常務と専務の違い、スッキリ解説！

「常務」と「専務」、この二つの役職名、似ているようで実は意味が違うんです。 常務と専務の違い を理解することは、会社の組織や役員の役割を知る上でとても大切。今回は、この二つの役職について、分かりやすく解説していきますね。

役職の階級と役割：常務と専務の立ち位置

まず、一番の違いは、役職としての階級と、それに伴う役割です。一般的に、専務の方が常務よりも上位の役職とされています。

このように、会社によっては専務が複数いる場合や、常務が特定の事業部長を兼任している場合など、組織の規模や体制によって多少の違いはありますが、 基本的な序列としては専務が上 と捉えておくと良いでしょう。

役職	主な役割	階級（一般的）
専務	会社全体の経営戦略、重要決定	上位
常務	特定部門の統括、事業責任	中位〜上位

では、具体的に常務と専務はどのような仕事をしているのでしょうか。それぞれの職務内容を見ていきましょう。

専務の職務： 会社の方向性を決定する会議への参加、新規事業の立ち上げ、M&A（企業の合併・買収）の検討など、経営の根幹に関わる業務が中心です。時には、海外との交渉や、業界全体への影響力を持つ活動を行うこともあります。
常務の職務： 担当する部門の業績管理、部下の育成、予算の策定と執行、新商品・サービスの開発推進など、担当分野における専門性と実行力を発揮する業務が中心となります。

専務は「経営の舵取り」、常務は「部門の成果を上げる」 というイメージで捉えると分かりやすいかもしれません。もちろん、会社によっては兼務していたり、例外的なケースもありますが、基本的にはこのような役割分担がされています。

役職が上がるにつれて、責任範囲も広がっていきます。常務と専務では、その責任の度合いも異なります。

専務の責任： 会社全体の業績、コンプライアンス（法令遵守）、企業イメージなど、会社全体に影響を及ぼす広範な責任を負います。会社が傾けば、その責任を問われることもあります。
常務の責任： 基本的には、担当している部門や事業の業績、そこに所属する社員の労務管理など、その範囲内での責任を負います。しかし、その部門の業績が会社全体に大きく影響する場合、責任範囲は広がることもあります。

重要なのは、専務は「会社全体」に対する責任、常務は「担当分野」に対する責任 という点です。この責任範囲の違いが、役職の序列にも繋がっています。

常務と専務の役職は、企業の規模によってその存在意義や役割が異なってくることがあります。

大企業の場合： 専務や常務といった役職は複数存在し、それぞれが特定の事業部や経営戦略の柱を担うなど、細かく分担されていることが多いです。
中小企業の場合： 専務が社長の右腕として実質的な経営を支え、常務が特定の部署のトップとして現場をまとめる、といった役割分担が一般的です。場合によっては、専務や常務という役職自体が存在しないこともあります。

会社の規模が大きくなればなるほど、役職の数も増え、役割分担もより専門的になる 傾向があります。

役職が上がれば、当然ながら役員報酬も高くなる傾向があります。常務と専務でも、その報酬には違いが見られます。

役職	役員報酬（目安）
専務	常務よりも高額になる傾向
常務	一般的に専務よりは低め

これは、先ほど説明した責任範囲の広さや、経営への関与度合いなどを反映したものです。 会社の業績への貢献度や、経営判断への影響力が大きいほど、報酬は高くなる と一般的に考えられています。

常務と専務は、多くのビジネスパーソンにとって、キャリアの頂点に近い役職です。この二つの役職は、どのようなキャリアパスの上に位置づけられているのでしょうか。

専務への道： 会社全体の経営戦略を理解し、広い視野で物事を判断できる能力、そしてリーダーシップが求められます。通常は、複数の部門の責任者を経験したり、社長の補佐役として実績を積んだりすることが多いです。
常務への道： 特定の専門分野での深い知識や、その分野における強力なマネジメント能力が求められます。部長職などを経て、その部門の業績を大きく向上させた実績などが評価されることが多いです。

どちらの役職も、長年の経験と実績、そして組織を率いる能力が不可欠 です。会社によっては、専務から社長へ、常務から専務へと昇進していくケースもあります。

いかがでしたか？常務と専務の違い、少しでも理解が深まったでしょうか。どちらの役職も、会社を支える重要な存在です。会社の組織図を見る際に、これらの役職名に注目してみると、より一層会社の仕組みが面白く見えてくるかもしれませんね。