切れ 痔 と いぼ 痔 の 違いを徹底解説!知っておくべき基本知識

お尻の悩みは、なかなか人に相談しにくいものですよね。「切れ痔」と「いぼ痔」、どちらもよく聞く言葉ですが、具体的にどう違うのでしょうか?この二つの違いを理解することは、適切な対処法を知る上で非常に重要です。今回は、切れ痔といぼ痔の違いについて、わかりやすく解説していきます。

切れ痔といぼ痔:症状と原因で見る違い

まず、切れ痔といぼ痔の最も大きな違いは、その症状と原因にあります。切れ痔は、文字通り皮膚が「切れて」しまう状態を指し、いぼ痔は、肛門周辺の血管が「いぼ」のように腫れてしまう状態です。それぞれ痛みの感じ方や、排便時の様子などが異なります。

切れ痔の主な原因は、硬い便や排便時のいきみすぎによる肛門の皮膚への物理的なダメージです。それによって、皮膚が裂けてしまい、排便時や排便後に鋭い痛みを伴います。 この裂傷が、切れ痔の痛みの原因となっていることを理解することが大切です。

一方、いぼ痔は、肛門の内側や外側にできる静脈瘤(じょうみゃくりゅう)です。内痔核と外痔核の二種類があり、それぞれ症状が異なります。

  • 内痔核: 肛門の内部にでき、初期には痛みがあまりないことが多いですが、出血を伴うことがあります。進行すると、いぼが飛び出してくる(脱肛)こともあります。
  • 外痔核: 肛門の皮膚のすぐ外側にでき、血栓ができると強い痛みを伴うことがあります。

切れ痔の「切れた」状態とは?

切れ痔は、肛門の皮膚が切れてしまう状態です。これは、例えるなら指を切ってしまったようなイメージです。排便の際に、硬い便が肛門を通過する際に、皮膚が無理やり引き伸ばされて裂けてしまうことが原因で起こります。そのため、排便のたびにチクチクとした、あるいはズキズキとした痛みが走ることが特徴です。

切れ痔の診断は、見た目でも判断できることが多く、肛門鏡などを使って切れた部分を確認します。

  1. 排便時の鋭い痛み
  2. 排便後の痛みが続く
  3. トイレットペーパーに血が付く
といった症状があれば、切れ痔の可能性が考えられます。

切れ痔を繰り返さないためには、便通を整えることが非常に重要です。

原因 対策
硬い便 食物繊維を多く摂る、水分をしっかり摂る
いきみすぎ 排便を我慢しない、リラックスして排便する

いぼ痔の「いぼ」ができるメカニズム

いぼ痔は、肛門周辺の血管がうっ血して腫れることで起こります。この「いぼ」は、医学的には「痔核」と呼ばれます。長時間の座りっぱなし、立ちっぱなし、排便時のいきみなどが原因で、肛門に血液が溜まりやすくなり、静脈がこぶのように膨らんでしまうのです。

いぼ痔には、できる場所によって内痔核と外痔核があります。

  • 内痔核: 肛門の「内側」にでき、痛覚神経があまりないため、出血はしても痛みは少ないことが多いです。ただし、大きくなると便と一緒に外に出てきてしまう(脱肛)ことがあります。
  • 外痔核: 肛門の「外側」にでき、皮膚のすぐ下にあるため、血栓ができると強い痛みを伴うことがあります。

いぼ痔の症状として、以下のようなものが挙げられます。

  1. 排便時の出血(鮮血)
  2. 肛門の違和感や異物感
  3. 座っていると痛む(特に外痔核の場合)
  4. 肛門が腫れている、いぼのようなものがある

いぼ痔の予防や悪化を防ぐためには、生活習慣の見直しが大切です。

原因 対策
長時間の座位 適度な休憩、クッションの使用
いきみすぎ 排便を我慢しない、いきみすぎない
血行不良 規則正しい生活、適度な運動

痛みの違い:切れ痔 vs いぼ痔

切れ痔といぼ痔の最も分かりやすい違いの一つが、痛みの種類です。切れ痔の痛みは、皮膚が切れることによる「鋭い痛み」や「焼けるような痛み」が特徴です。排便の始まりや終わり、あるいは温かいお湯で洗うときなどに特に強く感じることがあります。

