「不安障害」と「パニック障害」って、なんだか似ているようで、でもちょっと違うみたい…。そう思っている人も多いのではないでしょうか? 今回は、この「不安障害 と パニック 障害 の 違い」を、みんなにも分かりやすく、そして親しみやすく解説していきますね!
不安障害とパニック障害:何が違うの?
まず、一番大切な「不安障害 と パニック 障害 の 違い」をざっくりと説明しますね。不安障害というのは、漠然とした不安や心配がずっと続いて、日常生活に支障が出てしまう状態全般を指す、少し広い言葉なんです。一方、パニック障害は、突然、激しい動悸や息苦しさといったパニック発作が起こり、それがとても怖いと感じてしまう状態のこと。 この「発作の有無」と「不安の広がり方」が、大きな違いと言えるでしょう。
不安障害には、いくつかの種類があります。例えば、
- 全般性不安障害(GAD) :特に理由はないのに、色々なことに対して過度に心配してしまう。
- 社交不安障害 :人前で話したり、注目されたりするのが極度に怖い。
- パニック障害 :後で詳しく説明しますが、突然のパニック発作が特徴。
パニック障害も不安障害の一種なのですが、「パニック発作」という、とても特徴的な症状があるため、区別されることが多いんです。パニック発作は、まるで命の危険を感じるような、強烈な体験。そのため、発作が起こる場所や状況を避けようとする行動(回避行動)が、パニック障害の大きな特徴となります。一方、全般性不安障害のような他の不安障害では、特定の「発作」というよりは、持続的な「心配」が中心となります。
ここで、それぞれの特徴を簡単な表でまとめてみましょう。
| 不安障害(全体) | パニック障害 | |
|---|---|---|
| 主な症状 | 持続的な心配、過度な緊張、集中困難など | 突然のパニック発作(動悸、息切れ、めまいなど) |
| 不安の性質 | 漠然とした、広範囲な心配 | 発作への恐怖、発作が起こる場所への恐怖 |
パニック障害の「パニック発作」ってどんなもの?
パニック障害を理解するには、まず「パニック発作」を知ることが大切です。パニック発作は、突然、まるで心臓が飛び出しそうなほどの動悸、呼吸が苦しくなる息切れ、めまい、手足のしびれ、死んでしまうのではないかという恐怖感など、身体的な症状と精神的な恐怖が同時に襲ってくる状態です。これは、体が危険を察知した時に出る「闘争・逃走反応」が、実際には危険がないのに過剰に出てしまうと考えられています。
パニック発作が起こる状況は、人それぞれですが、
- 外出先で突然起こる
- 狭い場所や人混みで起こる
- 運転中に起こる
といったように、過去に発作が起こった場所や状況と結びついて、その場所に行くことが怖くなる(広場恐怖)ことも少なくありません。この「回避行動」が、日常生活をどんどん狭めてしまうことがあります。
パニック発作そのものは、短時間で治まることが多いのですが、その強烈な体験から、「また発作が起きたらどうしよう…」という予期不安に悩まされるようになります。この予期不安が、さらに発作を引き起こしやすくなるという悪循環に陥ることもあります。
パニック発作と、それに伴う予期不安、そして回避行動。この3つが、パニック障害の基本的な構図と言えます。
全般性不安障害(GAD)の「心配」はどんな感じ?
全般性不安障害(GAD)は、特定の出来事というよりも、将来のこと、健康、仕事、家族のことなど、日常生活のさまざまなことに対して、過度でコントロールできない心配が、ほとんど毎日、6ヶ月以上にわたって続く状態です。まるで、頭の中に常に「もしも…」という心配の種が蒔かれていて、それがどんどん成長していくようなイメージです。
GADの心配は、次のような特徴があります。
- 心配の対象が広範囲 :一つだけでなく、色々なことに心配が及ぶ。
- 「もしも」が止まらない :最悪の事態ばかりを考えてしまう。
- 心配しても解決しない :考えても仕方ないことなのに、やめられない。
心配が続くだけでなく、そのせいで
- イライラしやすい
- 集中できない
- 落ち着きがない
- 筋肉がこわばる
- 眠れない
といった身体的な不調を伴うこともよくあります。パニック発作のような、突然の激しい症状ではないため、見過ごされやすいこともありますが、本人の苦痛は非常に大きいものです。
GADの人は、心配事を「今」解決しようと色々と調べたり、人に確認したりすることもありますが、それでも安心できず、さらに心配が深まってしまう傾向があります。
社交不安障害:人目が気になる!
社交不安障害は、「人前で恥をかいたらどうしよう」「悪く思われたらどうしよう」といった、人から注目される状況に対して、強い恐怖や不安を感じる状態です。これは、単に「緊張しやすい」というレベルではなく、日常生活に明らかな支障をきたすほどのものです。
具体的には、以下のような場面で強い不安を感じます。
- 会議や授業で発言する
- 初対面の人と話す
- 人前で食事をする
- 書記をとる
これらの状況では、顔が赤くなる、手が震える、声が上ずるといった身体的な症状が現れることもあります。そして、その症状をさらに恥ずかしく感じてしまい、悪循環に陥ることがあります。
社交不安障害の人は、不安な状況を避けるために、
- 仕事や学校を休む
- 誘いを断る
- 一人でできる仕事を選ぶ
といった回避行動をとることがあります。その結果、社会的な活動が制限され、孤立してしまうことも少なくありません。
強迫性障害:気になることと、それを打ち消す行動
強迫性障害は、「汚いものに触ってしまったらどうしよう」といった「強迫観念」と、それを打ち消すための「強迫行為」を繰り返してしまう病気です。例えば、
- 強迫観念 :「手が汚れている」「戸締まりを忘れた」
- 強迫行為 :何度も手を洗う、何度も戸締まりを確認する
といった形です。この行為に多くの時間とエネルギーを費やしてしまうため、日常生活に支障が出ます。
強迫性障害は、不安障害とは少し違うカテゴリーに分類されることもありますが、不合理な不安や心配に囚われるという点では、共通する部分もあります。本人は、その行為が「おかしい」と分かっていても、やめられないのです。
強迫行為は、一時的に不安を和らげますが、根本的な解決にはならず、またすぐに不安が戻ってきてしまうため、繰り返し行ってしまうのです。
心的外傷後ストレス障害(PTSD):トラウマ体験からの苦しみ
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、命に関わるような、あるいは強い恐怖を感じるような出来事(トラウマ体験)を経験した後に起こるものです。例えば、
- 事故
- 災害
- 暴力
といった体験です。PTSDの人は、
- 再体験 :トラウマ体験をフラッシュバックのように繰り返し思い出す
- 回避 :トラウマ体験を思い出させるものや場所を避ける
- 過覚醒 :常に緊張していて、物音に過敏になる
といった症状に苦しみます。不安障害やパニック障害とも似た部分がありますが、PTSDは特定の「トラウマ体験」が原因となっていることが大きな特徴です。
PTSDの人は、トラウマ体験を思い出すことで、当時の恐怖や苦しみが再び蘇ってしまうため、とても苦しい思いをします。
まとめ
「不安障害」と「パニック障害」の違い、少しは分かってもらえたでしょうか? パニック障害は、突然のパニック発作という特徴的な症状があり、それが不安障害の一種として区別されることが多いんですね。どちらも、つらい症状ですが、適切な知識とサポートがあれば、改善していくことができます。もし、自分や周りの人が悩んでいるようでしたら、一人で抱え込まずに、専門家(お医者さんやカウンセラーさん)に相談してみてくださいね。