物 損 事故 と 自 損 事故 の 違いを分かりやすく解説!

「物損事故」と「自損事故」、この二つの言葉、なんとなく聞いたことはあるけど、具体的にどう違うの?と疑問に思っている人もいるかもしれませんね。実は、この 物損事故と自損事故の違い は、事故に遭った時の対応や、その後の手続きに大きく関わってくるんです。今回は、この二つの事故の違いを、みなさんが理解しやすいように、ひとつずつ丁寧に解説していきます。

1. 物損事故とは?

まず、「物損事故」について説明しましょう。物損事故というのは、文字通り「物」に「損害」が発生した事故のことです。例えば、車同士のぶつかり合いで相手の車を傷つけたり、電柱やガードレールにぶつかってこれらを壊してしまったりするのが物損事故にあたります。 この事故では、人身被害がないことが大きな特徴です。

  • 例:
    • 信号待ちで追突し、相手の車のバンパーをへこませた。
    • 駐車中に隣の車に擦ってしまい、ドアに傷をつけた。
    • 運転操作を誤り、お店の壁にぶつかって壁を壊した。

物損事故の場合、基本的には壊してしまった「物」の修理代や、その物が使えなくなった間の代車費用などを、事故を起こした側が負担することになります。保険を使う場合も、この損害を補償するのが目的です。

物損事故の対応で大切なのは、相手がいる場合は必ず連絡先を交換し、警察に届け出ることです。相手がいない場合でも、木や建物などを壊した場合は警察に報告する義務があります。 相手への誠意ある対応と、正確な事故状況の把握が、後々のトラブルを防ぐ鍵となります。

2. 自損事故とは?

次に、「自損事故」について見ていきましょう。自損事故というのは、自分の運転ミスや操作ミスによって、自分の車や財物に損害を与えてしまう事故のことを指します。つまり、 事故の直接の原因が自分自身にある という点がポイントです。

  • 自損事故の例:
    1. カーブを曲がりきれずにガードレールにぶつかり、自分の車が損傷した。
    2. 駐車場でバック中に、柱にぶつかって自分の車を傷つけてしまった。
    3. わき見運転をしていて、電柱に衝突し、車が壊れた。

自損事故では、自分自身の車が壊れるだけでなく、場合によっては同乗者が怪我をすることもあります。しかし、相手方の車や物に損害を与えていないという点で、物損事故とは区別されることがあります。

自損事故の場合、原則として自分自身の損害は自分で負担することになります。 しかし、自動車保険に「車両保険」に加入していれば、自分の車の修理代は保険でカバーされることが多いです。また、自損事故であっても、同乗者が怪我をした場合は、その治療費などを負担する必要が出てくることもあります。

3. 物損事故と自損事故の主な違い

さて、ここまででそれぞれの事故について説明しましたが、改めて 物損事故と自損事故の主な違い を整理してみましょう。一番大きな違いは、 事故によって損害を受けたのが「相手」か「自分」か という点です。

事故の種類 損害を受けた対象 主な原因
物損事故 相手の車、建物、公共物など 相手との衝突、相手の過失、双方の過失など
自損事故 自分の車、自分の財物 自分の運転ミス、操作ミス

物損事故では、相手がいるため、相手への賠償責任が発生します。一方、自損事故では、基本的には自分自身の損害に対する責任となります。

損害賠償の範囲が異なる という点も重要な違いです。物損事故では、相手の車の修理代や、場合によっては休業損害などが賠償の対象となります。自損事故では、自分の車の修理代が主な対象ですが、同乗者の怪我などがあれば、それも考慮されることがあります。

4. 事故発生時の対応の違い

事故が起きてしまった時の対応も、 物損事故と自損事故の違い によって少し変わってきます。どちらの事故でも、まずは安全確保が最優先ですが、その後の連絡や報告に違いが出ることがあります。

物損事故の場合、相手がいるのであれば、必ず相手の氏名、連絡先、加入している保険会社などを確認することが重要です。警察への届け出も必須です。 相手への誠実な対応は、後々のトラブルを避けるために不可欠です。

