「一時所得と雑所得の違いって、なんだかややこしい…」そう思っていませんか? この記事では、この二つの所得の違いを、初めて聞く人でもわかるように、分かりやすく解説します。 一時所得と雑所得の違い をしっかり理解することで、確定申告や税金の知識がグッと深まりますよ!
所得の種類って、どう違うの?
「所得」と一口に言っても、実は国税庁では所得を10種類に分類しています。例えば、会社からもらうお給料は「給与所得」、お店を経営して得た利益は「事業所得」と呼ばれます。 一時所得と雑所得も、その10種類のうちの仲間なんです。
この中でも、 一時所得と雑所得の違い を理解することは、意外と大切です。なぜなら、税金の計算方法や、どのような場合にどちらに当てはまるかが変わってくるからです。
- 一時所得 :臨時的、偶発的に得た収入
- 雑所得 :上記以外の所得(公的年金、副業の収入など)
まずは、このざっくりとしたイメージを掴んでおきましょう。
一時所得って、どんなもの?
一時所得は、簡単に言うと「臨時で、一回きり、あるいはあまり頻繁ではない収入」のことです。 例えば、宝くじが当たった!とか、懸賞で高価な賞品をもらった!なんていうのが、一時所得の代表例です。
一時所得には、こんな特徴があります。
- 性質 :一時的、偶発的
-
例
:
- 懸賞やコンテストの賞金、景品類
- 生命保険の満期保険金、一時金
- 回答者への謝礼(アンケート回答など)
- 計算方法 :総収入額から必要経費と特別控除額(最高50万円)を差し引いた金額の2分の1が課税対象
このように、一時所得は、普段の生活で頻繁に発生するものではなく、まさに「一時的」なものなのです。
雑所得って、どういうもの?
雑所得は、名前の通り、他の9つの所得(給与所得、事業所得、不動産所得など)に当てはまらない、いわゆる「その他の所得」のことです。 そのため、範囲がとても広く、いろいろな収入が雑所得に分類されます。
雑所得の代表的な例を見てみましょう。
| 代表的な例 | 補足 |
|---|---|
| 公的年金等 | 国民年金、厚生年金、恩給など |
| 副業による収入 | アフィリエイト、ブログの広告収入、ハンドメイド作品の販売収入など(事業所得にならない場合) |
| 原稿料、印税 | 文章を書いたり、本を出版したりして得た収入 |
| 利子所得、配当所得 | 預金の利子や、株式の配当金など(これらは本来別の所得ですが、一定の条件で雑所得になることも) |
雑所得のポイントは、 「他の所得に当てはまらない」 という点です。 つまり、何かの活動から得た収入であっても、それが給与所得や事業所得、不動産所得などに分類されない場合に、雑所得として扱われることが多いのです。
また、雑所得は、 「総収入金額から必要経費を差し引いた金額」 が課税対象となります。 一時所得のように、50万円の特別控除はありません。
一時所得と雑所得の税務上の扱い
一時所得と雑所得では、税務上の扱いが大きく異なります。 特に、 税金のかかる金額の計算方法 に違いがあることを覚えておきましょう。
一時所得の場合、税金がかかるのは以下の計算式で求めた金額の 2分の1 です。
(一時所得の総収入額) - (必要経費) - (特別控除額:最高50万円)
この「2分の1」になるというところが、一時所得の大きな特徴です。 例えば、100万円の一時所得があったとしても、経費がゼロで特別控除額50万円を差し引くと、課税対象額は(100万円 - 0円 - 50万円)× 2分の1 = 25万円となります。
一方、雑所得の場合は、基本的に「総収入金額から必要経費を差し引いた金額」がそのまま課税対象となります。 一時所得のような特別控除はありません。
- 一時所得 :課税対象額は「(収入 - 必要経費 - 特別控除額)÷ 2」
- 雑所得 :課税対象額は「収入 - 必要経費」
この違いを理解しておくと、確定申告の際に、どの所得をどう計算すれば良いのかが分かってきます。
一時所得になるか、雑所得になるかの判断基準
「あれ?これは一時所得?それとも雑所得?」と迷ったときは、 「継続性」と「偶然性」 という二つのキーワードで考えてみましょう。
一時所得は、その名の通り「一時的」で「偶然」に得られる収入です。 例えば、毎月決まった金額が振り込まれるようなものではなく、予期せぬタイミングで、まとまった金額が入ってくるイメージです。
一方、雑所得は、一時所得に当てはまらない、その他の所得です。 副業でコツコツ稼いでいる収入や、定期的に受け取る年金などは、継続性があると考えられます。 また、懸賞であっても、例えば「毎月開催される懸賞に継続的に応募して当選している」といった場合は、偶然性よりも継続性が重視され、雑所得になる可能性も出てきます。
判断が難しい場合は、税務署や税理士に相談するのが一番確実です。
一時所得と雑所得の申告方法
一時所得と雑所得では、確定申告の際の記入する場所が異なります。 確定申告書 の様式を見て、どこに記入するのかを把握しておきましょう。
一時所得は、「申告書B」の第一表の「一時所得」の欄に記入します。 そして、その金額を第二表の「一時所得に関する事項」で計算することになります。 計算方法が少し複雑なので、間違えないように注意が必要です。
雑所得は、「申告書B」の第一表の「雑所得」の欄に記入します。 事業所得などと異なり、損益通算(他の所得との損益の相殺)ができない場合が多いのも特徴です。
これらの所得が複数ある場合や、給与所得などもある場合は、さらに記入する箇所が増えるので、税務署のウェブサイトで最新の確定申告書様式を確認したり、税理士に相談したりすることをおすすめします。
まとめ:一時所得と雑所得の違いをマスターしよう!
ここまで、一時所得と雑所得の違いについて解説してきました。 一時所得と雑所得の違い は、その性質(一時的か、それ以外か)と、税金の計算方法(特別控除の有無や、課税対象額の計算方法)にあります。
宝くじや懸賞の当選金は一時所得、公的年金や副業の収入は雑所得、というイメージをしっかり持ち、もし不明な点があれば、早めに税務署や税理士に相談するようにしましょう。 これで、あなたも税金マスターへの第一歩を踏み出せますね!