「職務（しょくむ）」と「業務（ぎょうむ）」、この二つの言葉、似ているようで実は意味が違います。でも、日常生活でどちらも「仕事」という意味で使われがちですよね。この記事では、この「職務 と 業務 の 違い」を、わかりやすく、そして楽しく解説していきます。仕事の基本をしっかり理解するために、一緒に学んでいきましょう！
職務 と 業務 の違い：基本のキ！
まず、一番大切な「職務 と 業務 の違い」から説明します。簡単に言うと、 職務は「あなたがその会社で、どんな立場で、どんな責任を負って、どんな目的を達成するためにいるのか」という、あなたの「役割」そのもの を指します。一方、業務は「その職務を果たすために、具体的に「何をするのか」という「作業」や「活動」のこと」を言います。
例えば、ある会社の「営業職」という職務があったとしましょう。この営業職という職務は、会社が定めた売上目標を達成すること、顧客との良好な関係を築くこと、といった、その職務に求められる大きな目的や責任を含んでいます。これは、その人が「営業担当者」として、会社の中でどのような位置づけにあるのか、ということを示しているのです。
一方で、営業職の業務としては、以下のようなものが考えられます。
- 新規顧客への電話営業
- 既存顧客への訪問・提案
- 見積書の作成
- 受注処理
- 売上データの分析
このように、職務はより広範で抽象的な「役割」を、業務はそれに紐づく具体的な「行動」を指す、という点が「職務 と 業務 の違い」の核心です。
職務 が示す「なぜ？」：あなたの存在意義
職務は、あなたがなぜその仕事をしているのか、という「存在意義」や「目的」を明確にします。これは、仕事をする上でのモチベーションにも繋がる大切な要素です。
例えば、職務が「顧客満足度向上」である場合、それに紐づく業務は様々考えられます。
- 顧客からの問い合わせに迅速かつ丁寧に対応する
- 顧客のニーズを的確に把握し、最適な提案を行う
- 商品やサービスの改善点について、関係部署へフィードバックする
このように、職務が一つ決まると、それに付随する業務の方向性が見えてきます。組織全体で見た時も、各職務が明確になっていることで、誰が何のために働いているのかがわかりやすくなります。
業務 が示す「どのように？」：日々のタスク
業務は、日々私たちが実際に行っている具体的な作業そのものです。目標達成のために、どのような手順で、どのような活動を行っていくのか、という「やり方」を示します。
職務を遂行するために、どのような業務が必要になるのかを考えることは、日々の仕事の進め方を効率化するために非常に役立ちます。
| 職務 | 想定される業務 |
|---|---|
| 情報発信・広報 |
|
| 経費精算・管理 |
|
業務は、時としてルーチンワークになることもありますが、それをこなすことで、より大きな職務の達成に貢献している、と考えることが大切です。
「職務記述書」で見る「職務」
「職務記述書（しょくむきじゅつしょ）」という言葉を聞いたことがありますか？これは、採用活動などでよく使われる書類で、その職務に求められる能力、経験、責任範囲、そして職務内容の概要などが書かれています。職務記述書を読むことで、その職務がどのような「役割」を担っているのかを具体的に理解することができます。
例えば、ある職務記述書には以下のような項目が含まれていることがあります。
- 職務名（例：システムエンジニア）
- 職務概要（例：ITシステムの研究開発、設計、構築、保守を行う）
- 主な職責（例：プロジェクトの進捗管理、チームメンバーの指導・育成）
- 必要なスキル・資格（例：Java、Pythonのプログラミングスキル、プロジェクトマネジメント経験）
このように、職務記述書は、職務の全体像を把握するための強力なツールとなります。
「日報」で見る「業務」
一方、「日報（にっぽう）」は、日々の業務内容を記録するための書類です。今日何をしたのか、どのような成果があったのか、そして明日何をする予定なのか、といった具体的な行動が記載されます。日報は、まさに「業務」を記録するものです。
日報を作成する目的はいくつかあります。
- 自身の業務の進捗状況を把握する
- 上司やチームメンバーに進捗状況を共有する
- 問題点や改善点を見つける
- 後で見返した際に、どのような業務を行ったのかを振り返る
日報に具体的に書く内容としては、以下のようなものが挙げられます。
| 項目 | 内容例 |
|---|---|
| 今日やったこと | 顧客A社へ訪問し、新製品について提案。提案資料を作成。 |
| 成果 | 顧客A社から好意的な反応を得られた。次回の打ち合わせ日程を調整中。 |
| 明日やること | 提案資料の修正。顧客B社へ電話でアポイントメントを取る。 |
日報をしっかり書くことで、自分の業務が、どのような職務に繋がっているのかを意識しやすくなります。
「職務」と「業務」の関係性
「職務」と「業務」は、独立しているのではなく、密接に関係しています。職務は、業務を遂行するための「指針」となり、業務は、職務を「達成するため」の具体的な手段です。
例えば、「品質管理」という職務があったとしましょう。この職務を果たすために、以下のような業務が考えられます。
- 製品の検査
- 不良品の分析
- 製造工程のモニタリング
- 品質改善策の立案・実行
つまり、業務は職務を細分化したものであり、職務は業務の集合体であるとも言えます。
キャリアパスと「職務」
キャリアパスを考える上で、「職務」の理解は非常に重要です。自分の現在の職務を理解し、将来どのような職務に就きたいのかを考えることで、具体的なキャリアプランを描くことができます。
例えば、ある人が「一般事務」という職務に就いているとします。将来、「人事」の分野で活躍したいと考えた場合、人事関連の職務に就くためには、どのようなスキルや経験が必要になるのか、そしてそれを身につけるためには、どのような業務を経験すべきなのか、といったことを計画することができます。
キャリアパスの例：
- 一般事務（職務）：日々の書類作成、データ入力などの業務
- 人事アシスタント（職務）：採用活動のサポート、研修の準備などの業務
- 人事担当（職務）：採用計画の立案、社員教育の実施などの業務
このように、職務はキャリアを積み上げていく上での「到達点」や「目標」を示すものです。
「職務」と「業務」の混同が招く問題
もし、「職務」と「業務」が混同してしまうと、仕事をする上で様々な問題が生じることがあります。例えば、自分の職務（役割）を理解せずに、ただ目の前の業務をこなしているだけでは、仕事の目的が見失われ、モチベーションが低下してしまう可能性があります。
また、組織全体で見ても、各職務が不明確だと、以下のような問題が起こりやすくなります。
- 責任の所在が曖昧になる
- 業務の重複や抜け漏れが発生する
- 人員配置が非効率になる
「職務」と「業務」の違いを明確に理解することは、個人にとっても組織にとっても、円滑な業務遂行と成長のために不可欠なのです。
まとめ：職務と業務の理解で、仕事がもっと面白くなる！
「職務」と「業務」の違い、いかがでしたでしょうか？職務はあなたの「役割」や「目的」を、業務はそれを果たすための「具体的な行動」を指します。この二つをしっかり理解することで、日々の仕事の意味をより深く理解でき、モチベーションアップやキャリア形成にも繋がります。ぜひ、ご自身の仕事における職務と業務を意識してみてください。きっと、仕事がもっと面白くなるはずですよ！