一方、自損事故で相手がいない場合は、警察に届け出る義務はありますが、相手とのやり取りは発生しません。自分の車の損害については、保険会社に連絡し、車両保険の適用などを相談することになります。

  • 事故発生時の対応フロー(例):
    1. 安全確保(二次災害の防止)
    2. 警察への連絡・届け出
    3. (物損事故の場合)相手との連絡先・保険情報交換
    4. (自損事故の場合)保険会社への連絡
    5. 事故状況の記録

事故証明書を取得する際にも、事故の種類によって提出する書類や確認事項が異なる場合があります。

5. 保険適用の違い

物損事故と自損事故の保険適用の違い も、事故後の対応に大きく影響します。加入している自動車保険の種類によって、補償内容が異なります。

物損事故の場合、相手の車の修理代などは、通常「対物賠償保険」でカバーされます。これは、相手への損害を補償するための保険です。

自損事故の場合は、自分の車の修理代は「車両保険」でカバーされることが一般的です。ただし、車両保険には免責金額(自己負担額)が設定されている場合が多く、その金額を支払う必要があります。

また、自損事故で同乗者が怪我をした場合は、「人身傷害保険」や「搭乗者傷害保険」などが適用されることがあります。

  • 保険適用の主な違い:
    • 物損事故:主に「対物賠償保険」が関わる
    • 自損事故:主に「車両保険」、「人身傷害保険」、「搭乗者傷害保険」が関わる

保険会社との連携を密に取り、適切な保険を適用してもらうことが大切です。

6. 損害賠償の考え方の違い

物損事故と自損事故の損害賠償の考え方の違い は、事故の当事者にとって非常に重要です。どちらの事故も、損害が発生していることに変わりはありませんが、その責任の所在と範囲が異なります。

物損事故では、事故の過失割合に応じて、相手からの損害賠償請求を受けることになります。例えば、相手の車を修理する費用だけでなく、事故によって相手が車を使えなかった間のレンタカー代や、修理期間中の逸失利益(お店などで、事故のため営業できなかった分の利益)などが賠償の対象となることもあります。

自損事故では、原則として自分自身の損害は自分で負担することになります。しかし、前述の通り、車両保険に加入していれば、その保険金で修理代を賄うことができます。 ただし、車両保険は等級が下がるなどの影響がある場合もあるため、保険を使うべきかどうかの判断も重要です。

事故の種類 賠償責任の主な対象 賠償額の算出方法
物損事故 相手の損害(車の修理代、休業損害など) 過失割合に応じて、相手からの請求額
自損事故 自分の損害(車の修理代など) 車両保険の適用範囲、免責金額

相手がいる物損事故では、示談交渉が重要になることもあります。

7. 事故後の手続きの違い

最後に、 物損事故と自損事故の事故後の手続きの違い について触れておきます。事故が起きた直後の対応はもちろん、その後の手続きも、事故の種類によって流れが変わることがあります。

物損事故の場合、警察への届け出、相手との示談交渉、保険会社への対応などが主な手続きとなります。示談が成立しない場合は、裁判に発展する可能性もあります。

自損事故の場合、相手との交渉がないため、手続きは比較的シンプルになることが多いです。警察への届け出、保険会社への連絡、車両保険の申請などが中心となります。

  • 事故後の手続き(例):
    1. 警察への報告・事故証明書取得
    2. 保険会社への連絡・保険金請求
    3. (物損事故の場合)相手との示談交渉
    4. (自損事故の場合)修理見積もり・修理
    5. 賠償金の支払い(物損事故の場合)

どちらの事故でも、関係書類はしっかりと保管しておくことが大切です。

このように、物損事故と自損事故には、事故の当事者や損害の対象、保険の適用、そしてその後の手続きなど、様々な違いがあります。これらの違いを理解しておくことは、万が一事故に遭ってしまった際に、冷静かつ適切に対応するために非常に役立ちます。

関連記事: