麻しん と 風疹 の 違い、知って安心!~感染症の基本~

麻しん(はしか)と風疹(ふうしん)は、どちらもウイルスによって引き起こされる感染症ですが、その原因となるウイルス、症状、そして予防法には違いがあります。麻しん と 風疹 の 違いを正しく理解することは、自分自身や周りの人を守るためにとても大切です。

症状や潜伏期間にみる麻しん と 風疹 の 違い

麻しんも風疹も、感染すると発熱や発疹が出ることが似ているため、区別が難しいことがあります。しかし、症状の現れ方や、ウイルスに感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)には違いがあります。

  • 麻しん :潜伏期間は10~12日程度で、高熱、咳、鼻水、結膜炎(目やにが出る、目が赤くなる)といった症状から始まり、その後、顔や首から全身へと広がる特徴的な発疹が出ます。合併症として肺炎や脳炎などを引き起こすこともあり、 非常に感染力が強く、重症化するリスクが高い病気です。
  • 風疹 :潜伏期間は14~21日程度で、比較的軽い発熱、首や耳の後ろのリンパ節の腫れ、そして顔や体に出る淡いピンク色の発疹が特徴です。麻しんほど重症化することは少ないですが、妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんに心臓の病気や難聴、白内障などの「先天性風疹症候群」を引き起こすことがあります。

感染経路と感染力:麻しん と 風疹 の 違い

麻しん と 風疹 の 違いは、感染経路と感染力にも見られます。どちらも咳やくしゃみによる飛沫感染で広がりますが、麻しんの感染力は風疹よりもはるかに強力です。

麻しんは、空気感染とも言われるほど感染力が強く、感染者が咳をしたりくしゃみをしたりした際に放出されるウイルスが、換気の悪い場所などで空気中を漂い、それを吸い込んだ人が感染します。そのため、一人の感染者から多くの人が感染する可能性があります。

感染症 主な感染経路 感染力
麻しん 飛沫感染、空気感染 非常に強い
風疹 飛沫感染 麻しんよりは弱い

治療法:麻しん と 風疹 の 違い

麻しん と 風疹 の 違いは、治療法にもあります。残念ながら、麻しんも風疹も、ウイルスそのものを直接退治する特効薬はありません。

そのため、治療は対症療法が中心となります。具体的には、発熱があれば解熱剤を使用したり、咳がひどい場合には咳止めを使ったりするなど、出ている症状を和らげるための治療を行います。

ただし、麻しんは合併症を引き起こすことがあるため、肺炎などを併発した場合は、その合併症に対する治療が必要になります。

予防接種:麻しん と 風疹 の 違いと共通点

麻しん と 風疹 の 違いを理解する上で、予防接種は非常に重要なポイントです。どちらの病気も、予防接種を受けることで効果的に予防できます。

日本では、麻しん単独のワクチンと風疹単独のワクチンがありますが、一般的には「麻しん・風疹混合ワクチン(MRワクチン)」が推奨されています。このMRワクチンは、麻しんと風疹の両方のウイルスに効果があるため、一度の接種で両方の病気を予防できるというメリットがあります。

  1. 1歳のお誕生日から
  2. 小学校入学前の1年間

の2回接種が標準的なスケジュールです。ただし、年齢や過去の接種歴によって接種時期が異なる場合があるので、お住まいの地域の保健所や医療機関に確認することをおすすめします。

合併症:麻しん と 風疹 の 違い

麻しん と 風疹 の 違いとして、合併症の重症度も挙げられます。

麻しんは、肺炎、中耳炎、脳炎などを合併することがあり、これらが重症化すると命に関わることもあります。特に、免疫力が低下している人や、幼い子供が感染すると重症化しやすい傾向があります。

一方、風疹の合併症は麻しんに比べて少ないですが、血小板減少性紫斑病や脳炎などが起こることも稀にあります。しかし、風疹の最大の注意点は、前述した先天性風疹症候群です。妊婦さんが風疹にかかることで、お腹の赤ちゃんに重い障害が残ってしまう可能性があるため、特に妊娠を希望する女性やそのパートナーは、風疹の予防が非常に重要です。

麻しん と 風疹 の 違いを理解し、正しい知識を持つことで、これらの感染症から自分自身と大切な人を守ることができます。予防接種は、これらの病気にかからないための最も確実で効果的な方法です。もし、どちらかの病気にかかったかもしれないと疑われる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

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