アザラシ と アシカ の 違い ~知って得する豆知識~

「アザラシ」と「アシカ」、どちらも海に住む愛らしい姿で私たちを魅了しますが、実は見た目や生態にいくつかの違いがあります。今回は、そんなアザラシとアシカの違いを分かりやすく解説していきます。

外見から見るアザラシとアシカの違い

アザラシとアシカの最も分かりやすい違いは、耳と後ろ足の使い方の違いです。アザラシには外耳(耳たぶ)がなく、小さな穴が耳の場所にあたるだけです。一方、アシカにはきちんと発達した耳たぶがあります。この耳たぶの有無が、外見上の大きな判別ポイントとなります。また、後ろ足にも注目です。アザラシは後ろ足を体の下に折りたたむことができず、地面を這うように移動します。しかし、アシカは後ろ足を体の下に入れ込んで、陸上を歩くように移動することができるのです。 この移動方法の違いは、彼らが水中での生活と陸上での生活をどれだけ巧みに使い分けているかを示しています。

それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。

  • アザラシ :外耳がない、後ろ足は体に沿って伸びてしまう
  • アシカ :外耳がある、後ろ足を体の下に折りたたんで歩ける

さらに、体つきにも違いが見られます。一般的に、アザラシは丸みを帯びたずんぐりとした体型をしていることが多いです。首も比較的短く、顔が体に埋まっているように見えることもあります。対照的に、アシカはアザラシに比べて首が長く、スマートな体型をしています。顔つきも、アシカの方がより犬や猫に近い、愛嬌のある顔をしているように見えるかもしれません。

泳ぎ方にも違いがある?

アザラシとアシカは、どちらも海に住む哺乳類ですが、その泳ぎ方にも違いがあります。アザラシは、主に後ろ足と尾びれを使って水中を推進します。前足は方向転換やバランスをとるために使われることが多いです。そのため、水中では体をくねらせるような、流れるような泳ぎ方をするのが特徴です。

一方、アシカは前足(ひれ足)を上手に使って泳ぎます。大きな前足をオールのように使い、力強く水を掻くことで、素早く水中を移動します。後ろ足は主に方向転換に利用されます。この泳ぎ方のおかげで、アシカはアザラシよりも機敏に泳ぎ、水中での獲物捕りも得意としています。

水中の移動速度や機敏さという点では、アシカの方が優れていると言えるでしょう。

鳴き声はどう違う?

アザラシとアシカは、コミュニケーションのために様々な鳴き声を出します。アザラシの鳴き声は、一般的に「アオーン」「グォー」といった低い声や、ブーブーといった鼻を鳴らすような音が特徴的です。群れで生活しているアザラシは、互いに呼び合ったり、危険を知らせたりするために、これらの鳴き声を使います。

アシカの鳴き声は、アザラシに比べてより多様で、甲高い声や唸り声、吠えるような声など、様々な音を発します。これは、アシカがより複雑な社会構造を持っているためと考えられます。例えば、オスは縄張り争いの際に大きな声で吠えたり、メスや子供を呼ぶ際には優しい声を出したりします。

種類 鳴き声の例
アザラシ アオーン、グォー、鼻鳴らし
アシカ 甲高い声、唸り声、吠え声

餌は何を食べてるの?

アザラシとアシカの食性は、どちらも魚やイカなどの海産物を主食としていますが、獲物の種類や捕り方には違いが見られます。アザラシは、比較的浅い海で小魚や甲殻類などを中心に食べることが多いです。彼らは水中を漂いながら、効率よく餌を見つけ出して捕食します。

アシカは、アザラシよりもさらに沖合に出て、より大きな魚やイカを狙うことがあります。俊敏な泳ぎを活かして、素早く獲物に近づき、捕らえるのが得意です。また、アシカの中には、鳥の卵や雛を食べる種類もいることが知られています。

生息環境は?

アザラシとアシカは、どちらも冷たい海を好む動物ですが、生息する場所には若干の違いがあります。アザラシは、北極や南極といった極寒の海から、温帯の海まで、比較的広い範囲に分布しています。彼らは氷の上や海岸で休息をとることが多いです。

アシカは、アザラシよりも暖かい海に生息する種類が多い傾向があります。太平洋や大西洋の沿岸部を中心に、岩場や砂浜で群れを作って生活しています。彼らは、浅瀬で餌を探したり、日向ぼっこをしたりして過ごします。

繁殖行動の違い

アザラシとアシカは、繁殖の仕方も異なります。アザラシの多くは、氷の上や海岸に集まり、オスがメスを巡って争うハーレムを作ることもあります。メスは一度に1頭の子供を産み、母乳で育てます。

アシカは、繁殖期になると海岸の岩場などに集まり、オスが縄張りを主張してメスを独占しようとします。アザラシと同様に、メスは一度に1頭の子供を産み、約1年間母乳で育てます。アシカの子供は、生まれた時から活発で、すぐに泳ぎを覚えます。

繁殖場所やオスとメスの関わり方など、細かな点に違いが見られます。

まとめ

アザラシとアシカは、似ているようでいて、耳の形、後ろ足の使い方、泳ぎ方、鳴き声、餌、生息環境、繁殖行動など、様々な違いがあります。これらの違いを知ることで、海で出会ったときに、どちらの動物なのかを見分けることができるようになるでしょう。どちらも、私たち人間とは異なる魅力を持つ、大切な海の生き物です。

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