車を購入する際、ナンバープレートの数字が「5」か「3」かで、税金が大きく変わることをご存知ですか？今回は、 5ナンバーと3ナンバーの税金の違い について、分かりやすく解説していきます。この違いを知っておくだけで、車の維持費がどれくらい変わるか、そしてどんな車を選ぶべきかの参考になるはずです。
ナンバープレートの数字が税金に与える影響とは？
まず、なぜナンバープレートの数字が税金に関係してくるのか、その基本的な仕組みから見ていきましょう。日本の自動車税制では、車の「サイズ」や「排気量」によって税金が決まります。そして、この「サイズ」や「排気量」が、ナンバープレートの「5」と「3」という数字に反映されるのです。つまり、 ナンバープレートの数字は、車の税金に直接影響を与える重要な指標 なのです。
- 5ナンバー車： 一般的に、小型車に分類され、税金が比較的安くなる傾向があります。
- 3ナンバー車： 一般的に、普通車に分類され、税金が高くなる傾向があります。
具体的に、どのような基準で「5ナンバー」と「3ナンバー」に分かれるのでしょうか？それは、車の「全長」「全幅」「全高」「排気量」といった、車の物理的な大きさとエンジンの力によって決まります。これらの数値が一定の基準を超えると「3ナンバー」となり、基準内であれば「5ナンバー」となることが多いのです。だからこそ、車の購入を検討する際には、このナンバープレートの数字とその税金への影響を理解しておくことが大切になります。
排気量による税金の違い
ナンバープレートの数字だけでなく、車の「排気量」も税金に大きく影響します。排気量が大きければ大きいほど、エンジンはパワフルになりますが、その分税金も高くなるのが一般的です。
- 軽自動車（黄色ナンバー）： 排気量は660cc以下で、税金は最も安いです。
- 小型車（5ナンバー）： 排気量は1000cc超～2000cc以下が中心で、税金は中程度です。
- 普通車（3ナンバー）： 排気量は2000cc超となると、税金は高くなります。
例えば、同じような車に見えても、排気量が少し違うだけで「5ナンバー」と「3ナンバー」に分かれ、税金が変わってくることがあります。また、同じ「3ナンバー」でも、排気量が大きければ大きいほど、自動車税も高額になります。これは、環境への負荷や、よりパワフルな車ほど社会的な負担が大きいという考え方に基づいています。
このように、排気量は税金に直結する要素であり、車の性能と維持費のバランスを考える上で重要なポイントです。自分の使い方に合った排気量の車を選ぶことで、無駄な税金を抑えることも可能です。
車体のサイズと税金
排気量と並んで、車の「車体のサイズ」も税金に影響します。具体的には、車の「全長」「全幅」「全高」が一定の基準を超えると「3ナンバー」となり、税金が高くなります。
| 項目 | 5ナンバーの目安 | 3ナンバーの目安 |
|---|---|---|
| 全長 | 4.7m以下 | 4.7m超 |
| 全幅 | 1.7m以下 | 1.7m超 |
| 全高 | 2.0m以下 | 2.0m以下 |
この表からもわかるように、特に「全幅」が1.7mを超えるかどうかで「3ナンバー」になるケースが多いです。最近の車はデザイン性の向上などから、車幅が広くなる傾向にあり、以前は「5ナンバー」だった車が「3ナンバー」になることも増えています。
車体が大きいということは、それだけ広い道路や駐車スペースが必要になることが多く、その分、社会的なインフラへの負荷も大きいと見なされることがあります。そのため、車体のサイズも税金を決める上で考慮されているのです。
自動車税（種別割）と環境性能割の違い
「5ナンバー」と「3ナンバー」の税金の違いを理解する上で、まずは「自動車税（種別割）」と「自動車重量税」について知っておきましょう。この二つが、車の所有にかかる主な税金です。
- 自動車税（種別割）： 毎年4月1日時点での車の所有者に対して課税される税金で、車の「排気量」や「種別」（普通車・小型車など）によって税額が決まります。
- 自動車重量税： 車の「車両重量」に応じて課税される税金で、新車購入時や車検の際にまとめて支払います。
「5ナンバー」と「3ナンバー」では、この自動車税（種別割）の税額が異なります。一般的に、排気量が同じでも、3ナンバー車の方が自動車税（種別割）は高くなります。なぜなら、3ナンバー車は普通車に分類され、より排気量の大きいエンジンを積んでいることが多いからです。
また、自動車重量税も、車両重量が重い3ナンバー車の方が高くなる傾向があります。このように、購入時の税金だけでなく、毎年の維持費にも「5ナンバー」と「3ナンバー」で差が出てくるのです。
