GPT と MBR の 違い:知っておきたい基本をわかりやすく解説

コンピューターの世界には、ちょっと専門的な用語がたくさんありますよね。「GPT」と「MBR」も、そんな言葉の一つです。 GPT と MBR の 違い は、コンピューターがハードディスク(データを保存するところ)をどうやって理解するか、という根本的な部分に関わってきます。この二つの違いを知ることで、コンピューターがもっと身近に感じられるようになるはずです。

GPT と MBR:そもそも何?

「GPT」は GUID Partition Table(GUIDパーティションテーブル)の略で、「MBR」は Master Boot Record(マスターブートレコード)の略です。どちらも、ハードディスクをコンピューターが使えるようにするための「設計図」のようなものです。例えるなら、MBRは昔ながらの古い設計図、GPTは最新の改良された設計図といったところでしょうか。

この設計図には、ハードディスクのどこに、どんな種類のデータ(例えば、Windowsが入っている場所や、写真や動画を保存する場所)が保存されているか、という情報が書かれています。コンピューターはこの設計図を読み取ることで、ハードディスクの中身を正しく認識し、データを読み書きすることができるのです。

  • MBR
    • 古い方式
    • 扱えるハードディスクの容量に制限がある
    • 起動できるOS(オペレーティングシステム)の種類が限られる
  • GPT
    • 新しい方式
    • 大容量のハードディスクも扱える
    • より安全で信頼性が高い

GPT と MBR の 主な違い:容量とパーティション数

GPTとMBRの最も大きな違いの一つは、扱えるハードディスクの容量と、いくつの「区画(パーティション)」に分けられるか、という点です。MBRは、最大2TB(テラバイト)までのハードディスクしか正確に認識できません。また、プライマリパーティションと呼ばれる主要な区画も、最大4つまでしか作れませんでした。もしそれ以上区画が必要な場合は、「拡張パーティション」という少し特殊な区画を作る必要がありました。

一方、GPTは、理論上は非常に大きな容量のハードディスクを扱えます。現在一般的に使われているコンピューターでは、数ペタバイト(1ペタバイトは1000テラバイト!)といった、とてつもない容量も問題なく認識できます。さらに、GPTでは、プライマリパーティションを最大128個まで作成できます。これにより、ユーザーは自分の用途に合わせて、ハードディスクを細かく、そして柔軟に区切ることができるようになったのです。

項目 MBR GPT
最大容量 2TB 約18EB(エクサバイト)※理論値
パーティション数 4つ (プライマリ) 128個 (プライマリ)

GPT と MBR の 違い:起動方式の違い

コンピューターの電源を入れたときに、最初に動く部分を「ブートローダー」と呼びます。MBR方式のコンピューターでは、ハードディスクの先頭にある「マスターブートレコード」という部分に、このブートローダーの情報が書かれています。ここが壊れてしまうと、コンピューターが起動しなくなってしまう、というリスクがありました。

それに対して、GPT方式では、「EFI(Extensible Firmware Interface)」という、より進んだ起動システムが使われます。GPTは、ブートローダーの情報をハードディスクの複数の場所に保存することができます。もし一つが壊れてしまっても、他の場所から情報を読み取ることができるため、MBRに比べて起動の信頼性が格段に向上しています。これは、コンピューターがより安定して動くために、とても重要な進歩と言えます。

  1. MBR: ハードディスクの先頭にある MBR にブートローダー情報が集中。
  2. GPT: EFI システムパーティションにブートローダー情報が保存され、複数箇所にバックアップも。

GPT と MBR の 違い:信頼性とデータ保護

GPTは、MBRに比べてデータの保護という点でも優れています。MBRでは、パーティション情報に問題が起きた場合、それを修復するのが難しく、データが失われてしまうこともありました。また、MBRはパーティション情報がハードディスクの先頭に集中しているため、万が一その部分が破損してしまうと、ディスク全体が使えなくなる可能性がありました。

GPTでは、パーティション情報がハードディスクの先頭だけでなく、末尾にもバックアップとして保存されています。さらに、GPTはパーティションテーブルのCRC(巡回冗長検査)という仕組みを使って、データが壊れていないか常にチェックしています。もしデータに異常が見つかった場合は、バックアップされている情報を使って自動的に修復を試みるため、MBRよりもはるかに高い信頼性とデータ保護機能を持っています。

  • GPTは、データ破損を検知・修復する仕組みが強力。
  • MBRは、パーティション情報が一点集中型で、破損リスクが高い。

GPT と MBR の 違い:OSとの互換性

最近のコンピューターで使われているOS(WindowsやmacOSなど)は、ほとんどがGPT方式に対応しています。特に、Windowsの新しいバージョン(Windows 10やWindows 11)や、AppleのMac OSは、GPTを標準的に使用しています。これらのOSで快適にコンピューターを使うためには、GPTが推奨されます。

一方で、古いOS(例えば、Windows XPなど)や、一部の特殊な機器では、まだMBR方式が使われていることがあります。もし古いOSをインストールしたい場合や、特定の古いハードウェアと連携させる必要がある場合は、MBRを選択する必要が出てくるかもしれません。しかし、一般的な用途で新しいコンピューターを使うのであれば、GPTを選ぶのが間違いありません。

GPT と MBR の 違い:UEFI と BIOS

コンピューターの起動に関わるもう一つの重要な要素が、「UEFI」と「BIOS」です。MBR方式は、古い「BIOS」という基本入出力システムと組み合わせて使われることがほとんどでした。BIOSは、コンピューターの基本的なハードウェアを起動させ、OSに引き渡す役割を担います。

GPT方式は、より新しく、高機能な「UEFI」という起動システムと組み合わせて使われます。UEFIは、BIOSよりも高速に起動できるだけでなく、セキュアブートといったセキュリティ機能や、ネットワーク機能など、より多くの機能を持っています。このUEFIとGPTの組み合わせが、現代のコンピューターの高速で安全な起動を実現しているのです。

GPT と MBR の 違い:どちらを選ぶべきか?

さて、ここまでGPTとMBRの違いを見てきましたが、結局どちらを選べば良いのでしょうか? GPT と MBR の 違い を理解した上で、ほとんどの場合、新しいコンピューターや、2TBを超える大容量のハードディスクを使う場合は、GPTを選ぶのが正解です。GPTは、容量の制限がなく、パーティションもたくさん作れ、起動も速くて安全だからです。

しかし、もし非常に古いOSをインストールしたい場合や、古いコンピューターを改造していてBIOSしか対応していない、といった特殊な状況であれば、MBRを選ぶことも考えられます。ですが、そういったケースは非常に稀で、特別な理由がない限りはGPTで問題ありません。

GPTとMBRの違いは、コンピューターのハードディスクをどう管理するか、という大切な部分に関わっています。この二つの違いを理解しておくと、コンピューターのトラブルシューティングや、新しいハードウェアを導入する際にも、きっと役立つはずです。どちらもコンピューターを動かすための「設計図」ですが、GPTが最新かつ最良の設計図と言えるでしょう。

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