HbA1c JDSとNGSPの違いを徹底解説!あなたの理解を深めよう

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、血糖コントロールの指標として非常に重要です。しかし、「JDS」と「NGSP」という言葉を聞いたことはありませんか?今回は、このHbA1c JDSとNGSPの違いについて、分かりやすく解説していきます。 この違いを理解することは、あなたの健康管理において非常に重要 です。

HbA1c JDSとNGSP、なぜ違うの?

HbA1cの検査結果が、医療機関によって少し違うように感じたことはありませんか?これは、HbA1cを測定する方法に、JDS(日本糖尿病学会)とNGSP(米国糖尿病学会)という、それぞれ異なる基準があるためです。それぞれの基準は、過去の臨床試験の結果に基づいて設定されており、微妙に値が異なることがあります。

簡単に言うと、JDSは日本の研究に基づいた基準、NGSPはアメリカの研究に基づいた基準です。そのため、同じ人の血液でも、どちらの基準で測定されたかによって、表示されるHbA1cの値が変わってきます。この違いを理解していないと、自分の血糖コントロールの状態を正確に把握するのが難しくなってしまうのです。

それでは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。以下の表で確認してみましょう。

基準 主な根拠 特徴
JDS 日本国内の臨床研究 比較的高い値を示す傾向
NGSP 国際的な大規模臨床研究 JDSよりやや低い値を示す傾向

JDS基準とは?

JDS基準とは、日本糖尿病学会が提唱しているHbA1cの測定基準のことです。これは、日本国内で行われた大規模な臨床研究の結果をもとに設定されました。例えば、日本の糖尿病患者さんのデータや、日本人特有の体質などを考慮して作られています。

JDS基準では、HbA1cの目標値が以下のように設定されています。

  • 一般の糖尿病患者さん: 7.0%未満
  • 高齢者や合併症がある方: 8.0%未満

JDS基準は、主に日本の医療現場で使われてきましたが、近年では国際的な標準であるNGSP基準への移行が進んでいます。

NGSP基準とは?

NGSP基準は、アメリカ糖尿病学会(ADA)や国際糖尿病連合(IDF)などが中心となって設定されている、国際的に標準化されたHbA1cの測定基準です。世界中の多くの国で採用されており、国際的な比較や研究において重要な役割を果たしています。

NGSP基準におけるHbA1cの目標値は、JDS基準とほぼ同じですが、細かなニュアンスが異なります。一般的には、以下の値が目標とされます。

  1. 一般の糖尿病患者さん: 7.0%未満
  2. 合併症リスクが高い方や低血糖を起こしやすい方: 6.5%未満(医師と相談の上)

NGSP基準は、より国際的なデータに基づいているため、世界中の研究結果との連携がしやすいというメリットがあります。

なぜNGSP基準に移行しているの?

近年、日本の医療現場でもNGSP基準への移行が進んでいます。これは、国際的な標準に合わせることで、世界中の最新の研究結果や治療法を日本の医療にスムーズに取り入れるためです。また、海外で研究された薬の効果などを日本人のデータと比較する際にも、基準が統一されているとより正確な判断ができます。

NGSP基準への移行は、患者さんにとっても、自分のHbA1cの値が国際的な基準でどのように評価されるのかを理解しやすくなるというメリットがあります。これにより、より質の高い糖尿病治療の提供を目指しています。

JDSとNGSP、値の換算について

JDS基準とNGSP基準では、測定方法の違いから、同じ血液でも値が異なります。一般的に、NGSP基準の方がJDS基準よりも0.4%程度低い値を示す傾向があります。例えば、JDS基準で7.0%だった場合、NGSP基準では6.6%程度になる、といった具合です。

しかし、この換算はあくまで目安であり、個々の検査機関や測定方法によって多少の誤差が生じることがあります。そのため、ご自身の検査結果について、担当の医師に確認することが最も確実です。

換算の目安として、以下のような式が使われることがあります。

  • NGSP値 ≒ JDS値 - 0.4%

ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、絶対的なものではありません。

あなたのHbA1c、どう見ればいい?

もし、あなたが以前の医療機関でJDS基準のHbA1cの結果を見ていた場合、新しい医療機関でNGSP基準の結果が出たときに、戸惑うかもしれません。しかし、大切なのは、どちらの基準であっても、その基準における目標値に対して、あなたの値がどうなっているかということです。

担当の医師は、あなたのHbA1cの値だけでなく、他の検査結果やあなたの状態を総合的に判断して、最適な治療方針を立ててくれます。ですので、もし結果の見方に不安があれば、遠慮なく医師に質問しましょう。

以下に、それぞれの基準における一般的な目標値を示しますが、これはあくまで一般的な目安です。

  1. JDS基準 : 一般的な目標値 7.0%未満
  2. NGSP基準 : 一般的な目標値 7.0%未満(ただし、医師の判断でより厳しく設定される場合もあります)

あなたの健康状態に合わせて、医師が個別の目標値を設定します。

まとめ:違いを知って、賢く健康管理を!

HbA1c JDSとNGSPの違いについて、ご理解いただけましたでしょうか?この違いは、一見複雑に思えるかもしれませんが、基本的には測定基準の違いであり、どちらの基準でもあなたの血糖コントロール状態を把握する上で重要な情報であることに変わりはありません。 この違いを理解し、担当の医師としっかりとコミュニケーションをとることで、より効果的な健康管理 ができるようになります。あなたの健康のために、この知識を役立ててください。

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