c 型肝炎と b 型肝炎の違いは？知っておきたい基本知識

「c 型肝炎と b 型肝炎の違いは？」と疑問に思っていませんか？どちらも肝臓に炎症を起こす病気ですが、原因や感染経路、治療法などが異なります。この二つの肝炎の違いを理解することは、予防や早期発見、そして適切な治療を受けるために非常に重要です。このコラムでは、みなさんが分かりやすいように、c 型肝炎と b 型肝炎の違いを詳しく解説していきます。

原因ウイルスと感染経路の違い

まず、最も基本的な違いは、それぞれをの原因となるウイルスです。C型肝炎は「C型肝炎ウイルス（HCV）」、B型肝炎は「B型肝炎ウイルス（HBV）」という、全く別のウイルスによって引き起こされます。このウイルスの違いが、感染経路や病気の進行、治療法にも大きく影響してきます。 c 型肝炎と b 型肝炎の違いは、この原因ウイルスの種類から始まっているのです。

C型肝炎ウイルス（HCV）
- 血液を介して感染するのが主な経路です。
- 具体的には、注射器の使い回し、輸血（現在ではスクリーニングが厳格化）、非衛生的な医療器具の使用、刺青やピアスを衛生管理の不十分な場所で施すことなどが挙げられます。
- 母子感染はまれですが、可能性はゼロではありません。
B型肝炎ウイルス（HBV）
1. 血液だけでなく、体液（精液、膣分泌液など）を介しても感染します。
2. 感染経路としては、性行為、母子感染（出産時）、感染した血液への直接接触（針刺し事故など）、体液の付着した物品の使用（タオル、歯ブラシなど）が考えられます。
3. C型肝炎に比べて、日常生活での感染リスクは低いとされていますが、注意は必要です。

このように、感染経路に違いがあるため、予防策も少しずつ異なります。どちらのウイルスも、現代では感染経路が特定されにくくなっている場合もありますが、過去の感染歴などから推測されることもあります。

症状の現れ方の違い

c 型肝炎と b 型肝炎の違いは、症状の現れ方にも見られます。どちらも初期段階では自覚症状がほとんどないことが多いのですが、進行すると様々な症状が現れます。

症状	C型肝炎	B型肝炎
初期症状	ほとんどなし。あっても倦怠感、食欲不振など	ほとんどなし。あっても倦怠感、微熱、食欲不振など
慢性化	約70-80%が慢性化しやすい	急性で治癒する人が多いが、約5-10%（成人感染の場合）が慢性化する。乳幼児期に感染すると慢性化しやすい。
進行による症状	慢性化すると肝硬変、肝がんへ進行するリスクが高い	慢性化すると肝硬変、肝がんへ進行するリスクがある

C型肝炎は、一度感染すると慢性化しやすいという特徴があり、気づかないうちに肝臓のダメージが進んでしまうことがあります。一方、B型肝炎は、急性で治癒する人が多いですが、乳幼児期に感染すると慢性化しやすく、その場合はC型肝炎と同様に肝硬変や肝がんのリスクが高まります。

c 型肝炎と b 型肝炎の違いは、慢性化のしやすさにも注目すべき点です。

治療法の違い

c 型肝炎と b 型肝炎の違いは、治療法にも顕著な違いがあります。これは、ウイルスの種類や病気の進行度によって、最適な治療法が異なるためです。

C型肝炎の治療

近年、C型肝炎の治療は大きく進歩しました。
「インターフェロンフリー治療」という、経口薬のみで治療できる方法が主流となっています。
この治療法は、副作用が少なく、多くの場合、短期間でウイルスの排除（治癒）が期待できます。
治癒すれば、肝硬変や肝がんへの進行を防ぐことができます。

B型肝炎の治療

B型肝炎の治療は、ウイルスの排除を目的とするのではなく、ウイルスの増殖を抑え、肝臓の炎症を鎮めることを目的とします。
抗ウイルス薬（核酸アナログ製剤など）が用いられます。
これらの薬は、一生涯服用が必要になる場合もあります。
治療によって、肝硬変や肝がんへの進行を抑えることが期待できます。

このように、C型肝炎は「治癒」を目指せるのに対し、B型肝炎は「寛解」を目指す治療が中心となります。

予防策の違い

c 型肝炎と b 型肝炎の違いは、感染経路の違いから、予防策にも違いが見られます。

C型肝炎の予防

C型肝炎は、血液を介した感染が主なため、医療現場での針刺し事故防止や、血液製剤の安全管理が重要です。
過去に、非衛生的な医療行為や、薬物注射などによる感染リスクがあったことを認識し、注意することが大切です。
現時点では、C型肝炎に対するワクチンはありません。

B型肝炎の予防

B型肝炎は、ワクチン接種によって予防が可能です。
乳幼児期からの定期予防接種が推奨されており、これにより感染リスクを大幅に減らすことができます。
大人でも、感染リスクのある職業（医療従事者など）や、パートナーがB型肝炎陽性の場合などは、ワクチン接種が推奨されます。
性行為による感染を防ぐために、コンドームの使用も有効です。

c 型肝炎と b 型肝炎の違いは、予防接種の有無も大きなポイントです。

検査方法の違い

c 型肝炎と b 型肝炎の違いを知るためには、検査方法についても理解しておくと良いでしょう。どちらの肝炎も、血液検査で診断されます。

C型肝炎の検査
- まず、C型肝炎ウイルス抗体（HCV抗体）を測定します。
- この抗体が陽性の場合、過去に感染したことがあるか、現在感染している可能性があります。
- さらに、C型肝炎ウイルスRNA（HCV-RNA）を測定し、ウイルスが体内に存在し、増殖しているかを確認します。
B型肝炎の検査
- B型肝炎ウイルス抗原（HBs抗原）を測定します。
- HBs抗体が陽性の場合、現在感染していることを示します。
- B型肝炎ウイルスDNA（HBV-DNA）を測定することで、ウイルスの増殖状況を把握します。
- その他、HBs抗体（感染からの回復やワクチン接種による免疫の有無）、HBc抗体（過去の感染を示す）なども測定します。

これらの検査によって、どちらの肝炎ウイルスに感染しているのか、また、その活動状況を把握することができます。

慢性化した場合のリスクの違い

c 型肝炎と b 型肝炎の違いは、慢性化した場合のリスクにも関連しています。

C型肝炎が慢性化した場合

C型肝炎は、慢性化しやすい病気であり、放置すると徐々に肝臓の線維化が進み、肝硬変へと進行するリスクが高いです。
肝硬変まで進行すると、肝機能が低下し、腹水や食道静脈瘤などの合併症を引き起こすことがあります。
さらに、肝硬変は肝がんの発生リスクを大幅に高めます。

B型肝炎が慢性化した場合

B型肝炎も慢性化すると、肝臓に炎症が持続し、肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
特に、乳幼児期に感染した場合は、慢性化しやすく、より若い年齢で肝硬変や肝がんを発症する可能性があります。
ただし、成人してから感染し、慢性化した場合でも、適切な治療と経過観察により、リスクを管理することは可能です。

c 型肝炎と b 型肝炎の違いは、慢性化における進行の速さや、その後のリスクの度合いにも影響します。

まとめ

c 型肝炎と b 型肝炎の違いは、原因ウイルス、感染経路、症状の現れ方、治療法、予防策、そして慢性化した場合のリスクなど、多岐にわたります。どちらも肝臓に深刻なダメージを与える可能性がある病気ですが、それぞれの特徴を理解することで、適切な予防や早期発見、治療につなげることができます。もし、ご自身の健康について不安がある場合は、医療機関に相談することをお勧めします。