英語の学習において、不定詞と動名詞の使い分けは多くの学習者がつまずくポイントですよね。「不定詞と動名詞の違いって何?」と疑問に思っているあなた、ご安心ください!この記事では、不定詞と動名詞の違いを分かりやすく、そして具体的に解説していきます。これさえ読めば、もう迷うことはありません!
不定詞と動名詞の根本的な違いを掴む
まず、不定詞と動名詞がそれぞれどんなものか、そしてその根本的な違いを理解することが大切です。不定詞は "to + 動詞の原形" の形で、文の中で名詞、形容詞、副詞の3つの働きをすることができます。一方、動名詞は "動詞の-ing形" で、名詞の働きだけをします。つまり、 不定詞と動名詞の違いは、その働きうる品詞の数にあります。
- 不定詞: 名詞、形容詞、副詞の3つの働き
- 動名詞: 名詞の働きのみ
しかし、名詞の働きをするという点では両者とも同じなので、どちらを使えばいいか迷う場面が出てきます。これは、不定詞と動名詞のどちらを目的語にとるかによって意味が変わる動詞があることや、文法的なルールが関係してくるからです。この後、具体的な使い分けのルールを見ていきましょう。
不定詞がよく使われるケース
不定詞が名詞として使われる場合、主語になったり目的語になったりします。例えば、「〜すること」という意味で使われ、「To err is human. (過ちを犯すことは人間らしい)」のように主語になります。また、「I want to eat sushi. (寿司を食べたい)」のように動詞の目的語になることもあります。このように、 不定詞が名詞として使われる場面は非常に幅広いです。
- 主語として: To swim is fun. (泳ぐことは楽しい)
- 目的語として: She likes to read books. (彼女は本を読むのが好きだ)
- 補語として: My dream is to become a doctor. (私の夢は医者になることです)
さらに、不定詞は「~するために」という目的を表す副詞としてもよく使われます。「He came here to study English. (彼は英語を勉強するためにここに来た)」のように、文の最後に置かれることが多いです。この場合、動名詞に置き換えることはできません。このように、 文脈によって不定詞が適切な場合と動名詞が適切な場合がある のです。
動名詞がよく使われるケース
動名詞は、その名の通り「動詞の-ing形」で名詞の役割を果たします。これは、ある動作を「〜すること」という名詞として捉えたいときに使われます。「Swimming is good exercise. (泳ぐことは良い運動だ)」のように主語になったり、「I enjoy listening to music. (私は音楽を聴くのを楽しんでいます)」のように動詞の目的語になったりします。 動名詞は、その行為自体を名詞として表現するのに適しています。
| 動名詞が主語 | Reading books is my hobby. (読書は私の趣味です。) |
|---|---|
| 動名詞が目的語 | He finished doing his homework. (彼は宿題を終えました。) |
また、前置詞の後ろに来る場合、基本的には動名詞が使われます。「Thank you for helping me. (助けてくれてありがとう)」や「I'm interested in learning Japanese. (私は日本語を学ぶことに興味があります)」といった文がその例です。 前置詞の性質上、その後の動詞を名詞化する必要がある ため、動名詞が用いられます。
不定詞と動名詞、どちらも取れる動詞
ここが、不定詞と動名詞の使い分けで一番迷うところかもしれません。実は、不定詞も動名詞も目的語にとれる動詞があります。しかし、それらの動詞は、不定詞を取るか動名詞を取るかで意味が変わるものと、意味が変わらないものがあります。 意味が変わる動詞は、特に注意して覚える必要があります。
例えば、「stop」という動詞を見てみましょう。「stop to do」は「〜するために立ち止まる」という意味になります。一方、「stop doing」は「〜することをやめる」という意味になります。このように、 前後の文脈で意味が大きく変わる ため、どちらの形が使われているかをしっかり確認することが大切です。
- stop to smoke: タバコを吸うために立ち止まる
- stop smoking: タバコを吸うのをやめる
他にも、「forget」や「remember」なども、不定詞と動名詞で意味が変わる代表的な動詞です。「forget to do」は「〜し忘れる」、「forget doing」は「〜したのを忘れる」となります。また、「try」は「try to do」で「〜しようと試みる」、「try doing」で「試しに〜してみる」という意味になります。
意味が変わらない動詞
一方で、不定詞も動名詞も目的語にとれて、意味がほとんど変わらない動詞もあります。これらは覚えるのが比較的楽なので、安心してください。代表的なものには、「like」「love」「hate」「prefer」「start」「begin」「continue」などがあります。
例えば、「I like to swim.」も「I like swimming.」も、どちらも「私は泳ぐのが好きです。」という意味になります。文法的にはどちらも正しいので、どちらを使っても構いません。 これらの動詞に関しては、どちらを選んでも意味のずれはありません。
- I like to play tennis. / I like playing tennis. (テニスをするのが好きだ)
- She started to learn English. / She started learning English. (彼女は英語を学び始めた)
これらの動詞を覚えることで、不定詞と動名詞の使い分けの負担がかなり軽くなります。まずは、意味が変わらない動詞をしっかりと把握しておきましょう。
不定詞しか取れない動詞
不定詞を目的語にしか取れない動詞もたくさんあります。これは、それらの動詞が「これから〜したい」「〜することを望む」といった、未来への希望や意思、計画などを表す傾向があるためです。 これらの動詞の後ろには、必ず "to + 動詞の原形" の形が来ます。
代表的な動詞としては、「want」「wish」「hope」「decide」「plan」「promise」「agree」「refuse」「learn」などが挙げられます。「I want to go home. (家に帰りたい)」や「He decided to study abroad. (彼は留学することを決めた)」のように、文法的に正しい形を覚えましょう。
| 動詞 | 不定詞 | 例文 |
|---|---|---|
| want | to do | I want to eat pizza. |
| decide | to do | We decided to go there. |
これらの動詞は、頻繁に使うものが多いので、自然と身につくことが多いです。意識して例文をたくさん読むように心がけましょう。
動名詞しか取れない動詞
逆に、動名詞を目的語にしか取れない動詞もあります。これらは、過去の経験や習慣、あるいはある行為を終えたことなどを表す傾向があります。 これらの動詞の後ろには、必ず "動詞の-ing形" が来ます。
代表的な動詞としては、「enjoy」「finish」「avoid」「mind」「miss」「quit」「deny」「imagine」「consider」「suggest」などがあります。「I enjoy reading manga. (私は漫画を読むのを楽しんでいます。)」や「He finished washing the dishes. (彼は皿洗いをしたのを終えた。)」といった文がその例です。
- enjoy doing: 〜するのを楽しむ
- finish doing: 〜するのを終える
- avoid doing: 〜するのを避ける
これらの動詞も、日常会話でよく使われるものが多いです。動詞ごとに「不定詞とセット」「動名詞とセット」と覚えるのが効率的です。
不定詞と動名詞の違いは、最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、それぞれの役割や、どの動詞とセットで使われるかを理解すれば、必ず使い分けができるようになります。焦らず、一つずつ確認しながら学習を進めていきましょう!