郵便物を送る際に、「簡易書留」や「書留」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。どちらも大切な書類などを送る際に安心感がありますが、実はそれぞれに特徴や違いがあります。この記事では、 簡易書留と書留の違い を分かりやすく解説し、どんな時にどちらを選べば良いのかを皆さんと一緒に見ていきましょう。
一番の違いは「補償内容」と「料金」
簡易書留と書留の最も大きな違いは、万が一郵便物が紛失したり破損したりした場合の「補償内容」と、それに伴う「料金」です。どちらも配達の記録が残るため、追跡は可能ですが、補償の限度額が異なります。この補償額の違いが、料金にも反映されているのです。
具体的に見ていきましょう。
- 簡易書留 :1件あたり5万円までの実損額を補償
- 書留 :1件あたり300万円までの実損額を補償(ただし、現金の場合は10万円まで)
このように、簡易書留は比較的手軽な補償で、料金も抑えめなのに対し、書留はより高額な補償が受けられるため、料金も高くなります。 大切な財産や高価なものを送る場合は、書留を選ぶのが安心 と言えるでしょう。
それぞれの「特徴」を詳しく見てみよう!
簡易書留と書留の基本的な違いを理解したところで、それぞれの特徴をさらに掘り下げてみましょう。どのような状況でどちらが適しているのか、より具体的にイメージできるようになるはずです。
まずは簡易書留から。
- 手軽さ :料金が比較的安く、日常的に利用しやすいのが魅力です。
- 補償 :5万円までの補償が付いているため、一般的な書類や衣類など、あまり高価でないものを送るのに適しています。
- 配達方法 :配達員が手渡しで配達し、受け取った方のサイン(または押印)をもらいます。
次に書留について。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補償額 | 最大300万円(現金は10万円まで)と、簡易書留よりも格段に高額です。 |
| 送れるもの | 現金、有価証券、貴金属など、高価なものを安全に送りたい場合に最適です。 |
| 配達方法 | こちらも配達員が手渡しで配達し、受け取った方のサイン(または押印)をもらいます。 |
つまり、 簡易書留は「安心感」を、書留は「高額な補償」を重視する方に選ばれています 。
「料金」で比較!どちらがお得?
簡易書留と書留の料金体系は、基本の郵便料金に加えて、それぞれのサービスに応じた加算料金がかかります。どちらがお得かは、送りたいものの価値や、どれくらいの補償が必要かによって変わってきます。
一般的に、
- 基本料金 :送る郵便物の重さやサイズによって決まります。
- 簡易書留加算料金 :300円~400円程度(※時期によって変更される場合があります)
- 書留加算料金 :400円~500円程度(※補償額によってさらに加算される場合もあります)(※時期によって変更される場合があります)
このように、簡易書留の方が書留よりも加算料金は安くなります。 「とりあえず追跡と、ちょっとした補償があればいい」という場合は、簡易書留を選ぶのが経済的 でしょう。しかし、万が一の紛失・破損に備えて、より手厚い補償が必要な場合は、差額を払ってでも書留を選ぶ価値があります。 料金はあくまで目安であり、最新の情報は郵便局で確認するようにしましょう。
「送れるもの」に制限はある?
簡易書留と書留では、送れるものにも若干の違いがあります。特に、現金や貴重品を送る際には注意が必要です。
簡易書留では、
- 現金の送付は、上限が5万円までと定められています。
- 宝石や貴金属などの貴重品も、補償額の上限(5万円)を超えない範囲であれば送付可能です。
一方、書留では、
- 現金は10万円まで送ることができます。
- 有価証券(株券や債券など)、宝石、貴金属なども、補償額(最大300万円)の範囲内で送付が可能です。
「送りたいものが現金や高価なものだけど、いくらくらいの価値があるかな?」と悩んだら、迷わず書留を選んでおくのが賢明 です。
「配達」の仕組みは同じ?
簡易書留と書留の配達における基本的な仕組みは、ほとんど同じです。どちらも、郵便事業の記録が残る「引受」と「配達」の2段階で、輸送状況を管理しています。
具体的な流れは以下のようになります。
- 郵便局での引受 :郵便局の窓口で荷物を差し出すと、そこで「引受」の記録が残ります。
- 配達員による配達 :配達員が直接、宛先のご自宅やオフィスまでお届けします。
- 受取人のサイン(押印) :配達員から手渡しで受け取り、受取人はサインまたは印鑑で受け取ったことを証明します。
この「手渡し」と「サイン(押印)」によって、確実に相手に届いたことが確認できるため、 紛失のリスクを減らすことができます 。これは、簡易書留と書留に共通する大きなメリットと言えるでしょう。
「追跡」できる? 紛失・破損時の対応は?
簡易書留も書留も、どちらも「追跡」が可能です。郵便局のウェブサイトなどで、荷物が今どこにあるのかを確認することができます。これにより、配達状況を把握でき、安心感が増します。
では、万が一、紛失や破損が起こってしまった場合はどうなるのでしょうか。
- 紛失・破損時の対応 :どちらのサービスを利用していた場合でも、郵便局に連絡し、状況を説明することで、補償の手続きを進めることができます。
- 補償の範囲 :前述の通り、簡易書留は5万円まで、書留は300万円(現金は10万円)までが実損額として補償されます。
「もしも」の時のために、送る前に補償内容をしっかり確認しておくことが大切 です。特に高価なものを送る際には、書留の補償額を最大限に活用できるよう、必要であれば追加で補償を検討することも可能です(ただし、上限があります)。
まとめ:あなたの目的に合った方を選ぼう!
ここまで、簡易書留と書留の違いについて詳しく見てきました。どちらのサービスも、大切な郵便物を安全に届けるための強力な味方ですが、その補償内容や料金、送れるものに違いがあることがお分かりいただけたかと思います。
簡単にまとめると、
- 簡易書留 :日常的な利用に便利で、手軽な補償を求める場合に最適。
- 書留 :現金や高価なものを送る際に、より手厚い補償を求める場合に最適。
「何を」「どれくらいの価値のものを」送りたいのか 、そして 「どれくらいの安心感が欲しいのか」 を考えて、ご自身の目的に合った方を選んでみてください。迷ったときは、郵便局の窓口で相談してみるのも良いでしょう。きっと、あなたにとって最適な方法が見つかるはずです。