JANコードとバーコードの違い:身近な識別技術を徹底解説!

「JANコード」と「バーコード」、この二つ、普段何気なく目にしているけれど、実際にはどう違うの? と思っている方もいるかもしれませんね。実は、この二つは密接に関連しているのですが、厳密には異なる概念なんです。今回は、このJANコードとバーコードの違いについて、わかりやすく解説していきます。

バーコードの基本とJANコードの位置づけ

まず、バーコードという言葉は、一般的に「黒い線と白い線の組み合わせで情報を表現する技術」全般を指します。このバーコードには色々な種類があり、それぞれ表現できる情報量や用途が異なります。例えば、商品のパッケージでよく見かけるあの黒い線も、実はバーコードの一種なんです。

そして、JANコード(Japan Article Number)は、このバーコードの一種であり、特に「流通業界で使われる標準的な商品コード」として国際的に通用する規格です。つまり、 バーコードという大きな枠組みの中に、JANコードという具体的な「商品識別番号」が含まれている 、という関係性になります。

具体的に、JANコードは以下のような特徴を持っています。

  • 国コード
  • 企業コード
  • 商品コード
  • チェックデジット(誤りを検出するための数字)

これらの要素が組み合わさって、世界に一つだけの商品を識別する番号が作られています。この番号が、バーコードの形式で印刷されているのです。

バーコードの種類とその多様性

バーコードは、その形状や情報密度によって様々な種類に分けられます。代表的なものをいくつか見てみましょう。

バーコードの種類 特徴 主な用途
一次元バーコード 黒い線と空白の幅で情報を表現。単純なデータ表示に向いています。 商品のJANコード、図書館の蔵書管理など
二次元バーコード 縦横のパターンで情報を表現。一度に多くの情報を格納できます。 QRコード、DataMatrixなど。ウェブサイトへの誘導、連絡先交換など

このように、バーコードと一言で言っても、その技術は多岐にわたります。

一次元バーコードの中でも、さらに細かく分類されます。

  1. CODE39 : 英数字と一部記号が利用可能。製造業などで使われます。
  2. CODE128 : より多くの文字種を表現でき、情報密度が高い。物流分野で広く利用されます。
  3. NW-7(Codabar) : 数字と一部記号。図書館や血液バンクなどで使われることがあります。

JANコードがバーコードとして表現される仕組み

では、JANコードは具体的にどのようなバーコードの形で表現されるのでしょうか。一般的に、私たちが目にするJANコードは、「EAN-13」という形式の一次元バーコードであることがほとんどです。

EAN-13は、13桁の数字(チェックデジットを含めると13桁)を、黒い線と白い線の太さや配置で表現します。これらの線と空白のパターンが、スキャナーによって読み取られ、数値データに変換されるのです。

この「EAN-13」というバーコードの規格自体が、JANコードという「商品識別番号」を表現するために国際的に標準化されたものです。

JANコードの構成要素と役割

JANコードは、単なる記号の羅列ではありません。それぞれの数字に明確な意味があります。その構成要素と役割を見ていきましょう。

  • 国コード : どの国で発行されたコードかを示します。日本は45や49で始まります。
  • 企業コード : 商品を製造・販売する企業を識別します。
  • 商品コード : その企業が製造・販売する特定の商品を識別します。
  • チェックデジット : 入力ミスなどを検出するための数字で、コードの正確性を保証する役割を担います。

この「チェックデジット」の計算方法には、特定のアルゴリズムが用いられています。これにより、万が一バーコードが一部破損したり、読み取りエラーが発生したりした場合でも、その異常を検知しやすくなっています。

バーコードスキャナーの役割

バーコードを読み取るために欠かせないのが、バーコードスキャナーです。スキャナーは、バーコードの黒い線と白い線の反射率の違いを感知し、それをデジタルデータに変換する役割を担っています。

一次元バーコードスキャナーは、レーザー光線やLEDライトをバーコードに照射し、反射光のパターンを読み取ります。二次元バーコードスキャナーは、カメラでパターンを画像として捉え、解析してデータを抽出します。

スキャナーの種類によって、読み取れるバーコードの種類や速度、精度も異なります。近年では、スマートフォンに搭載されているカメラ機能も、高性能なバーコードスキャナーとして活躍しています。

JANコードとバーコードの「違い」を整理する

さて、ここまで見てきたことを踏まえて、JANコードとバーコードの「違い」を改めて整理してみましょう。

JANコード バーコード
意味合い 「商品識別番号」の規格名 情報を線と空白で表現する「技術」の総称
関係性 バーコードの一種(主にEAN-13)として表現される JANコードを含む、様々な情報を表現できる
目的 商品の国際的な一意識別 データの記録・伝達

このように、JANコードは「何を識別するか」という「情報」に焦点を当てた規格であり、バーコードはその「情報」を「どのように表現するか」という「手段」を指す言葉です。

まとめ:身近な技術の理解を深めよう

JANコードとバーコードの違い、お分かりいただけましたでしょうか? どちらも私たちの生活を便利に、そして効率的にしてくれる素晴らしい技術です。お店で商品を選ぶとき、レジでピッとやってもらうとき、ぜひこの二つの違いを思い出してみてください。身近な技術への理解が深まると、さらに面白く感じられるはずです。

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