知っておきたい「生乳 と 牛乳 の 違い」を徹底解説!

「生乳」と「牛乳」、普段何気なく口にしているこれら二つには、実は明確な違いがあります。 生乳 と 牛乳 の 違い を理解することは、私たちが普段飲んでいる牛乳がどのように作られ、私たちの食卓に届くのかを知る上でとても大切です。この記事では、この二つの言葉の違いを分かりやすく、そして楽しく解説していきます。

「生乳」ってそもそも何?~牧場からそのままの恵み~

「生乳」とは、牛から搾られたばかりの、熱処理などの加工が一切されていない、まさに「そのままの牛乳」のことです。牧場では、衛生管理が徹底された環境で牛が健康に育てられ、その乳が搾られます。この搾られたばかりの液体が「生乳」なのです。

生乳には、牛乳の栄養成分はもちろん、風味がそのまま残っています。これは、 牛乳本来の味わいを最も感じられる状態 と言えるでしょう。まるで、採れたての果物をそのまま食べるような感覚に近いかもしれません。

生乳は、そのまま飲むことはほとんどありません。なぜなら、

  • 賞味期限が非常に短い
  • 衛生面でのさらなる安全確保が必要

といった理由からです。そのため、私たちが普段「牛乳」として飲んでいるものは、この生乳を加熱殺菌などの処理を施したものです。

「牛乳」とは?~生乳を安全に、美味しく~

「牛乳」とは、先ほど説明した「生乳」を、私たちの口に安全に届けるために、いくつかの工程を経て作られたものです。具体的には、生乳に熱処理(殺菌)を施し、品質を安定させ、日持ちするように加工されたものを指します。

この殺菌処理は、牛乳の風味を損なわずに、病原菌などを死滅させるための大切な工程です。殺菌方法にはいくつか種類があり、それぞれで風味が少しずつ変わってくるのも面白い点です。

私たちがスーパーなどで購入できる「牛乳」の多くは、以下のいずれかの方法で殺菌されています。

  1. 超高温瞬間殺菌(UHT法):120~150℃で1~3秒
  2. 高温短時間殺菌(HTST法):72℃以上で15秒以上
  3. 低温殺菌(LTLT法):63~66℃で30分以上

これらの殺菌方法によって、賞味期限や風味が調整されています。

生乳と牛乳の成分:ほとんど変わらない?

「生乳」と「牛乳」の成分は、基本的に大きくは変わりません。どちらも牛の乳からできており、タンパク質、脂質、炭水化物(乳糖)、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。

ただし、加工の過程でごくわずかな変化は起こり得ます。例えば、殺菌方法によっては、一部のビタミンが若干減少する可能性も指摘されています。しかし、私たちの日常的な摂取量において、その差が健康に影響を与えるほどではないと考えられています。

成分の比較表を見てみましょう。

成分 生乳(代表値) 牛乳(代表値)
エネルギー(kcal) 67 67
タンパク質(g) 3.3 3.3
脂質(g) 3.9 3.9
炭水化物(g) 4.8 4.8
カルシウム(mg) 110 110

このように、主要な栄養素においては、生乳と牛乳でほとんど差がないことがわかります。

「成分無調整牛乳」って何が違うの?

「成分無調整牛乳」という表示を見たことがあるかもしれません。これは、 生乳をそのまま濃縮したり、成分を調整したりせず 、殺菌してパック詰めされた牛乳のことです。つまり、生乳本来の成分比率がそのまま保たれている牛乳ということになります。

成分調整牛乳や加工乳と区別するために、この「成分無調整」という言葉が使われています。私たちが普段「牛乳」と呼んでいるものの多くは、この成分無調整牛乳に該当することが多いです。

成分無調整牛乳の特徴としては、

  • 生乳本来の風味が楽しめる
  • 栄養バランスが整っている

などが挙げられます。当然、品質保持のために殺菌は行われています。

「成分調整牛乳」とは?~飲みやすさを追求~

一方、「成分調整牛乳」は、生乳の成分を調整した牛乳のことです。具体的には、

  • 脂肪分を減らしたもの
  • タンパク質を減らしたもの

などがあります。例えば、低脂肪牛乳などがこれに当たります。

「なぜ成分を調整するのか?」というと、

  1. 健康上の理由(カロリーを抑えたい、脂肪を控えたいなど)
  2. より飲みやすい風味にするため

といった目的があります。それぞれのニーズに合わせて選ぶことができます。

「加工乳」との違いは?

「加工乳」は、生乳に加えて、クリームや脱脂粉乳、バターなどを加えたり、成分を一部除去したりして、 栄養成分の量や質を調整したもの です。また、乳製品(ヨーグルトやチーズなど)を原料として作られることもあります。

加工乳は、

  • 風味を豊かにする
  • 特定の栄養成分を強化する
  • 特定の目的(栄養補給など)に特化させる

といった目的で作られることが多いです。例えば、カルシウム強化乳や鉄分強化乳などが加工乳に該当します。

加工乳は、

  1. 生乳の割合が一定以上であること
  2. 乳固形分が一定以上であること

といった法律で定められた基準を満たす必要があります。

「乳飲料」という言葉も

「乳飲料」という言葉も耳にすることがあるでしょう。これは、乳成分に加えて、果汁やココア、コーヒーなどを加えた飲み物のことです。つまり、 乳成分が主原料ではあるものの、それ以外のものが多く含まれている ものを指します。

乳飲料の例としては、

  • フルーツ牛乳
  • カフェオレ
  • チョコレートドリンク

などが挙げられます。これらは、牛乳の風味に加えて、他の風味も楽しみたい時に選ばれることが多いです。

乳飲料は、

  1. 乳固形分が一定量以上であること
  2. 乳成分以外のものが一定量以上含まれていること

といった特徴があります。

まとめ:生乳と牛乳、その違いを理解して美味しく飲もう!

ここまで、「生乳」と「牛乳」の違い、そして関連する「成分調整牛乳」「加工乳」「乳飲料」について解説してきました。簡単にまとめると、生乳は牛から搾られたそのままの状態、牛乳はそれを安全に飲めるように加工したもの、ということです。それぞれの種類によって、風味や栄養成分、飲用目的も様々であることがわかります。

この違いを理解することで、皆さんはこれから牛乳を選ぶ際に、より自分に合ったものを見つけやすくなるはずです。ぜひ、今回の知識を活かして、毎日の食生活に美味しい牛乳を取り入れてくださいね!

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