一方、いぼ痔の痛みは、できている場所や状態によって異なります。内痔核で出血だけの場合は痛みが少ないことが多いですが、炎症を起こしたり、血栓ができて外痔核が腫れたりすると、「ズキズキとした鈍い痛み」や「重い感じの痛み」を感じることがあります。座っているだけでも痛むことがあります。

痛みの感じ方をまとめると、以下のようになります。

  • 切れ痔: 鋭い、チクチクする、焼けるような痛み
  • いぼ痔: ズキズキする、鈍い痛み、重い感じの痛み

出血の違い:切れ痔 vs いぼ痔

出血の仕方も、切れ痔といぼ痔では違いが見られます。切れ痔の場合、出血は通常、排便時に切れた傷口から少量の鮮血が出ることがほとんどです。トイレットペーパーに血が付く、便器にポタポタと落ちる、といった程度が多いでしょう。

いぼ痔の場合、特に内痔核では、排便時にいぼが刺激されて出血することが多く、これも鮮血であることが一般的です。しかし、出血量が多い場合や、便に血が混ざることもあります。外痔核の場合は、血栓ができると痛みを伴うことがありますが、出血は比較的少ない傾向にあります。

出血のポイントを比較してみましょう。

  1. 切れ痔: 排便時の切れた傷から少量。
  2. いぼ痔(内痔核): いぼが刺激されて出血。出血量が多いことも。
  3. いぼ痔(外痔核): 血栓ができても出血は少ない傾向。

原因となる生活習慣の違い

切れ痔といぼ痔では、それぞれ原因となる生活習慣にも違いがあります。切れ痔は、便秘による硬い便が主な原因となるため、食生活の偏りや水分不足、運動不足などが関係してきます。排便時のいきみすぎも、皮膚に負担をかける大きな要因です。

一方、いぼ痔は、長時間座っていたり、立ちっぱなしだったりすることによる血行不良や、排便時のいきみによる肛門への負担が原因となることが多いです。つまり、切れ痔は「便の状態」、いぼ痔は「肛門への圧」がより大きな要因と言えるでしょう。

生活習慣と病気の関連性をまとめます。

病気 主な原因となる生活習慣
切れ痔 便秘、硬い便、排便時のいきみすぎ、食生活の偏り
いぼ痔 長時間の座位・立位、排便時のいきみすぎ、血行不良

治療法とセルフケアの違い

切れ痔といぼ痔では、治療法やセルフケアの方法も異なります。切れ痔の場合、まずは排便を楽にすることが最優先です。便秘の解消、食事療法、軟膏の使用などが中心となります。場合によっては、切開して治す手術が必要になることもあります。

いぼ痔の場合は、炎症を抑える薬や、いぼを収縮させる薬などが使われます。進行してしまった場合は、いぼを切除する手術や、レーザー治療などが行われます。セルフケアとしては、温水洗浄便座の使いすぎに注意したり、座浴をしたりすることが推奨されることもあります。

治療法とセルフケアのポイントを整理しましょう。

  • 切れ痔:
    1. 便秘解消(食事、水分、運動)
    2. 軟膏の使用
    3. 必要に応じて切開手術
  • いぼ痔:
    1. 薬物療法(内服薬、外用薬)
    2. 手術(切除、レーザーなど)
    3. セルフケア(座浴、温水洗浄便座の注意)

まとめ:切れ痔といぼ痔、どちらの症状か見極めよう

切れ痔といぼ痔は、どちらもお尻の悩みを引き起こしますが、その原因、症状、痛みの種類、出血の仕方に違いがあります。ご自身の症状をよく観察し、どちらのタイプなのかを把握することが、適切な対処への第一歩です。もし、痛みがひどかったり、出血が続いたりする場合は、自己判断せず、専門医に相談するようにしましょう。

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