八幡宮と神社の違いをわかりやすく解説！意外と知らない神社の秘密

「八幡宮」と「神社」、この二つ、皆さんはどう違うかご存知でしょうか？実は、八幡宮は数ある神社の中でも特別な存在なのです。今日は、この「八幡宮と神社の違い」について、みなさんが「なるほど！」と思えるように、楽しく、そして分かりやすく解説していきますね。

八幡宮の神様：応神天皇の特別な物語

まず、八幡宮と一般的な神社の違いを理解するには、祀られている神様について知ることが大切です。八幡宮で最も中心となる神様は、「応神天皇（おうじんてんのう）」です。応神天皇は、日本の歴史上、実在が確認されている最初期の天皇の一人と言われています。しかし、八幡神としての応神天皇は、単なる天皇というだけでなく、弓矢や武勇の神、さらには安産や育児の神としても信仰されています。

なぜ応神天皇がこのような特別な神様として崇められるようになったのでしょうか。その背景には、いくつかの伝説や歴史的経緯があります。特に、神功皇后（じんぐうこうごう）が三韓（さんかん：朝鮮半島）への遠征から帰還する際に、応神天皇を身ごもり、無事に皇子を出産されたという話が有名です。このことから、八幡神は「武神」でありながら、「安産」や「子育て」の神としても広く信仰されるようになったのです。 この二面性が、八幡宮の神様をより魅力的な存在にしています。

応神天皇
神功皇后
武勇の神
安産・子育ての神

このように、八幡宮は特定の神様、特に応神天皇を祭神としている点が、一般的な神社と大きく異なります。多くの神社では、自然の神様や、特定の地域にゆかりのある神様、あるいは仏教の影響を受けた神様など、様々な神様が祀られています。しかし、八幡宮は、その名の通り「八幡神」を祭ることに特化しているのです。

八幡宮のシンボル：鳩と「八」の字

八幡宮を訪れると、何か他の神社と違うことに気づくことがあります。それは、境内に「鳩」が多く見られたり、「八」の字をモチーフにした紋様が使われていることです。これは、八幡神の使いであるとされているためです。

鳩は古くから神様の使いとされており、特に八幡神とは縁が深いと信じられています。そのため、八幡宮の鳥居や拝殿、お守りなどに、鳩の姿や、鳩をかたどった彫刻などを見つけることができるでしょう。また、「八」という数字も、八幡神を象徴する数字とされており、様々な場所でデザインとして取り入れられています。

シンボル	意味
鳩	八幡神の使い
「八」の字	八幡神を象徴

もちろん、全ての神社に鳩がいないわけではありませんし、他の神社でも「八」の数字が使われることもありますが、八幡宮においては、これらがより顕著な特徴として挙げられます。

全国に広がる八幡宮のネットワーク

八幡宮は、全国に約4万社あると言われる神社のうち、約8千社を占めるとも言われるほど、非常に数が多いのです。これは、八幡神が武士階級からの篤い信仰を集めたことと深く関係しています。

平安時代末期から鎌倉時代にかけて、武士たちが台頭すると、彼らは戦いの神、そして勝利の神として八幡神に祈りを捧げました。そのため、武士たちの守護神として、全国各地に八幡宮が建立されていったのです。源頼朝（みなもとのよりとも）が鎌倉に鶴岡八幡宮（つるがおかはちまんぐう）を建立したことは有名ですね。

武士の台頭
武勇・勝利の神としての信仰
全国各地への建立

このように、歴史的な背景から、八幡宮は全国に強固なネットワークを築き上げていきました。それぞれの地域に根差しながらも、根底には八幡神への信仰という共通点があるのです。

「八幡宮」と「神社」の包含関係

ここまでの話をまとめると、「八幡宮」は「神社」という大きなカテゴリーの中にある、一つの「種類」だと理解すると分かりやすいでしょう。つまり、全ての八幡宮は神社ですが、全ての神社が八幡宮ではありません。

例えるなら、「果物」と「りんご」の関係に似ています。「果物」という大きな枠の中に、「りんご」という特定の種類の果物があるように、「神社」という大きな枠の中に、「八幡宮」という特定の種類の神社があるのです。

神社：神様を祀る場所全般
八幡宮：神社の中でも、特に八幡神（応神天皇）を主祭神とする神社

この関係性を理解しておくと、参拝する際に、その神社がどのような神様を祀っているのか、どのような由来があるのかなどを想像する楽しみも増えるはずです。

「神社」という言葉の広がり

「神社」という言葉は、非常に幅広い意味で使われます。先ほども触れたように、神道において神様を祀る場所はすべて神社と呼びます。そのため、その神様の種類や、神社の規模、歴史などによって、様々な名前や特徴を持った神社が存在します。

例えば、:

稲荷神社（いなりじんじゃ）：お稲荷さん（倉稲魂命：うかのみたまのみこと）を祀る
天満宮（てんまんぐう）：菅原道真（すがわらのみちざね）公を祀る
諏訪大社（すわたいしゃ）：建御名方神（たけみなかたのかみ）などを祀る

このように、一口に「神社」と言っても、それぞれに個性があり、訪れる人々を惹きつける魅力を持っています。八幡宮も、その中でも特に人気が高く、多くの人に親しまれている神社の一つなのです。

参拝する際のちょっとした豆知識

八幡宮を参拝する際には、いくつか知っておくとより楽しめる豆知識があります。

手水舎（てみずや）での作法： 左手、右手、口、柄杓の柄と清めるのが基本です。
お賽銭： 感謝の気持ちを込めて、静かに投げ入れましょう。
二拝二拍手一拝： 二回お辞儀をし、二回手を叩き、もう一度お辞儀をするのが一般的な参拝作法です。

八幡宮では、さらに「弓矢」や「馬」に関するお守りなどが見られることもあります。これは、武神としての八幡神に由来するものです。

また、八幡宮には「一の鳥居」「二の鳥居」「三の鳥居」と、鳥居が複数ある場合が多いのも特徴です。これは、神聖な空間が段階的に広がっていることを示しています。

これらの豆知識を知っていると、ただ参拝するだけでなく、その神社の歴史や神様への理解が深まり、より一層、神聖な気持ちで参拝できることでしょう。

まとめ：八幡宮は神社の一種、特別な魅力を持つ存在

「八幡宮と神社の違い」について、ご理解いただけたでしょうか？八幡宮は、数ある神社の中でも、応神天皇を主祭神とし、武勇や安産、子育ての神として信仰されている特別な存在です。鳩や「八」の字といったシンボル、そして武士たちからの篤い信仰という歴史的背景も、八幡宮を他の神社と区別する要素と言えるでしょう。

これからは、神社にお参りする際に、「これは八幡宮かな？どんな神様がいらっしゃるのかな？」と考えてみるのも楽しいかもしれませんね。それぞれの神社が持つ個性や歴史を知ることで、日本の文化や信仰の奥深さを感じることができるはずです。