インターネットの世界では、たくさんのデータがやり取りされています。そのデータのやり取りのルールには、大きく分けて「TCP」と「UDP」という2つの方法があります。「tcp と udp の 違い」を理解することは、私たちが普段使っているインターネットがどうやって動いているのかを知る上で、とても大切なんです。
信頼性重視か、スピード重視か？tcp と udp の 違いの核心
「tcp と udp の 違い」を理解する上で、まず一番大事なのは「信頼性」と「スピード」のどちらを重視するか、という点です。TCPは、送ったデータが相手にちゃんと届いたかを確認しながら、順番通りに届けることを重視します。まるで、友達に大事な手紙を送るときに、ちゃんと届いたか確認したり、順番を間違えないように送ったりするようなイメージです。だから、メールやウェブサイトの閲覧など、データの欠落や順番の間違いが許されない場面で活躍します。 この、データの確実性を保証することが、TCPの最も重要な役割と言えるでしょう。
- TCPの特徴：
- ・データの到着確認をする
- ・データの順番を保証する
- ・通信速度はUDPより遅め
一方、UDPは、とにかく速くデータを送ることを最優先にします。届いたかどうかを確認したり、順番を気にしたりしないので、TCPに比べて通信速度が速くなります。例えるなら、友達に「今から遊ぼう！」って勢いよく電話をかけるような感じです。電話が途中で切れたり、声が少し聞こえにくかったりしても、とにかく「今すぐ伝えたい！」という気持ちが優先されるイメージです。だから、オンラインゲームや動画配信のように、多少データが欠けても、リアルタイムでのやり取りが重要な場面で使われます。
| TCP | UDP | |
|---|---|---|
| 信頼性 | 高い | 低い |
| スピード | 遅い | 速い |
このように、「tcp と udp の 違い」は、それぞれ得意なことが違うのです。どちらが良いとか悪いとかではなく、目的に合わせて使い分けられているんですね。
通信の「約束事」、TCPは丁寧な確認作業
TCPでは、通信を始める前に「3ウェイハンドシェイク」と呼ばれる3つのやり取りを行って、お互いの準備ができたかを確認します。これは、電話をかけるときに「もしもし？」と相手の声を確認してから話し始めるのと同じようなものです。この丁寧な確認作業があるおかげで、データは確実にお互いに届くようになっています。
- 相手に「通信したいんだけど、いい？」と信号を送る。
- 相手から「OK、準備できたよ！」という返事が来る。
- 「ありがとう、じゃあ始めるね！」と最後の確認をする。
そして、データを送るときも、相手が「データを受け取りました」という確認信号を返してくるのを待っています。もし、確認信号が来なかったら、もう一度データを送り直します。この「待つ」という動作が、TCPの信頼性を高めているのです。
また、TCPは、送ったデータがバラバラにならないように、番号を振って順番を管理しています。もしデータが順番通りに届かなくても、受け取った側で並べ替えて、正しい順番にしてくれます。だから、ウェブサイトの画像が崩れたり、文章がおかしくなったりすることが少ないんですね。
通信の「スピード勝負」、UDPはひたすら送り出す
UDPは、TCPのような丁寧な確認作業は一切しません。通信を始める前に特別な約束事もなく、いきなりデータを送り出します。まさに「とにかく送ってしまおう！」という勢いです。このため、通信を始めるまでの時間が短く、データも速く送ることができます。
UDPでデータを送るときは、データが相手に届いたかどうかの確認はしませんし、データが途中で失われても、もう一度送り直すこともありません。届かなかったデータは、そのまま「さようなら」となってしまいます。これは、スポーツ中継をリアルタイムで見ているときに、一瞬映像が止まったり、音声が途切れたりすることがあるのに似ています。多少の乱れはあっても、全体の流れは掴める、という考え方です。
- UDPが適している場面：
- ・オンラインゲーム（キャラクターの動きなど、リアルタイム性が大事）
- ・IP電話やビデオ会議（多少の音途切れは許容できる）
- ・DNS（ドメイン名からIPアドレスを調べる、速さが大事）
UDPでは、データが届く順番も保証されません。送った順番と違う順番で届くこともあります。しかし、受信側では、届いたデータをそのまま利用することが多いので、アプリケーション側で順番を並べ替えるなどの工夫が必要になる場合もあります。
それぞれの「得意分野」、どんな時にどっちが使われる？
TCPは、データの信頼性が何よりも大切な場面で使われます。例えば、インターネットで買い物をするとき、クレジットカードの情報などが正しく相手に届かなければ大変なことになりますよね。このような、データの正確さが絶対に求められる場面では、TCPが活躍します。
UDPは、スピードが重要で、多少のデータ欠落が許される場面で使われます。例えば、オンラインゲームで、キャラクターの動きが遅れると、ゲームになりません。UDPの速さを利用して、スムーズなゲーム体験を提供しているのです。
「パケット」って何？データの入れ物について
インターネットでやり取りされるデータは、そのままの大きさで送られるのではなく、「パケット」と呼ばれる小さな単位に分割されます。TCPもUDPも、このパケットを使ってデータを送受信しています。パケットは、データ本体だけでなく、宛先や送信元などの情報も含まれています。
TCPでは、これらのパケットに「シーケンス番号」という番号をつけて、順番通りに相手に届くように管理します。UDPでは、そのような番号はつけられず、パケットはそのまま送られます。
「エラーチェック」、どっちがしっかりしてる？
TCPは、送ったパケットにエラーがないか、受け取った側でチェックします。もしエラーが見つかったら、そのパケットを再送するように要求します。これにより、データの破損を防ぎ、信頼性を確保しています。
UDPには、このようなエラーチェックの機能はほとんどありません。パケットが破損していても、そのまま受信側に渡されてしまいます。そのため、アプリケーション側でエラーチェックを行う必要がある場合もあります。
「再送処理」、失敗したらどうなる？
TCPは、データが相手に届かなかったり、破損していたりした場合に、自動的に再送する仕組みを持っています。これは、友達に送った手紙が届かなかったら、もう一度書き直して送るようなものです。この再送機能のおかげで、データが失われるリスクが低くなります。
UDPには、この再送処理の機能がありません。データが失われても、それを検知して再送することはありません。そのため、UDPを使うアプリケーションでは、必要に応じて独自の再送メカニズムを実装する必要があります。
「コネクション」、つながりを保つか、つなぎっぱなしにしないか
TCPは、「コネクション型」の通信方式です。これは、通信を始める前に、お互いに接続を確認し、通信が終わるまでその接続を維持することを意味します。電話のように、一度つながったら、会話が終わるまでつながっているイメージです。
UDPは、「コネクションレス型」の通信方式です。これは、通信を始める前に特別な接続確認を行わず、データを送りっぱなしにします。電話の留守番電話にメッセージを入れるように、相手がつながっているかどうかにかかわらず、メッセージを送信するイメージです。
まとめ：tcp と udp の 違いは、目的に合わせて選ぶ
「tcp と udp の 違い」は、それぞれにメリットとデメリットがあります。TCPは信頼性が高く、UDPはスピードが速いという特徴があります。どちらが良いかは、その通信がどのような目的で行われるかによって決まります。私たちが普段何気なく使っているインターネットの裏側では、このように様々な技術が組み合わさって、快適な通信が実現されているのです。