「経済学部」と「経営学部」、どちらも「経済」という言葉がついていますが、実は学ぶ内容や目指す方向性が異なります。 経済学部 と 経営学部 の 違い を理解することは、将来どのような分野に進みたいのかを考える上で、とても大切になってきます。
社会全体のお金の動きを見る経済学部
経済学部では、国や地域、そして世界全体のお金の流れや仕組みを学びます。例えば、物価がどうやって決まるのか、失業率はなぜ上がるのか、政府はどんな政策を打てば景気が良くなるのか、といった、社会全体の大きな視点からお金を捉えます。
具体的には、以下のようなことを学びます。
- ミクロ経済学(家計や企業の行動)
- マクロ経済学(国全体の経済)
- 統計学(データを分析する力)
- 財政学(政府のお金の使い方)
- 金融論(銀行や株式市場)
経済学部で身につくのは、社会の動きを客観的に分析し、将来を予測する力です。これは、公務員やシンクタンク、金融機関などで活躍するために役立ちます。
企業をどうやって動かすかを見る経営学部
一方、経営学部では、会社という組織をどうやってうまく運営していくかに焦点を当てて学びます。会社を成長させるためには、どんな戦略を立てるべきか、社員をどうまとめるか、商品やサービスをどう売るか、といった、より実践的な内容を学びます。
経済学部と経営学部、どっちを選ぶ?
「社会全体のお金の流れを知りたい!」という人は経済学部、「会社を動かすことに興味がある!」という人は経営学部が向いているかもしれません。しかし、これはあくまで一般的な話。どちらの学部でも、お互いの分野を学ぶ機会はたくさんあります。
例えば、経済学部では、企業の行動を分析するために、経営学的な視点も取り入れます。逆に、経営学部では、経済全体の動向が企業経営にどう影響するかを理解するために、経済学の知識も必要になります。
どちらの学部を選ぶにしても、最終的には自分の興味や将来の目標に合わせて、学ぶ分野を深めていくことが大切です。
将来のキャリアパスの違い
卒業後の進路も、学部によって少し違いが見られます。経済学部を卒業した人は、
- 公務員(国家公務員、地方公務員)
- 銀行や証券会社などの金融機関
- シンクタンク(調査・研究機関)
- コンサルタント
といった、社会全体の仕組みに関わる仕事に就く人が多い傾向があります。経済の専門知識を活かせる仕事ですね。
一方、経営学部を卒業した人は、
| 職種 | 例 |
|---|---|
| 営業 | 商品やサービスを顧客に提案する |
| マーケティング | 商品の魅力を伝え、売れるように工夫する |
| 人事 | 社員の採用や育成、働きやすい環境を作る |
| 企画 | 新しい商品やサービスを考える |
のように、企業の内部で直接的に活躍する職種に就く人が多くなります。会社を動かすための具体的なスキルを活かせる仕事ですね。
学びの深掘り:専門分野
経済学部では、さらに細かく、以下のような分野を深く掘り下げて学びます。
- 経済史(過去の経済の出来事)
- 国際経済学(国と国の経済のやり取り)
- 環境経済学(環境問題とお金の関係)
- 行動経済学(人の心理とお金の関係)
経営学部では、会社を運営するために必要な、より実践的な分野を学びます。
- マーケティング論(どうやって物を売るか)
- 組織論(会社をどうやってまとめるか)
- 会計学(会社のお金の記録と計算)
- 財務管理(会社のお金をどうやって調達し、使うか)
- 経営戦略論(会社をどうやって成長させるか)
どちらの学部でも役立つスキル
経済学部でも経営学部でも、将来役立つ共通のスキルがあります。それは、
- 論理的思考力
- 問題解決能力
- データ分析力
- コミュニケーション能力
です。これらのスキルは、どんな仕事に就いても必ず役に立ちます。
まとめ:自分に合った選択を!
経済学部と経営学部、それぞれに魅力的な学びがあります。どちらが優れているということはなく、大切なのは、あなたが何を学びたいのか、将来どんなことに挑戦したいのか、という自分の気持ちです。オープンキャンパスに参加したり、大学のウェブサイトを見たりして、じっくり考えて、あなたにとって一番良い選択をしてください。