テレビを視聴する上で、BS放送やCS放送は欠かせない存在になってきました。でも、「BSアンテナって何?」「CSアンテナって何?」と、その違いに戸惑ったことはありませんか? 実は、 BSアンテナとCSアンテナの違い は、私たちが普段何気なく見ているテレビ番組に大きく関わっているんです。今回は、そんなBSアンテナとCSアンテナの違いを、分かりやすく解説していきます!
周波数帯の違い:衛星からの電波が違う!
まず、BSアンテナとCSアンテナの最も大きな違いは、受信する電波の「周波数帯」です。BS放送とCS放送は、それぞれ異なる周波数帯の電波を使っているため、それに合わせてアンテナも設計されています。
- BS放送:主に11.7GHz~12.7GHzの周波数帯を使用します。
- CS放送:主に12.7GHz~17.7GHzの周波数帯を使用します。
この周波数帯の違いが、アンテナの形状や性能に影響を与えているのです。 この周波数帯の違いを理解することが、BSアンテナとCSアンテナの違いを理解する第一歩となります。
例えば、CS放送の方がBS放送よりも高い周波数帯の電波を使います。そのため、CSアンテナはBSアンテナよりもより高い周波数に対応できるよう、性能が強化されていることが多いです。もちろん、最近ではBS/CS対応のアンテナも多く販売されていますが、それぞれ得意とする周波数帯があるということを覚えておくと良いでしょう。
アンテナの形状と性能:見た目だけじゃない!
周波数帯の違いから、アンテナの形状や性能にも違いが見られます。一般的に、BSアンテナとCSアンテナは「パラボラアンテナ」と呼ばれるお皿のような形をしていますが、その細部には違いがあります。
- 口径(直径) :CS放送はBS放送よりも電波が弱いため、より多くの電波を集める必要があり、CSアンテナの方がBSアンテナよりも口径が大きい傾向があります。
- コンバーター(LNB) :アンテナの先端についている、電波を受信して増幅する部分(コンバーター)の性能も、周波数帯によって最適化されています。
このように、見た目は似ていても、それぞれの役割に合わせて設計されているのです。
視聴できるチャンネル:見たい番組で選ぶ!
BSアンテナとCSアンテナで受信できるチャンネルも異なります。これは、それぞれの放送サービスが、どの周波数帯で電波を送信しているかに依存しています。
| 放送サービス | 主な受信アンテナ | 視聴できるチャンネル例 |
|---|---|---|
| BS放送 | BSアンテナ | NHK BS、BS日テレ、BS朝日、BS TBS、BSテレ東、BSフジ、BSイレブン、BSトゥエルビなど |
| CS放送 | CSアンテナ | スカパー!、WOWOW(※)、スターチャンネル、各種専門チャンネルなど |
※WOWOWはBSデジタル放送でも一部視聴可能ですが、CSデジタル放送でも視聴できます。
見たい番組がある放送サービスに合わせて、適切なアンテナを選ぶことが大切です。
最近では、BS放送もCS放送もまとめて視聴できる「BS/CS共用アンテナ」も一般的になってきています。これは、両方の周波数帯に対応できるように設計されているため、設置の手間やコストを抑えたい場合に便利です。
設置場所と方向:衛星を捉える!
BSアンテナもCSアンテナも、衛星からの電波を受信するために、特定の方向に向けて設置する必要があります。この「衛星」が、BS放送とCS放送で異なるため、アンテナの設置場所や方向にも違いが出てきます。
BS放送の衛星は、一般的に「BSAT」と呼ばれる衛星です。一方、CS放送には複数の衛星があり、例えば「スカパーJSAT」の衛星などがあります。どちらも南西方向にあるため、アンテナの設置場所も、開けた南西方向が見える場所が理想的です。
- BSアンテナ:BSAT衛星の方向(南西方向)に向けて設置します。
- CSアンテナ:CS放送の衛星の方向(こちらも南西方向ですが、BS衛星とはわずかに位置が異なります)に向けて設置します。
正確な方向への設置が、クリアな映像を楽しむための鍵となります。
もし、BSとCSの両方を受信したい場合は、BS/CS共用アンテナを使うか、それぞれのアンテナを正確な方向に向けて設置する必要があります。集合住宅などでは、共有のアンテナが設置されている場合も多いので、管理会社に確認してみましょう。
アンテナの種類:パラボラアンテナが主流
BSアンテナとCSアンテナの多くは、「パラボラアンテナ」と呼ばれるお皿のような形状をしています。これは、遠くにある衛星からの微弱な電波を効率的に集めるのに適しているからです。
パラボラアンテナには、さらにいくつかの種類があります。
- シングルチューナー用アンテナ :BS放送のみ、またはCS放送のみを受信するためのアンテナです。
- ツインチューナー用アンテナ :BS放送とCS放送の両方を受信できるアンテナです。
- BS/CS共用アンテナ :BS放送とCS放送の両方に対応したアンテナです。
ご自身の視聴したい番組に合わせて、最適なアンテナを選ぶことが重要です。
最近では、デザイン性の高いアンテナや、設置が容易なアンテナなども登場しており、選択肢は広がっています。
チューナーとの関係:アンテナだけじゃない!
アンテナは電波を受信する部分ですが、その電波を映像や音声に変換してくれるのが「チューナー」です。BSアンテナやCSアンテナで受信した電波は、チューナーを通してテレビに送られます。
チューナーにも、BSデジタルチューナー、CSデジタルチューナー、そしてBS/CSデジタルチューナーといった種類があります。
- BS放送だけを見たい場合は、BSデジタルチューナーが必要です。
- CS放送だけを見たい場合は、CSデジタルチューナーが必要です。
- BS放送もCS放送も見たい場合は、BS/CSデジタルチューナーが必要です。
テレビ本体にチューナーが内蔵されている場合もあれば、別途チューナーを購入する必要がある場合もあります。
最近のテレビは、BS/CSデジタルチューナーが内蔵されているものがほとんどですが、古いテレビや一部のモデルでは、別途チューナーが必要になることもあります。購入前に、お持ちのテレビの仕様を確認しておくと安心です。
まとめ:見たい番組で選ぶのが一番!
ここまで、BSアンテナとCSアンテナの違いについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? 周波数帯、アンテナの形状や性能、視聴できるチャンネル、設置場所、チューナーとの関係など、様々な違いがあることがお分かりいただけたかと思います。
結局のところ、 BSアンテナとCSアンテナのどちらを選ぶかは、ご自身が見たい番組によって決めるのが一番 です。もし、BS放送の無料チャンネルだけを楽しみたいのであればBSアンテナで十分ですし、より多くの専門チャンネルや映画、スポーツなどを楽しみたいのであれば、CSアンテナやBS/CS共用アンテナが必要になります。
ご自身のテレビライフをより豊かにするために、ぜひこの機会にアンテナについて理解を深めてみてください!