口病は、ヘルパンギーナと同じくエンテロウイルスなどが原因で起こる感染症ですが、その名の通り、手、足、そして口の中に特徴的な発疹が現れます。口の中の発疹は、ヘルパンギーナのように痛みを伴うこともありますが、水ぶくれというよりは、小さな赤い斑点や、潰瘍になることもあります。 手足口病とヘルパンギーナの最も大きな違いは、発疹の出方です。

  1. 口の中:小さな水ぶくれや赤い発疹
  2. 手:手のひらや手の甲に水ぶくれや赤い発疹
  3. 足:足の裏やつま先、足の甲に水ぶくれや赤い発疹

手足口病の子供さんは、発熱があっても比較的元気な場合もありますが、口の中の痛みが強くて食事が摂れないこともあります。手足の発疹は、かゆみを感じる子もいれば、全くかゆみを感じない子もいます。一般的に、手足口病の発疹は数日から1週間程度で自然に消えていきます。

原因となるウイルス:似ているけど少し違う

ヘルパンギーナと手足口病、どちらもエンテロウイルス属のウイルスが原因で起こることが多いのですが、それぞれ関与するウイルスの種類には違いがあります。ヘルパンギーナの原因としては、コクサッキーウイルスA群が最も一般的です。一方、手足口病の原因ウイルスは、コクサッキーウイルスA群、エンテロウイルス71(EV71)、コクサッキーウイルスB群、エコーウイルスなど、より多様なウイルスが関与します。 このウイルスの違いが、症状の出方や重症度に影響を与えることがあります。

  • ヘルパンギーナの主な原因ウイルス:コクサッキーウイルスA群
  • 手足口病の主な原因ウイルス:コクサッキーウイルスA群、エンテロウイルス71(EV71)、その他

特に、エンテロウイルス71(EV71)による手足口病は、まれに重症化して脳炎や心筋炎などの合併症を引き起こす可能性が指摘されています。そのため、手足口病と診断された場合は、症状の経過を注意深く観察することが重要です。

症状の現れ方:発熱と痛みの強さ

ヘルパンギーナは、突然の高熱で始まることが多く、38℃~40℃といった高い熱が出ることが珍しくありません。それに伴って、喉の奥の痛みが強くなり、食欲不振や水分摂取の困難さを引き起こします。手足口病の場合も発熱することはありますが、ヘルパンギーナほど急激で高熱になることは少なく、微熱程度で済むこともあります。また、手足の発疹は、痛みやかゆみを伴うこともありますが、口の中の痛みに比べると症状が軽い場合が多いです。 それぞれの病気で、熱の出方や口の中の痛みの程度が、見分ける上での一つの手がかりとなります。

症状 ヘルパンギーナ 手足口病
発熱 突然の高熱が多い 微熱~中程度の熱、ない場合もある
口の中の痛み 強い場合が多い 痛みを伴うこともあるが、ヘルパンギーナほどではないことも

発疹の部位と特徴:どこに、どんなものが?

ヘルパンギーナの最大の特徴は、口の中、特に喉の奥にできる発疹です。最初は小さな水ぶくれのようなものができ、それが潰れて痛みを伴う潰瘍となります。手足には、ほとんど発疹が現れません。一方、手足口病では、その名の通り、手(手のひら、手の甲)、足(足の裏、足の甲)、そして口の中に発疹が出ます。口の中の発疹は、ヘルパンギーナと同様に水ぶくれや潰瘍になることもありますが、赤くて小さな斑点状の発疹のこともあります。手足の発疹は、水ぶくれになることもあれば、平らな赤い斑点になることもあります。 発疹の出る場所と、その発疹の見た目を観察することで、ヘルパンギーナ と 手足 口 病 の 違い を判断するのに役立ちます。

  1. ヘルパンギーナ:口の中(特に喉の奥)のみ
  2. 手足口病:口の中、手、足

手足口病の発疹は、通常、かゆみはありませんが、人によってはかゆみを感じることもあります。また、発疹の色は赤色で、数ミリ程度の大きさのものが多いです。

合併症の可能性:注意すべき点は?

ヘルパンギーナは、通常は重症化することは少なく、数日から1週間程度で自然に回復します。しかし、口の中の痛みが強すぎて水分が摂れず、脱水症状を起こすことがあります。脱水症状がひどい場合は、入院が必要になることもあります。一方、手足口病も多くは軽症で済みますが、原因ウイルスがエンテロウイルス71(EV71)の場合、まれに重症化することがあります。具体的には、脳炎、髄膜炎、心筋炎、急性弛緩性麻痺といった重篤な合併症を引き起こす可能性があります。 合併症の可能性については、手足口病の方が、ヘルパンギーナよりも注意が必要です。

  • ヘルパンギーナの主な合併症:脱水症状
  • 手足口病のまれな合併症(特にEV71):脳炎、髄膜炎、心筋炎など

お子さんの様子がおかしい、ぐったりしている、けいれんを起こしたなどの症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。

家庭でのケアと予防:どうすればいい?

ヘルパンギーナも手足口病も、特効薬はありません。そのため、家庭でのケアは、症状を和らげ、合併症を防ぐことが中心となります。まず、十分な休息と水分補給が大切です。口の中が痛い場合は、冷たい飲み物や、消化の良い、刺激の少ない食べ物(お粥、ゼリー、アイスクリームなど)を与えましょう。熱がある場合は、無理せず体を冷やしてあげてください。感染予防としては、手洗いを徹底することが最も重要です。石鹸を使い、流水で丁寧に洗う習慣をつけましょう。また、タオルの共用を避ける、おもちゃなどを消毒することも効果的です。 日頃からの衛生管理と、お子さんの体調の変化に注意することが、ヘルパンギーナ と 手足 口 病 の 違い にも共通する予防策です。

ケア・予防法 内容
休息 十分な睡眠と安静
水分補給 こまめに、冷たい飲み物(経口補水液、麦茶など)
食事 刺激の少ない、柔らかいもの、冷たいもの
感染予防 手洗い、タオルの共用を避ける、おもちゃの消毒

また、咳やくしゃみをする際は、口や鼻をティッシュや腕で覆う「咳エチケット」も、感染拡大を防ぐ上で効果的です。

ヘルパンギーナと手足口病、どちらも子供がかかりやすい感染症ですが、症状の出方や原因ウイルス、合併症のリスクに違いがあります。今回ご紹介したヘルパンギーナ と 手足 口 病 の 違い を参考に、お子さんの様子をよく観察し、適切なケアを行ってください。心配な場合は、迷わず医師に相談しましょう。

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