経理 と 会計 の 違い を スッキリ理解!プロが解説する基本のキ

「経理」と「会計」、よく聞く言葉だけど、実ははっきりとした違いを知らない人も多いのではないでしょうか? 今回は、この「経理 と 会計 の 違い」を、まるで身近な例を話すように、分かりやすく解説していきますね!

「記録」と「分析」で見る 経理 と 会計 の 違い

そもそも、経理と会計は、どちらも会社のお金の動きに関わる大切な仕事です。ですが、その役割や目的には明確な違いがあります。簡単に言うと、経理は「お金の記録係」、会計は「お金の分析係」と考えると分かりやすいかもしれません。 この違いを理解することは、会社のお金の流れを把握する上で非常に重要です。

経理の主な仕事は、日々の取引を正確に記録することです。例えば、

  • 商品の仕入れや販売の記録
  • 従業員への給料の支払い記録
  • 経費の支払い記録

といった、お金の出入りを漏れなく、そして間違いなく記録していきます。これは、まるで日記をつけるように、毎日コツコツと行う作業です。

一方、会計は、経理が記録したこれらの情報を集計・分析し、会社の経営状態を把握したり、外部に報告したりする役割を担います。具体的には、

  1. 財務諸表(決算書)の作成
  2. 経営判断のためのデータ提供
  3. 税務申告のための準備

などがあります。会計の視点では、記録された数字が「会社にとってどのような意味を持つのか」を読み解くことが大切になります。

経理と会計は、このように役割分担はされていますが、お互いに密接に関係しています。経理が正確に記録してくれなければ、会計の分析も意味をなしませんし、会計の分析結果をフィードバックすることで、経理の記録方法を改善することもできます。

経理の具体的な仕事内容を見てみよう

経理の仕事は、会社のお金の流れを「見える化」することです。具体的には、以下のような業務を行います。

  • 伝票の作成・整理: 日々の取引を仕訳帳に記録するための伝票を作成したり、保管したりします。
  • 帳簿の記帳: 伝票をもとに、総勘定元帳などの会計帳簿に記帳します。
  • 請求書・領収書の管理: 請求書の発行や、受け取った領収書の整理・保管を行います。
  • 支払い・入金業務: 買掛金の支払い、売掛金の入金確認などを行います。
  • 給与計算: 従業員の給与明細作成や、源泉徴収税の計算・納付などを行います。

これらの日々のルーティンワークを正確に行うことが、経理の仕事の基本となります。

会計の目的と役割

会計は、単に数字を記録するだけでなく、その数字が持つ意味を理解し、活用することに重きを置きます。

  • 経営状況の把握:

    • 会社の儲けはどれくらいか?
    • 借金はどれくらいあるか?
    • 資産はどれくらいか? といったことを、決算書を通して明確にします。
  • 外部への情報提供:

    • 投資家や金融機関は、決算書を見て会社の信用度を判断します。
    • 税務署への申告も、会計のデータに基づいて行われます。
  • 将来の意思決定支援:

    • 過去の会計データは、今後の経営戦略を立てる上での貴重な材料となります。
決算書の種類と役割

会計の成果物として最も重要なのが、決算書です。代表的なものに、以下の3つがあります。

  • 損益計算書(P/L): 一定期間の会社の儲け(利益)や損失を示す書類です。
  • 貸借対照表(B/S): ある時点での会社の財政状態(資産、負債、純資産)を示す書類です。
  • キャッシュ・フロー計算書(C/S): 一定期間の現金の流れ(収入と支出)を示す書類です。

これらの書類は、会社の「成績表」や「健康診断書」のようなものです。

経理と会計の連携

経理と会計は、車の両輪のような関係です。

経理の役割 会計の役割
目的 日々の取引を正確に記録する 記録された情報から経営状態を分析・報告する
時間軸 過去の取引(日次、月次) 過去から現在、そして将来への示唆
視点 個々の取引の正確性 会社全体の財務状況と経営判断

経理が正確なデータを集めてくれるからこそ、会計は的確な分析が可能になるのです。

経理の「記録」が会計の「分析」の元になる

日々の経理業務で集められたデータが、会計の土台となります。もし経理の記録に間違いがあれば、会計の分析結果も誤ったものになってしまいます。

  • 経理の正確性 = 会計の信頼性

と言っても過言ではありません。

会計における「分析」の具体例

会計では、集計されたデータを様々な角度から分析します。

  1. 収益性の分析:

    • 売上高総利益率(粗利率)
    • 営業利益率 などを見て、どれだけ効率よく儲けているかを評価します。
  2. 安全性(財務健全性)の分析:

    • 自己資本比率
    • 流動比率 などを見て、借金に頼りすぎていないか、すぐに支払えるだけの現金があるかなどを確認します。
  3. 活動性(効率性)の分析:

    • 売上債権回転期間
    • 棚卸資産回転期間 などを見て、どれだけ効率的に資産を回転させているかを調べます。
経理と会計、どちらがより重要?

「どちらがより重要か?」と問われると、どちらも欠かせない、というのが答えです。 経理がなければ会計は成り立たず、会計がなければ経理の仕事が単なる記録で終わってしまいます。

  • 経理 : 会社の「健康状態」を日々正確に記録する
  • 会計 : その記録を元に「健康診断」を行い、改善策を提案する

というイメージです。

経営者にとっての経理と会計

経営者にとっては、経理と会計の両方が会社の意思決定に不可欠です。 経理からの日々の報告で現状を把握し、会計からの分析結果を元に、将来の戦略や投資判断を行います。

  1. 短期的な資金繰りの確認 (経理の役割)
  2. 長期的な経営戦略の策定 (会計の役割)

このように、経理と会計は、会社の成長を支える両輪なのです。

まとめ:経理と会計は一心同体!

経理は日々の取引を正確に「記録」する仕事、会計は、その記録を元に会社のお金の状況を「分析」し、報告する仕事です。どちらか一方だけでは、会社のお金はうまく管理できません。だからこそ、経理と会計は、お互いに協力し合い、一心同体となって会社の運営を支えているのです。この違いを理解することで、会社のお金に対する見方が、きっと深まるはずですよ!

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