Adobe CS6 と CC の違いは、クリエイティブな作業をする上で非常に重要です。簡単に言うと、CS6は買い切り型で、CCはサブスクリプション(月額・年額払い)型です。この根本的な違いが、機能、アップデート、そして利用方法に大きな影響を与えています。ここでは、Adobe CS6 と CC の違いを詳しく見ていきましょう。
ライセンス形態と価格
Adobe CS6 と CC の最も大きな違いは、ライセンスの形態にあります。CS6は一度購入すれば永続的に利用できる「買い切り型」でした。つまり、初期費用はかかりますが、その後追加費用なしでずっと使い続けられるというメリットがありました。
一方、CC(Creative Cloud)は「サブスクリプション型」です。月額または年額で料金を支払うことで、最新バージョンのソフトウェアを常に利用できます。このモデルは、初期費用を抑えたいユーザーや、常に最新の機能を使いたいユーザーにとっては魅力的です。
以下に、それぞれのライセンス形態の主な特徴をまとめました。
| ライセンス形態 | CS6 | CC |
|---|---|---|
| 支払方法 | 買い切り(一括払い) | サブスクリプション(月額・年額払い) |
| バージョン | 購入時のバージョンのみ | 常に最新バージョン |
| アップデート | なし | 随時無料 |
このライセンス形態の違いは、長期的なコストや利用できる機能に大きく影響するため、ご自身の使い方に合わせて検討することが重要です。
機能とアップデート
CS6は、購入した時点での機能が固定されています。新しい機能が追加されたり、バグが修正されたりすることはありません。もし新しい機能を使いたい場合は、新しいバージョンのCSシリーズを買い直す必要がありました。
対して、CCはサブスクリプションモデルのため、常に最新バージョンのソフトウェアを利用できます。Adobeは定期的に新機能を追加したり、パフォーマンスを向上させたりするアップデートを無料で提供しています。これにより、クリエイターは常に最先端のツールを手に入れることができるのです。
- CCのメリット:
- 新機能への即時アクセス
- バグ修正やパフォーマンス改善
- 互換性の維持
CS6のユーザーは、これらの最新機能を利用するためには、基本的には新しいバージョンを購入する必要がありましたが、CCではそれが自動的に適用されます。
クラウド連携とストレージ
CCの大きな特徴の一つは、クラウドとの連携が強化されている点です。Adobe Creative Cloudは、単なるソフトウェアの集合体ではなく、クラウドストレージや共有機能なども提供しています。
具体的には、以下のような機能が利用できます。
- クラウドストレージ: ファイルやアセットをクラウド上に保存し、どのデバイスからでもアクセスできるようになります。
- 共有機能: 作品やアセットをチームメンバーやクライアントと簡単に共有できます。
- 同期機能: 設定やプリセットなどをデバイス間で同期させることができます。
CS6には、このようなクラウド連携機能はほとんどありませんでした。そのため、データのやり取りはUSBメモリや外部ストレージなど、手動で行う必要がありました。 このクラウド連携は、共同作業やリモートワークを効率化する上で非常に強力な武器となります。
利用できるアプリケーションの種類
Adobe CS6は、Photoshop、Illustrator、InDesignなどの主要なアプリケーションが含まれていましたが、CCではそれらに加えて、さらに多くのアプリケーションが利用可能になっています。また、Webデザインや動画編集、3Dグラフィックなど、より専門的な分野に対応するツールも充実しています。
CCで利用できる主なアプリケーションには、以下のようなものがあります。
- Photoshop
- Illustrator
- InDesign
- Premiere Pro (動画編集)
- After Effects (モーショングラフィックス)
- Dreamweaver (Webデザイン)
- Adobe XD (UI/UXデザイン)
- Substance 3D (3Dグラフィック)
CS6では、これらのアプリケーションの一部は別売りであったり、そもそも提供されていなかったりしました。CCでは、プランによってはこれらのアプリケーションすべて、あるいは一部をまとめて利用できるため、幅広いクリエイティブニーズに対応できます。
モバイルアプリとの連携
CCは、デスクトップアプリケーションだけでなく、スマートフォンやタブレット向けのモバイルアプリも提供しています。これらのモバイルアプリとデスクトップアプリケーションを連携させることで、外出先でもアイデアを形にしたり、作業の続きを行ったりすることが可能になります。
例えば、:
- Adobe Fresco: iPadやiPhoneで描いたイラストを、デスクトップのPhotoshopで開いて編集できます。
- Lightroom Mobile: スマートフォンで撮影した写真を、クラウド経由でデスクトップのLightroomで管理・編集できます。
CS6には、このようなモバイルアプリとの連携機能は搭載されていませんでした。 このモバイル連携は、場所を選ばずにクリエイティブな作業を行いたい現代のクリエイターにとって、非常に便利な機能と言えるでしょう。
サポートとコミュニティ
CCユーザーは、Adobeの提供する充実したサポートやコミュニティリソースを利用できます。これは、ソフトウェアの利用中に問題が発生した場合や、新しいスキルを習得したい場合に役立ちます。
- Adobeサポート: オンラインヘルプ、フォーラム、チャットサポートなどが利用できます。
- Adobe Stock: 高品質な写真、イラスト、ビデオなどの素材を(プランによっては)利用できます。
- Adobe Fonts: 豊富なフォントライブラリから、好きなフォントを自由に使えます。
- チュートリアル: Adobeが提供する公式チュートリアルや、クリエイターコミュニティによる情報が豊富にあります。
CS6のサポートは、すでに終了しているか、限定的になっている場合が多く、最新の情報やトラブルシューティングを見つけるのが難しくなってきています。 継続的な学習や問題解決をスムーズに行いたいのであれば、CCのサポート体制は大きなメリットとなります。
まとめ
Adobe CS6 と CC の違いは、単なるバージョンアップではなく、クリエイティブワークのあり方そのものを変えるものです。CS6は買い切りという利点がありましたが、CCのサブスクリプションモデルは、常に最新の機能、クラウド連携、そして豊富なアプリケーションへのアクセスを提供します。ご自身の制作スタイルや予算に合わせて、最適な選択をすることが、クリエイティブな活動をさらに発展させる鍵となるでしょう。