購入時の税金：環境性能割
車を購入する際には、自動車税（種別割）や自動車重量税に加えて、「環境性能割」という税金もかかります。この環境性能割は、車の燃費性能に応じて税率が変わるもので、エコカー減税の対象にもなります。
- エコカー： 環境性能割が非課税、または税率が低くなります。
- ガソリン車（一部）： 燃費性能に応じて税率が決まります。
「5ナンバー」や「3ナンバー」といった区別は直接関係ありませんが、一般的に小型の「5ナンバー」車の方が、燃費性能が良い傾向にあり、環境性能割の負担が軽くなることがあります。一方、大型の「3ナンバー」車でも、最新の技術が搭載されたエコカーであれば、税金が軽減される場合もあります。
このように、環境性能割は車の購入を検討する際の初期費用に影響します。購入したい車の燃費性能をしっかり確認し、適用される税率を把握することが大切です。
自動車税（種別割）の具体的な税額差
では、具体的に「5ナンバー」と「3ナンバー」で、自動車税（種別割）はどれくらい違うのでしょうか？ここでは、一般的な例として、排気量1500ccと2500ccの乗用車で比較してみましょう。
- 排気量1500cc（5ナンバーの例）： 年間 30,500円
- 排気量2000cc（5ナンバーと3ナンバーの境目あたり）： 年間 36,500円
- 排気量2500cc（3ナンバーの例）： 年間 45,000円
このように、排気量が大きくなるにつれて、自動車税（種別割）は段階的に高くなっていきます。例えば、1500ccの車から2500ccの車に乗り換えると、年間で約14,500円の税金が増えることになります。この差は、車を長く乗り続けるほど、無視できない金額になってきます。
もちろん、これはあくまで目安であり、車の種類や初度登録年月などによっても税額は変動します。正確な税額は、各自治体の税金計算システムや、自動車検査登録情報協会のウェブサイトなどで確認することをおすすめします。
自動車重量税の差
自動車重量税は、車の「車両重量」によって税額が決まります。一般的に、「3ナンバー」車は「5ナンバー」車よりも車体が大きいため、車両重量も重くなる傾向があります。
- ～0.5トン： 4,100円
- ～1.0トン： 8,200円
- ～1.5トン： 12,300円
- ～2.0トン： 16,400円
例えば、車両重量が1.2トンの「5ナンバー」車と、1.8トンの「3ナンバー」車では、自動車重量税に約4,100円の差が生じます。この差も、車検ごとに支払うことになるため、長期的に見ると維持費に影響を与えます。
ただし、近年はエコカー減税の対象となる車種も増えており、燃費性能や環境負荷の低い車は、自動車重量税が軽減される場合があります。そのため、一概に「3ナンバー」だから高いとは言えず、車のスペックをしっかり確認することが重要です。
任意保険料への影響
「5ナンバー」と「3ナンバー」では、自動車保険料にも違いが出てくることがあります。これは、保険会社がリスクを評価する際に、車の種類や価格帯、そして事故の発生率などを考慮するためです。
- 高級車・高額車： 一般的に、修理費用が高額になる傾向があるため、保険料が高くなることがあります。（「3ナンバー」車に多い）
- スポーツカー： 運転者の年齢や運転歴、事故の発生率などから、保険料が高くなることがあります。
「3ナンバー」車の中には、高級車やスポーツカーが多く含まれるため、相対的に保険料が高くなる傾向が見られます。しかし、最近では、保険会社各社が細かくリスクを分析しており、必ずしも「3ナンバー」だから一律に保険料が高くなるというわけではありません。
保険料を抑えるためには、複数の保険会社の見積もりを比較したり、年齢条件や運転免許証の色などを適切に設定したりすることが大切です。また、保険会社によっては、「5ナンバー」車専用の保険プランを用意している場合もあります。
まとめ：賢い車選びのために
ここまで、「5ナンバー」と「3ナンバー」の税金の違いについて詳しく見てきました。排気量や車体のサイズ、そしてそれらに伴う自動車税（種別割）や自動車重量税、さらには保険料にまで影響があることがお分かりいただけたかと思います。 5ナンバーと3ナンバーの税金の違い を理解することは、将来の車の維持費を計画する上で非常に重要です。
車を選ぶ際には、デザインや性能はもちろんのこと、税金や維持費といったランニングコストも考慮に入れることが賢い車選びにつながります。ご自身のライフスタイルや予算に合った車を見つけるため、今回ご紹介した情報をぜひ参考にしてください。