英語で「〜してくれる?」と相手に何かをお願いしたり、相手の意向を尋ねたりする場面でよく登場する "will you" と "can you"。これらの表現は、似ているようで実は will you と can you の違い を理解することが、より自然で丁寧な英語を話す上でとても大切なんです。今回は、この二つの使い分けを分かりやすく解説していきます。
「依頼」と「能力・許可」の核心的な違い
"Will you" は、相手に何かを「してほしい」という依頼の気持ちが強く表れます。相手がその行動を「する意思があるかどうか」を尋ねているニュアンスが強いですね。例えば、「窓を開けてくれますか?」とお願いする時、相手にその行動をする意欲があるかを問うていることになります。
一方、"Can you" は、相手にその行動を「できるかどうか」という能力や、その行動を「しても良いかどうか」という許可を尋ねる際に使われます。依頼の意味でも使われますが、"will you" ほど積極的な意思確認ではなく、純粋に「可能かどうか」に焦点が当たっています。
この「意思」と「能力・許可」の違いを把握することが、will you と can you の違いを理解する鍵となります。
- Will you: 相手の意思・意向を尋ねる依頼
- Can you: 相手の能力・許可を尋ねる依頼、または可能かどうか
"Will you" で丁寧にお願いする
"Will you" を使った依頼は、相手に「〜してくれますか?」という、より丁寧で直接的なお願いになります。相手の善意に訴えかけるようなニュアンスが含まれています。
例えば、以下のような場面で使われます。
- Please close the door. (ドアを閉めてください。) よりも、"Will you close the door, please?" の方が、相手に「閉めてくれる?」と直接的に意思を尋ねている感じがします。
- Would you mind opening the window? (窓を開けてくださいますか?) と比較すると、"Will you open the window?" は少しカジュアルになりますが、それでも十分丁寧な依頼です。
テーブルで、"Will you" の依頼のニュアンスをまとめてみましょう。
| 表現 | 主なニュアンス | 例文 |
|---|---|---|
| Will you ~? | 相手の意思を尋ねる丁寧な依頼 | Will you help me with this? (これを手伝ってくれますか?) |
"Can you" で可能かどうかを尋ねる
"Can you" は、文字通り「〜できますか?」と相手の能力を尋ねるのが基本です。しかし、依頼の文脈でも頻繁に使われ、その場合は「〜してもらえますか?」という意味合いになります。
"Can you" を使った依頼は、"Will you" よりも少し控えめな印象を与えることがあります。相手がその依頼を実行できるかどうか、という可能性に重きを置いているからです。
例文で見てみましょう。
- "Can you pass me the salt?" (塩を取ってくれますか?) - これは、相手が塩に手が届き、それを取る能力があるかどうかを前提とした依頼です。
- "Can you speak English?" (英語を話せますか?) - これは純粋な能力の質問です。
"Will you" と "Can you" の使い分け:具体的なシーン
では、実際の会話でどのように使い分けるのか、いくつかのシーンを見ていきましょう。
シーン1:友人に宿題を手伝ってほしい時
- "Will you help me with my homework?" - 友人に「私の宿題を手伝ってくれる?」と、相手の意思を直接尋ねています。
- "Can you help me with my homework?" - こちらも依頼ですが、「手伝うことはできる?」というニュアンスが少し強まります。どちらも自然に使えますが、親しい間柄ならどちらでもOKです。
シーン2:お店で店員さんにお願いする時
- "Will you check this for me?" (これを私に確認してくれますか?) - 店員さんに「確認してくれる?」と、意思を尋ねる丁寧な依頼です。
- "Can you tell me where the nearest station is?" (一番近い駅はどこか教えてくれますか?) - 店員さんの知識や能力(知っているかどうか)を前提にした依頼です。
シーン3:目上の人にお願いする時
目上の方にお願いする際は、"Would you" や "Could you" を使うのが最も丁寧ですが、"Will you" や "Can you" も、状況や関係性によっては使われます。
- "Will you review this report by tomorrow?" (このレポートを明日までに確認していただけますか?) - 相手の意思を尊重しつつ、依頼しています。
- "Can you send me the document?" (その書類を送っていただけますか?) - 「送ることは可能ですか?」というニュアンスになります。
"Can you" は許可を求める場合にも!
"Can you" のもう一つの重要な使い方として、相手に「〜しても良いですか?」という許可を求める場面があります。これは、相手がその行動を妨げる権利を持っている場合に使われます。
例えば、
- "Can I borrow your pen?" (あなたのペンを借りてもいいですか?) - ここで "Can I" を使っているのは、相手のペンを借りる「許可」を得たいからです。
- "Can I sit here?" (ここに座ってもいいですか?) - 誰かが座っている席など、許可が必要な場合に質問します。
この「許可」のニュアンスは、"Can you" が単なる能力の質問にとどまらないことを示しています。
"Will you" のもう一つの顔:未来の意思
"Will you" は依頼だけでなく、相手の未来の意思や意向を尋ねる際にも使われます。これは、単なる「〜してくれますか?」という一時的な依頼を超えて、将来的な行動や決断について尋ねる場合です。
例えば、
- "Will you come to the party on Saturday?" (土曜日のパーティーに来ますか?) - これは、相手がパーティーに来る「意思があるかどうか」を尋ねています。
- "Will you marry me?" (結婚してください。) - これは、相手の人生における最も重大な意思確認ですね!
このように、"Will you" は相手の未来に対する意思決定に深く関わる表現です。
まとめ:will you と can you の違い、これでバッチリ!
ここまで "will you" と "can you" の違いについて詳しく見てきました。基本的な違いは「意思」を尋ねるか「能力・許可」を尋ねるか、でしたが、それぞれの表現にはさらに深いニュアンスがあることが分かりましたね。これらの違いを理解して、自信を持って英語でコミュニケーションを取りましょう!