「社会保険」と「国民健康保険」、どちらも私たちのお世話になる大切な制度ですが、一体何が違うのでしょうか？ 社会保険と国民健康保険の違い を理解することは、いざという時のために、そして日々の生活を安心して送るためにとても重要です。今回は、この二つの制度について、分かりやすく、そして詳しく解説していきます。
加入できる人はどう違う？～あなたの所属で決まる！～
まず、一番大きな違いは「誰が加入できるか」という点です。社会保険は、主に会社員や公務員など、雇用されている人が対象となります。働いている場所や雇用形態によって、加入する社会保険の種類が変わってきます。例えば、会社員であれば「健康保険」、公務員であれば「共済組合」などがこれにあたります。つまり、 社会保険と国民健康保険の違い の根本は、あなたの「働き方」や「所属」によって決まることが多いのです。
一方、国民健康保険は、自営業者、フリーランス、退職して仕事をしていない人、年金生活者など、会社員などでない人が加入する保険です。市町村などが運営しており、日本に住んでいる人は、原則として何らかの公的医療保険に加入しなければならないという「国民皆保険制度」に基づいています。
以下に、加入対象者の主な違いをまとめました。
- 社会保険（健康保険・共済組合など） ：会社員、公務員、パート・アルバイト（一定の条件を満たす場合）
- 国民健康保険 ：自営業、フリーランス、無職、年金生活者、農業従事者など
保険料の決まり方は？～収入や家族構成で変わる！～
次に、保険料の決まり方にも違いがあります。社会保険の保険料は、給与から天引きされることが一般的で、給与額に応じて保険料率が決まります。事業主（会社）と被保険者（従業員）が保険料を折半する仕組みになっています。つまり、お給料が高いほど、保険料も高くなります。
国民健康保険の保険料は、お住まいの市町村によって計算方法が異なりますが、一般的には前年の所得、世帯の人数、加入者の年齢などに基づいて計算されます。自営業者など、収入が変動しやすい人にとっては、年度ごとの収入によって保険料が変わるのが特徴です。
保険料の計算方法の主な違いを、簡単な表にしてみました。
| 社会保険 | 給与額に連動（事業主と折半） |
|---|---|
| 国民健康保険 | 前年の所得、世帯人数、年齢など（市町村により異なる） |
受けられる給付はどう違う？～病気や怪我の時に～
病気や怪我をした際の医療費負担についても、両制度には違いがあります。どちらの制度に加入していても、医療機関にかかった際の自己負担額は原則1割～3割（年齢や所得により異なる）ですが、それ以外の給付内容に違いが見られます。
社会保険（健康保険）では、病気や怪我で会社を休み、働けない期間に対する「傷病手当金」や、出産した際の「出産手当金」「出産育児一時金」などの制度があります。これらは、被保険者の生活を経済的に支えるための重要な制度です。
国民健康保険にも、出産育児一時金などの給付はありますが、傷病手当金のような所得補償は原則としてありません。ただし、市町村によっては、独自の給付制度を設けている場合もあります。
加入手続きはどこでするの？～あなたの「状況」で変わる～
加入手続きの窓口も、 社会保険と国民健康保険の違い を理解する上でポイントとなります。社会保険（健康保険）の場合は、会社員であれば入社手続きの一環として、会社が代わりに手続きをしてくれます。特に自分で何かをする必要はありません。
一方、国民健康保険は、加入する本人がお住まいの市町村の窓口で加入手続きを行う必要があります。これは、自営業を始めた、引っ越してきた、退職したなど、国民健康保険に加入する状況になった場合に、期限内に手続きをすることが求められます。
加入手続きの流れは、以下のようになります。
- 社会保険 ：入社時に会社が手続き
- 国民健康保険 ：加入理由発生後、14日以内に本人（または世帯主）が市町村窓口で手続き
保険証はどう違う？～デザインと発行元～
普段何気なく使っている保険証ですが、その発行元やデザインにも違いがあります。社会保険（健康保険）の保険証は、健康保険組合や協会けんぽ（全国健康保険協会）が発行します。デザインも、それぞれの組合や協会によって異なります。
国民健康保険の保険証は、お住まいの市町村が発行します。そのため、市町村ごとにデザインが異なります。最近では、マイナンバーカードと一体化された「マイナ保険証」の普及も進んでいます。
保険証の主な違いをまとめると、以下のようになります。
- 社会保険 ：健康保険組合、協会けんぽなどが発行
- 国民健康保険 ：市町村が発行
保険料の納付方法は？～会社任せか、自分で納めるか～
保険料の納め方にも、明確な違いがあります。社会保険の保険料は、給与から毎月天引きされるため、自分で直接納める手間がほとんどありません。会社が給与から差し引き、まとめて納付してくれます。
対して、国民健康保険の保険料は、原則として加入者（世帯主）が自分で納める必要があります。納付方法は、口座振替、金融機関やコンビニでの現金納付、市町村によってはクレジットカード納付などが利用できます。納め忘れがないように注意が必要です。
保険料の納付方法についての簡単な比較です。
| 社会保険 | 給与からの天引き |
|---|---|
| 国民健康保険 | 口座振替、金融機関・コンビニ納付、クレジットカード納付など（自分で納付） |
このように、社会保険と国民健康保険は、加入できる人、保険料の決まり方、受けられる給付、手続き方法、保険証の発行元、そして保険料の納付方法など、様々な点で違いがあります。 社会保険と国民健康保険の違い をしっかりと理解して、ご自身の状況に合った保険制度について、疑問があればさらに詳しく調べてみてくださいね。