SaaS と ASP の違いを徹底解説！どっちがお得？

「SaaS」と「ASP」、最近よく聞く言葉だけど、一体何が違うの？という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この二つのサービスは、どちらもインターネットを通じてソフトウェアを利用するという点では似ていますが、提供の仕方や機能、そして利用する側にとってのメリット・デメリットに違いがあります。今回は、そんな「SaaS と ASP の違い」を分かりやすく、そして詳しく解説していきます。

SaaS と ASP の違い：基本をおさらい

まず、「SaaS」は「Software as a Service」の略で、「サービスとしてのソフトウェア」という意味です。これは、ソフトウェアを買い切って自分のパソコンにインストールするのではなく、インターネット経由で提供されるサービスとして利用する形態を指します。利用者は、Webブラウザなどを通じて、いつでもどこでも必要な機能にアクセスできます。

一方、「ASP」は「Application Service Provider」の略で、「アプリケーションサービスプロバイダー」を意味します。これは、ソフトウェアを提供する事業者のことを指す場合が多いです。ASP事業者が提供するソフトウェアを、利用者はインターネット経由で利用します。つまり、ASPは「サービスを提供する事業者」、SaaSは「その提供されるサービスそのもの」というイメージが強いかもしれません。

しかし、最近ではこの二つの言葉の区別が曖昧になってきており、多くのASP事業者がSaaSの形態でサービスを提供しています。 SaaS と ASP の違いを理解することは、自社に最適なクラウドサービスを選ぶ上で非常に重要です。

SaaSの特徴
- インターネット経由でソフトウェアを利用
- 月額や年額の利用料が一般的
- アップデートやメンテナンスは提供者側が行う
- 導入が比較的容易
ASPの特徴
- ソフトウェアを提供する事業者
- 自社で開発したソフトウェアを顧客に提供
- 顧客はインターネット経由で利用

提供形態とカスタマイズ性

SaaSとASPの大きな違いの一つに、提供形態とカスタマイズ性が挙げられます。SaaSは、不特定多数のユーザーが同じソフトウェアを共有して利用する「マルチテナント」という形態をとることが多いです。そのため、提供される機能は共通化されており、個々のユーザーに合わせて細かくカスタマイズするのは難しい場合があります。

対して、ASPの中には、顧客ごとに専用の環境を用意してサービスを提供する「シングルテナント」という形態をとるものもあります。この場合、顧客の要望に合わせて機能を追加したり、仕様を変更したりといった、より柔軟なカスタマイズが可能です。ただし、その分コストが高くなる傾向があります。

提供形態	カスタマイズ性
SaaS (マルチテナント)	限定的
ASP (シングルテナント)	高い

料金体系とコスト

料金体系も、SaaSとASPで異なる点があります。SaaSは、一般的に利用ユーザー数や利用期間に応じた月額または年額の定額制をとることが多いです。これにより、初期投資を抑え、利用状況に合わせてコストを変動させることができます。

一方、ASPの料金体系は、提供されるサービスの内容やカスタマイズの度合いによって様々です。初期費用が比較的高額になる場合や、利用量に応じた従量課金制の場合もあります。自社の予算や利用計画に合わせて、どちらの料金体系が適しているか検討することが大切です。

SaaSの料金例：
- 月額一人あたり〇〇円
- 年額〇〇円（一括払いでお得）
ASPの料金例：
- 初期導入費用＋月額利用料
- 機能追加ごとに〇〇円

セキュリティとデータ管理

セキュリティとデータ管理の観点も、SaaSとASPで注意すべき点です。SaaSの場合、提供事業者がサーバーの管理やセキュリティ対策を包括的に担当します。そのため、自社で高度なセキュリティ環境を構築する必要はありませんが、提供事業者のセキュリティレベルに依存することになります。

ASPの場合も、基本的には提供事業者がセキュリティ対策を行います。しかし、シングルテナント型のASPでは、顧客ごとにデータが隔離されるため、より高いセキュリティレベルを求める場合に適していることがあります。どちらのサービスを選ぶにしても、提供事業者のセキュリティポリシーや実績をしっかりと確認することが重要です。

導入のしやすさと運用負荷

導入のしやすさや運用負荷も、SaaSとASPの大きな違いとなります。SaaSは、Webブラウザさえあればすぐに利用を開始できるため、導入が非常に簡単です。また、ソフトウェアのインストールやアップデート、サーバーの管理といった運用・保守作業はすべて提供者側が行うため、自社のIT担当者の負担を大幅に軽減できます。

ASPの場合、サービスによっては初期設定に時間がかかったり、自社システムとの連携が必要だったりする場合があります。しかし、最近のASPサービスは、SaaSと同様に手軽に導入できるものも増えています。運用負荷についても、提供されるサービスの内容によって大きく異なります。

サポート体制

サポート体制も、SaaSとASPで比較検討したいポイントです。SaaSでは、多くの場合、FAQやマニュアル、メールやチャットでの問い合わせといったサポートが用意されています。迅速な問題解決が期待できる一方、専門的な個別サポートは有料となる場合もあります。

ASPのサポート体制は、事業者によって大きく異なります。充実した電話サポートや、専任の担当者による手厚いサポートが受けられる場合もあれば、SaaSと同様のサポート体制の場合もあります。利用したい機能や、自社のITリテラシーに合わせて、適切なサポート体制が整っているか確認しましょう。

SaaSとASP、それぞれにメリット・デメリットがあり、「どちらが良い」と一概に決めることはできません。自社のビジネスの目的、予算、必要な機能、そしてITリソースなどを総合的に考慮し、最適なサービスを選択することが成功の鍵となります。