要介護 1 と 2 の違いを徹底解説！どっち？迷ったらココをチェック！

「要介護 1」と「要介護 2」の違い、気になりますよね？介護保険サービスを利用する上で、この二つの等級の違いは、受けられるサービスの内容や量に大きく関わってきます。今回は、そんな 要介護 1 と 2 の違い を、わかりやすく、そして具体的に解説していきます。

日常生活における「できること」「できないこと」の差

要介護 1と要介護 2の最も大きな違いは、日常生活における「どれくらい人の手助けが必要か」という点です。要介護 1は、日常生活の動作の大部分は自分で行えるものの、一部において支援が必要な状態を指します。例えば、着替えや入浴、排泄の際に、一部介助が必要になる、といった具合です。

一方、要介護 2になると、日常生活における身体的な介助の必要性が増します。着替えや入浴、排泄など、より多くの場面で、ほぼ全ての動作において介助が必要になるケースが多いです。また、立ち上がりや歩行といった移動能力も、要介護 1よりも低下している傾向が見られます。

これらの違いを理解することは、ご本人やご家族が、どのような介護サービスを、どれくらいの頻度で利用するのが適切かを判断する上で非常に重要です。

要介護 1 の目安:

身だしなみを整えるのに一部介助が必要
入浴や排泄の動作に一部介助が必要
食事はほとんど自分で食べられる

要介護 2 の目安:

日常生活動作	要介護 1	要介護 2
着替え	一部介助	ほぼ全介助
入浴	一部介助	ほぼ全介助
排泄	一部介助	ほぼ全介助

身体機能の低下度合いで見る違い

要介護 1 と 2 の違いは、単に「手助けが必要な場面」だけでなく、身体機能そのものの低下度合いにも現れます。要介護 1 の方は、まだ自分でできる動作が多いですが、転倒のリスクが少し高まったり、疲れやすさを感じたりすることがあります。

対して、要介護 2 の方は、立ち上がりや歩行の際に、より不安定さが増し、転倒のリスクがさらに高まります。また、長時間の立位や歩行が困難になるなど、身体的な負担を感じやすい状態と言えます。

このように、身体機能の低下度合いを把握することで、より安全で安心できる介護計画を立てることが可能になります。

身体機能の低下度合いの比較：

要介護 1:

立ち上がりや歩行は比較的安定しているが、疲れやすい。
転倒の危険性は、健常者よりは高い。

要介護 2:
1. 立ち上がりや歩行が不安定で、介助が必要な場合がある。
2. 転倒のリスクが、要介護 1 よりも顕著に高い。
3. 長時間の立位や歩行は困難。

認知機能への影響による違い

要介護 1 と 2 では、認知機能への影響の度合いにも違いが見られることがあります。要介護 1 の方は、日常生活の指示を理解でき、簡単な判断も自分でできることが多いです。ただし、物忘れや、慣れない場所での判断に迷うことがあるかもしれません。

一方、要介護 2 になると、判断力や理解力にさらに低下が見られることがあります。例えば、複雑な指示を理解するのが難しくなったり、季節や日時がわからなくなったりすることも考えられます。そのため、より丁寧な声かけや、わかりやすい説明が必要になります。

認知機能の違いを理解することは、コミュニケーションの取り方や、生活環境の整備において、非常に役立ちます。

認知機能の比較表

項目	要介護 1	要介護 2
指示の理解	簡単な指示は理解できる	複雑な指示は理解が難しい場合がある
判断力	簡単な判断は自分でできる	判断に迷うことが増える
時間・場所の認識	おおむね理解できている	季節や日時がわからなくなることがある

介護サービスの利用限度額と給付内容の違い

要介護 1 と 2 では、利用できる介護サービスの上限額（区分支給限度額）が異なります。これは、介護保険から給付されるサービスの総額の上限のことです。したがって、要介護 2 の方が、より多くのサービスを、より頻繁に利用できる可能性が高まります。

例えば、訪問介護やデイサービスといったサービスでは、要介護 2 の方が、より長時間、あるいは週に複数回利用することが計画しやすくなります。この限度額の違いを理解しておくことで、ご自身の状況に合った、最適なサービス計画を立てることができます。

区分支給限度額の目安（月額）

要介護 1：約 167,650 円
要介護 2：約 197,050 円

※この金額は目安であり、地域や事業者によって若干異なる場合があります。

必要な介助の量と種類

要介護 1 と 2 の違いは、具体的に「どれくらいの介助が必要か」という点に現れます。要介護 1 では、部分的な介助で済むことが多いですが、要介護 2 になると、より広範囲で、より深い介助が必要となる場面が増えます。

例えば、食事の際、要介護 1 の方は自分で食べられるけれど、食器の準備や後片付けを手伝ってもらう、といったケースがあります。しかし、要介護 2 の方になると、一口ずつ食べさせてあげる、といった、より丁寧な介助が必要になることがあります。このように、介助の「量」と「質」の両方に違いがあることを理解することが大切です。

要介護 1 の介助例:

食事：食器の準備、配膳、後片付け
着替え：ボタンを留める、靴下を履かせる
入浴：浴槽への出入り、洗身の補助

要介護 2 の介助例:

行為	介助の程度
食事	一口ずつ食べさせる、食器の持ち方を補助する
着替え	衣類をすべて着せる、ズボンや下着の上げ下ろしを補助する
入浴	洗身、洗髪、全身の介助

受給できるサービスの種類と頻度

要介護 1 と 2 では、受けられる介護サービスの種類や、その利用頻度にも違いが出てきます。要介護 1 の方でも、自宅での生活をサポートする訪問介護や、日帰りで施設に通うデイサービスなどを利用できます。

しかし、要介護 2 になると、より専門的なケアが必要になる場合も考慮され、例えば、長時間のデイケアや、より手厚い訪問介護、さらには短期入所生活介護（ショートステイ）の利用頻度が増えることも考えられます。ご自身の状態や、ご家族の状況に合わせて、どのようなサービスが、どれくらいの頻度で利用できるのかを知っておくことは、安心した在宅生活を送る上で非常に重要です。

サービス利用のイメージ（例）

要介護 1:

週に数回の訪問介護（生活援助中心）
週1～2回のデイサービス

要介護 2:
1. 週に数回の訪問介護（身体介護中心）
2. 週2～3回のデイサービス、あるいはデイケア
3. 必要に応じて、短期入所生活介護（ショートステイ）の利用

要介護 1 と 2 の違いを理解することは、介護保険サービスを最大限に活用し、ご本人やご家族がより快適で安心した生活を送るための第一歩です。ご自身の状況に合わせて、迷ったら専門家（地域包括支援センターやケアマネージャー）に相談してみることをお勧めします。