「to」と「in order to」。どちらも「〜するために」という意味で使われることが多いけれど、実際の使い分けに迷ったことはありませんか? この記事では、「to」と「in order to」の 違いを丁寧に、そして分かりやすく解説 していきます。これで、もう迷うことはありません!
目的を表す「to」の基本
まずは、目的を表す「to」の基本的な使い方から見ていきましょう。実は、「to」は単に目的を示すだけでなく、様々な意味で使われる便利な言葉なんです。しかし、「〜するために」という目的を表す場合、その多くは「in order to」で置き換えることができます。この点を理解しておくと、後々の説明がスムーズになりますよ。
「to」が目的を表すときは、動詞の原形とセットで使われるのが一般的です。「I went to the library to study.」(私は勉強するために図書館に行った。)のように、「〜するために」という具体的な行動の目的を示します。
- to + 動詞の原形
-
例:
- I need to eat something. (何か食べる必要がある。)
- She went to the store to buy milk. (彼女は牛乳を買いにお店に行った。)
「in order to」が強調すること
一方、「in order to」は、「to」よりも 「〜するために」という目的をより強く、はっきりと示したい場合 に使われます。目的が非常に重要であったり、それが他の事柄と区別したい場合などに効果的です。
「in order to」は、「in order」というフレーズに「to」が付いた形と考えると分かりやすいかもしれません。「〜という順番で」「〜という目的で」といったニュアンスが含まれています。そのため、単なる行動の目的というよりは、 ある結果を得るため、またはある状態になるために、意図的に行う行動 というニュアンスが強くなります。
例えば、「I study hard in order to pass the exam.」(試験に合格するために一生懸命勉強する。)という文では、「試験に合格する」という目的が非常に強調されています。単に「I study hard to pass the exam.」と言うこともできますが、「in order to」を使うことで、その目的達成への強い意志が伝わりやすくなります。
| 「to」 | 「in order to」 |
|---|---|
| 目的を示す(一般的) | 目的を強調する |
| I want to eat. (何か食べたい。) | I practice every day in order to win the game. (試合に勝つために毎日練習する。) |
「in order to」の否定形
「in order to」には否定形もあります。これは「〜しないように」という意味になります。「in order to + not + 動詞の原形」という形をとりますが、実際には「not in order to」のように、notを「in order to」の前に置くことが多いです。 誤解を避けるために、notを動詞の原形の直前に置くこともあります。
例えば、「Don't be late in order to catch the train.」(電車に乗り遅れないように遅刻しないでください。)のような文になります。ここで、「not in order to」を使うことで、「遅刻しない」という目的が強調され、より丁寧なニュアンスになります。
否定形を使う際は、文脈によって「without + 〜ing」という形でも表現できる場合があるので、注意が必要です。例えば、「He left without making a noise.」(彼は音を立てずに去った。)のように、「〜しないように」を別の表現で伝えることもできます。
- not in order to + 動詞の原形
-
例:
- Please speak slowly so that everyone can understand. (みんなが理解できるように、ゆっくり話してください。)
- Don't spend too much money in order to save for your future. (将来のために貯金するために、お金を使いすぎないでください。)
「in order to」は省略できる?
「in order to」は、文脈によっては「to」だけで意味が通じる場合も多く、 「in order」の部分を省略して「to」だけで表現されることが一般的 です。特に日常会話や、目的が明確な場合は、「in order to」を省略した方が自然な場合が多いです。
例えば、「I went to the store to buy some bread.」という文は、「I went to the store in order to buy some bread.」と同じ意味です。しかし、前者の方がより一般的で、簡潔な表現と言えます。
ただし、前述したように、目的を特に強調したい場合や、誤解を避けたい場合は、「in order to」をそのまま使うことが効果的です。 省略するかどうかは、伝えたいニュアンスによって判断 しましょう。
- 「in order to」は省略可能。
-
例:
- I'm saving money to buy a new car. (新しい車を買うために貯金しています。)
- He is studying hard to get a good job. (彼は良い仕事に就くために一生懸命勉強しています。)
「for」との違い
「〜のために」という意味で使われる「for」と「to」や「in order to」との違いも気になるところです。「for」は、 名詞や動名詞(〜ing形) を伴って、目的や理由を表します。一方、「to」や「in order to」は、動詞の原形を伴います。
例えば、「This is a gift for you.」(これはあなたへのプレゼントです。)のように、誰か(何か)のためであることを示します。また、「He works for his family.」(彼は家族のために働いている。)のように、理由や目的を表すこともあります。
「to」や「in order to」が「〜すること」という動作の目的を示すのに対し、「for」は「〜という目的で」「〜のために」という、より広い範囲の目的や理由を示すと考えると良いでしょう。
| 「to / in order to」 | 「for」 | |
|---|---|---|
| 伴うもの | 動詞の原形 | 名詞、動名詞 (~ing) |
| 例 | I need to study. (勉強する必要がある。) | I need time for study. (勉強するための時間が必要だ。) |
「so that」との使い分け
「so that」も「〜するために」という意味で使われることがありますが、これは主に 「〜できるように」という結果や目的 を表します。しばしば、接続詞として使われ、主節と従属節をつなぎます。
例えば、「Speak loudly so that everyone can hear you.」(みんながあなたを聞けるように、大きな声で話してください。)という文では、「大きな声で話す」ことによって「みんなが聞ける」という結果が得られることを示しています。
「in order to」が話し手(書き手)の意図や目的を強調するのに対し、「so that」は、 その行為によってもたらされる結果に焦点を当てる 傾向があります。そのため、「in order to」は「〜するために」という直接的な目的、「so that」は「〜できるように」という間接的な結果や目的と捉えると分かりやすいでしょう。
また、「so that」は「so」と「that」の間に形容詞や副詞が入ることがあります。「He ran so fast that he won the race.」(彼はとても速く走ったので、レースに勝った。)のように、程度を表す場合にも使われます。この場合は「〜だったので」という結果を表します。
- so that + 主語 + 動詞
- 目的・結果を表す
-
例:
- I'll leave early so that I can avoid the traffic. (渋滞を避けるために、早く出発します。)
- She explained it slowly so that I could understand. (私が理解できるように、彼女はそれをゆっくり説明しました。)
まとめ:使い分けのヒント
さて、ここまで「to」と「in order to」の様々な違いを見てきました。最後に、使い分けのヒントをいくつかご紹介します。 一番のポイントは、「目的をどれだけ強調したいか」 ということです。
一般的に、「〜するために」という目的を示す場合は、「to + 動詞の原形」で十分です。しかし、その目的が特に重要であったり、他の事柄と明確に区別したい場合には、「in order to」を使うと、より意図が伝わりやすくなります。否定形の場合も同様に、「not in order to」を使うことで、否定したい目的をはっきりと示すことができます。
「for」や「so that」との違いも意識しながら、文脈に合わせて最適な表現を選んでみてください。
この解説を読めば、「to」と「in order to」の使い分けが、きっとスッキリ理解できたはずです。これからは、自信を持って使い分けて、英語の表現力をさらにアップさせていきましょう!