LANケーブル クロスとストレートの違いを徹底解説!知っておきたい基本知識

パソコンとルーター、またはパソコン同士を繋ぐ際に欠かせないLANケーブル。その中でも「クロスケーブル」と「ストレートケーブル」という2種類があることをご存知でしょうか?今回は、この LANケーブル クロスとストレートの違い について、初心者の方にも分かりやすく、それぞれの役割や使い分けについて詳しく解説していきます。

LANケーブル クロスとストレート、何が違うの?

LANケーブル クロスとストレートの違いを理解するためには、まずLANケーブルの「ピン配置」というものに触れる必要があります。LANケーブルの端子(コネクタ)には、8本の線が並んでおり、それぞれの線が特定の色と順番で配置されています。この配置の順番が、クロスケーブルとストレートケーブルで異なるのです。

ストレートケーブルは、両端のコネクタでピンの順番が全く同じになっています。つまり、1番ピンは1番ピンへ、2番ピンは2番ピンへとそのまま繋がっているイメージです。一方、クロスケーブルは、片方の端子で特定のピンの順番が入れ替わっています。例えば、送信に使う線と受信に使う線が、もう一方の端子では入れ替わって接続されているのです。

このピン配置の違いが、LANケーブルの「役割」を決定づけます。 LANケーブル クロスとストレートの違い を正しく理解し、適切なケーブルを選ぶことが、スムーズなネットワーク接続の鍵となります。

ストレートケーブルの役割と用途

  • 一般的な接続に広く使われる: ストレートケーブルは、最も一般的で、私たちの身近なネットワーク接続の多くで利用されています。
  • 異なる機器同士の接続: 主に、パソコンやルーター、ハブ、プリンターなど、異なる種類の機器同士を接続する際に使用されます。例えば、パソコンからルーターへインターネットに接続する場合や、パソコンからネットワークプリンターに接続する場合などがこれにあたります。
  • 配線がシンプル: 両端のピン配置が同じであるため、配線がシンプルで分かりやすいのが特徴です。

ストレートケーブルの代表的な用途をまとめると以下のようになります。

  1. パソコン ⇔ ルーター
  2. パソコン ⇔ ハブ
  3. パソコン ⇔ プリンター
  4. ルーター ⇔ ハブ

このように、ストレートケーブルは「機器同士が直接通信する」というよりも、「ネットワーク機器を介して通信する」場合に活躍します。ほとんどの場合、このストレートケーブルを選んでおけば間違いありません。

クロスケーブルの役割と用途

クロスケーブルは、ストレートケーブルとは異なり、片方の端子で送信線と受信線が入れ替わっています。この特殊な配線により、パソコン同士など、同じ種類の機器同士を直接接続することが可能になります。

クロスケーブルの主な用途は以下の通りです。

  • パソコン同士を直接接続: インターネット回線がない環境で、2台のパソコン間でファイルを共有したい場合などに利用されます。
  • 旧型機器の接続: 昔のネットワーク機器では、クロスケーブルでなければ接続できないものもありました。

クロスケーブルの配線イメージは以下のようになります。

ストレート クロス
1 → 1, 2 → 2, 3 → 3, 6 → 6 1 → 3, 2 → 6, 3 → 1, 6 → 2

ただし、最近のネットワーク機器(特にパソコン)には「Auto MDI-X」という機能が搭載されているものが多く、ストレートケーブルでもパソコン同士を直接接続できるようになっています。そのため、クロスケーブルの出番は以前に比べて減ってきています。

Auto MDI-X機能とは?

「Auto MDI-X」(オート・エムディーアイ・エックス)とは、LANケーブルの芯線の役割(送信と受信)を自動的に判別して切り替える機能のことです。これにより、ストレートケーブルとクロスケーブルのどちらを使用しても、機器同士を正しく接続できるようになります。

この機能が搭載されている機器同士であれば、特別な意識をせずにストレートケーブルで接続しても問題なく通信できます。そのため、現在ではクロスケーブルをわざわざ用意する必要性が低くなっています。

Auto MDI-X機能は、以下の機器で一般的に搭載されています。

  1. 最近のパソコン
  2. ほとんどのルーターやハブ

しかし、古い機器や一部の特殊な機器では、この機能が搭載されていない場合もあります。その際は、機器の種類に応じてストレートケーブルかクロスケーブルかを正しく選ぶ必要があります。

どちらを選ぶべき?

結論から言うと、 LANケーブル クロスとストレートの違い を意識しなければならない場面は、以前に比べて少なくなっています。

ほとんどの場合、ストレートケーブルを選んでおけば問題ありません。パソコンとルーター、パソコンとハブなど、異なる機器同士を接続する際には、迷わずストレートケーブルを選びましょう。

では、クロスケーブルが必要になるのはどのような場合でしょうか?

  • 2台のパソコンを直接接続したいが、どちらかのパソコンにAuto MDI-X機能がない場合。
  • 古いネットワーク機器を接続する必要がある場合。

もし、どちらのケーブルを使えば良いか分からない場合は、まずはストレートケーブルを試してみてください。ほとんどのケースで、それで解決するはずです。

ケーブルのカテゴリについて

LANケーブルには、「カテゴリ」と呼ばれる規格があります。これは、ケーブルの通信速度や性能を示すもので、数字が大きいほど高性能になります。代表的なものとしては、以下のカテゴリがあります。

  1. カテゴリ5e (Cat5e): 最大1Gbpsの通信速度に対応。一般的な家庭やオフィスで広く使われています。
  2. カテゴリ6 (Cat6): 最大1Gbpsの通信速度に対応しつつ、ノイズに強くなっています。
  3. カテゴリ6a (Cat6a): 最大10Gbpsの通信速度に対応。将来的な高速化を見据える場合などに適しています。
  4. カテゴリ7 (Cat7) や カテゴリ8 (Cat8): さらに高速・高機能な規格です。

クロスケーブルやストレートケーブルという区別は、あくまで「芯線の繋ぎ方」によるものです。カテゴリは、ケーブル自体の「性能」を示しています。そのため、購入する際は、必要な通信速度や用途に合わせて、適切なカテゴリのケーブルを選ぶことが重要です。

例えば、

  • インターネット回線が1Gbpsであれば、Cat5eやCat6で十分です。
  • 将来的な高速化を見据えたい、またはノイズが気になる環境では、Cat6a以上がおすすめです。

カテゴリを間違えると、せっかくの高速回線も十分に活かせない可能性があります。また、古いカテゴリのケーブルは、新しい高速通信規格に対応できない場合もあります。

まとめ

LANケーブル クロスとストレートの違いは、端子のピン配置の順番にあります。ストレートケーブルは異なる機器同士の接続に、クロスケーブルは同じ種類の機器同士の直接接続に使われていました。しかし、最近の機器に搭載されている「Auto MDI-X」機能により、ストレートケーブルでもパソコン同士の直接接続が可能になるなど、クロスケーブルの活躍する場面は減ってきています。

迷った場合は、まずストレートケーブルを選んでみてください。ほとんどの状況で問題なく動作するはずです。それでも接続がうまくいかない場合や、古い機器を接続する必要がある場合に、クロスケーブルの存在を思い出してみてください。そして、ケーブルのカテゴリにも注目し、ご自身の環境に合ったものを選ぶことが、快適なネットワーク環境を構築する上で大切です。

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