「年休」と「有給」、なんだか似ているけど、一体何が違うんだろう? そう思っている人は多いのではないでしょうか。実は、「年休」と「有給」は、ほとんどの場合、同じものを指しているんです。ここでは、そんな「年休 と 有給 の 違い」について、分かりやすく解説していきます。
「年休」と「有給」は同じもの?
「年休」と「有給」という言葉を聞いたとき、多くの人は「お休みがもらえること」を想像するでしょう。そして、その通り! 実は、「年休」というのは「年次有給休暇」の略称なのです。つまり、「年休」も「有給」も、法律で定められた労働者の権利である「年次有給休暇」のことを指しているのです。 このことを理解しておくだけで、「年休 と 有給 の 違い」に関する疑問のほとんどが解消されるはずです。
では、なぜ二つの言葉があるのでしょうか? それは、一般的に「年休」という言葉が、より日常的で親しみやすい響きを持っているため、会話や社内での案内などで使われることが多いからです。一方、「有給」という言葉は、少しフォーマルな場面や、法律的な文脈で使われることがあります。しかし、どちらも同じ「働いている人が、お給料をもらいながら休める権利」のことだと考えてください。
例えるなら、リンゴとアップルみたいなものです。どちらも同じ果物を指していますが、呼び方が違うだけ。このように、「年休」と「有給」も、呼び方が違うだけで、中身は全く同じ「年次有給休暇」なのです。:
- 年休 = 年次有給休暇(略称)
- 有給 = 年次有給休暇(略称)
年次有給休暇の基本
年次有給休暇は、労働基準法で定められた労働者の権利です。これは、会社で一生懸命働いたことへのご褒美のようなもの。一定期間以上働いた人には、必ず与えられます。そして、この休暇は、単に休むためだけでなく、心身のリフレッシュや、プライベートな用事をこなすためなど、自由に使うことができます。
付与される日数は、働き方によって変わってきます。例えば、週5日フルタイムで働いている人は、勤続年数に応じて、毎年決まった日数の年次有給休暇が付与されます。アルバイトやパートタイマーであっても、一定の条件を満たせば、労働時間に応じて比例配分された日数の年次有給休暇が付与されるんですよ。
- 勤続6ヶ月で10日付与
- 勤続1年6ヶ月で11日付与
- …
- 勤続5年6ヶ月で20日付与
年次有給休暇は、繰り越すことも可能です。もし、その年に使いきれなかった年次有給休暇があっても、次の年に繰り越して使うことができます。ただし、繰り越せる期間には上限がある場合もありますので、会社の就業規則を確認しておくと良いでしょう。:
| 年次 | 付与日数 | 繰越 |
|---|---|---|
| 1年目 | 10日 | 〇 |
| 2年目 | 11日 | 〇 |
休暇の取得方法
年次有給休暇を取得するには、いくつかルールがあります。まず、いつ休みたいかを、会社の定める方法で事前に申請する必要があります。これは、会社が業務の都合を考慮して、休む日を調整するためです。突然休むのではなく、早めに相談することが大切です。
「どんな理由で休むか」は、基本的に聞かれる必要はありません。年次有給休暇は労働者の権利ですから、プライベートな用事や、単にリフレッシュしたいという理由でも、取得することができます。もちろん、病気や怪我の療養のために休むことも、もちろん可能です。
会社には、労働者が年次有給休暇を取りやすいように配慮する義務があります。例えば、会社が指定した期間に有給休暇を取得させたり、有給休暇の取得を阻害するような言動をとったりすることは、法律で禁止されています。:
- 取得申請は早めに行う
- 取得理由を詳しく説明する必要はない
- 会社は取得を拒否できない(例外あり)
未消化の休暇はどうなる?
もし、年次有給休暇を使いきれずに残ってしまった場合、それは「未消化」となります。この未消化の休暇は、原則として次の年に繰り越されます。なので、せっかくの権利を無駄にしないように、計画的に取得することが推奨されます。
ただし、繰り越せる日数には上限がある場合もあります。また、退職する際には、残っている年次有給休暇をまとめて取得したり、買取を会社に交渉したりすることも可能です。ただし、買取は法律上の義務ではないため、会社との話し合いになります。
未消化の休暇をどうするかは、個人の判断になりますが、日頃から計画的に休む習慣をつけることが、心身の健康のためにも大切です。:
- 未消化分は翌年に繰り越せる
- 繰越日数に上限がある場合も
- 退職時にまとめて取得・買取交渉が可能
計画的付与制度とは?
「計画的付与制度」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは、会社が、年次有給休暇の一部を、あらかじめ計画的に取得日を決めて付与する制度です。例えば、会社の創立記念日や、夏季休暇など、会社全体で休む日を設定することができます。
この制度のメリットは、労働者側も会社側も、計画を立てやすくなることです。労働者は、いつ休めるかが事前に分かっているので、プライベートの予定を立てやすくなります。会社側も、業務の段取りがしやすくなります。
ただし、この制度を導入するには、労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者との書面による協定が必要です。:
- 会社が休暇日を計画して決める
- 例:夏季休暇、年末年始休暇など
- 労働者の同意が必要
時効について
年次有給休暇には、「時効」があります。これは、一定期間が過ぎると、その休暇を取得する権利が消滅してしまうということです。具体的には、年次有給休暇が付与された日から2年間で時効となります。つまり、付与された年次有給休暇は、2年以内に使う必要があります。
例えば、2023年4月1日に10日付与された年次有給休暇は、2025年4月1日までに取得しなければ、その権利は消滅してしまいます。なので、未消化の休暇がある場合は、時効に注意して、計画的に取得するようにしましょう。
時効を過ぎてしまうと、もったいないことになってしまいます。毎年の付与日と、残っている休暇の日数を把握しておくことが大切です。:
| 付与日 | 時効 | 取得期限 |
|---|---|---|
| 2023年4月1日 | 2年間 | 2025年3月31日まで |
まとめ
「年休」と「有給」という言葉は、どちらも「年次有給休暇」のこと。法律で定められた大切な労働者の権利なので、しっかりと理解して、賢く活用しましょう。心身ともにリフレッシュして、仕事もプライベートも充実させてくださいね!