「SDHCカード」と「SDカード」、名前は似ているけれど、一体何が違うの？と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、 SDHCカードとSDカードの違い を分かりやすく、そして詳しく解説していきます。どちらを選べば良いか迷っている方、それぞれの特徴を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
容量の壁：SDHCカードとSDカードの最大の違い
SDHCカードとSDカードの最も大きな違いは、ずばり「容量」です。SDカードは、最大でも2GBまでの容量しかありません。一方、SDHCカードは、最大32GBまで対応しています。この容量の違いが、それぞれのカードがどのような用途に適しているかを大きく左右します。
例えば、昔のデジカメやMP3プレイヤーなど、それほど多くのデータを保存しない機器では、2GBのSDカードでも十分でした。しかし、最近のスマートフォンや高画質なデジカメ、ドライブレコーダーなどでは、たくさんの写真や動画を保存したいですよね。そんな時に、2GBのSDカードではすぐに容量がいっぱいになってしまいます。 この「保存できる量」が、SDHCカードとSDカードを分ける最も重要なポイント なのです。
具体的に見てみましょう。
- SDカード：最大2GB
- SDHCカード：最大32GB
このように、SDHCカードはSDカードの進化版と言えます。容量が増えたことで、より多くのデータを快適に扱えるようになりました。
互換性の問題：古い機器でSDHCカードは使える？
SDHCカードはSDカードよりも新しい規格のため、全ての機器で使えるわけではありません。特に古い機器は、SDHCカードに対応していない場合があります。もし、古いデジカメや音楽プレイヤーでSDHCカードを使おうとしても、認識されずにエラーが出ることがあるので注意が必要です。
機器がSDHCカードに対応しているかどうかは、機器の取扱説明書や本体に記載されている「SDHC」のロゴマークなどで確認できます。もし、SDHCのロゴがない場合は、SDHCカードは使えない可能性が高いです。
互換性について、以下の表にまとめました。
| カードの種類 | 対応機器 |
|---|---|
| SDカード | SDHC対応機器、SDカードのみ対応の機器 |
| SDHCカード | SDHC対応機器 |
このように、SDHCカードはSDカードよりも対応する機器が限られるという面があります。
スピードクラス：データの読み書き速度の違い
SDHCカードとSDカードでは、データの読み書き速度にも違いがあります。これは「スピードクラス」という規格で表されます。スピードクラスが高いほど、データの読み書きが速くなります。
SDカードには、一般的にスピードクラスという概念がありませんでした。しかし、SDHCカードが登場したことで、より高速なデータ転送が求められるようになり、スピードクラスという規格が重要視されるようになりました。
スピードクラスの表示は、カードの表面に「Class 2」「Class 4」「Class 10」のように書かれています。数字が大きいほど、そのクラスが保証する最低書き込み速度が速いことを意味します。
- Class 2：最低2MB/秒
- Class 4：最低4MB/秒
- Class 10：最低10MB/秒
最近では、4K動画の撮影など、大容量かつ高速なデータ転送が必要な場面が増えているため、Class 10以上のスピードクラスを持つSDHCカードが一般的になっています。
SDHCカードとSDカードの互換性についてさらに詳しく
前述した互換性の問題について、もう少し掘り下げてみましょう。SDカードとSDHCカードの規格の違いが、この互換性を生んでいます。
SDカードの規格が制定された時点では、2GBまでの容量が一般的でした。そのため、SDカードしか認識できないように設計された機器では、それ以上の容量を持つSDHCカードを認識することができません。
逆に、SDHCカードに対応している機器であれば、SDカードも使用できます。これは、SDHCカードがSDカードの規格を拡張する形で作られているためです。
機器のSDHC対応状況を確認する際のポイントは以下の通りです。
- 製品の仕様表を確認する
- 機器本体に「SDHC」ロゴがあるか確認する
- 古い機器ほど、SDHC非対応の可能性が高い
この互換性を理解しておくことで、無駄な買い物を防ぎ、機器に合ったカードを選ぶことができます。
SDXCカードとの比較：さらに大容量化・高速化
SDHCカードはSDカードの進化形でしたが、さらにその上を行く規格として「SDXCカード」があります。SDXCカードは、最大2TBという、SDHCカードの容量をはるかに超える大容量に対応しています。
SDXCカードは、SDHCカードよりもさらに高速なデータ転送を可能にする規格も含まれており、8K動画の撮影や、大量のRAW写真の保存など、プロフェッショナルな用途にも対応できる性能を持っています。
SDXCカードの主な特徴は以下の通りです。
- 大容量（最大2TB）
- 高速なデータ転送
- UHS-IIなどの高速バスインターフェースに対応
SDXCカードは、SDHCカードやSDカードの機器では使用できないため、互換性には十分注意が必要です。
SDHCカードとSDカードの選び方：用途別ガイド
SDHCカードとSDカード、どちらを選ぶべきかは、あなたの使用目的によって決まります。それぞれのカードが適しているシーンを見ていきましょう。
【SDカードがおすすめな場合】
- 古いデジカメや音楽プレイヤーなど、SDHC非対応の機器で使う場合
- 写真や音楽の保存量が少なく、2GBあれば十分な場合
- とにかく安価なカードを探している場合
【SDHCカードがおすすめな場合】
- 最近のスマートフォンやデジカメで、写真や動画をたくさん保存したい場合
- ドライブレコーダーやアクションカメラなど、ある程度の容量と速度が必要な場合
- （ほとんどの場合）SDHC対応機器であれば、SDカードよりも容量が多いSDHCカードの方が便利
SDHCカードを選ぶ際は、必要な容量だけでなく、スピードクラスも確認することをおすすめします。特に動画撮影をよくする方は、Class 10以上のものを選ぶと、スムーズに撮影できます。
まとめ：SDHCカードとSDカードの違いを理解して賢く選ぼう
SDHCカードとSDカードの主な違いは、容量と互換性、そしてスピードクラスにあります。SDHCカードはSDカードの進化形であり、より大容量で高速なデータ保存が可能です。
しかし、古い機器ではSDHCカードが使えない場合があるため、ご自身の機器がどちらの規格に対応しているかを確認することが重要です。これらの違いを理解して、あなたの目的に合ったカードを選び、快適なデジタルライフを送りましょう！