Excel 2013 と Excel 2016 の 違い:知っておきたい進化のポイント

Excel 2013 と Excel 2016 の違いについて、気になっている方もいるのではないでしょうか。どちらも表計算ソフトとして非常に便利ですが、少しずつ機能や使い勝手が進化しています。この違いを理解することで、より効率的に、そして便利にExcelを使えるようになります。ここでは、Excel 2013 と Excel 2016 の違いを分かりやすく解説します。

インターフェースとデザインの変更点

Excel 2013 と Excel 2016 の最も分かりやすい違いの一つは、見た目、つまりインターフェースのデザインです。Excel 2016 では、よりモダンでフラットなデザインが採用されました。Microsoftの他のアプリケーションとの統一感も図られており、全体的にすっきりとした印象になっています。

具体的には、以下のような点が変更されています。

  • アイコンのデザインが刷新されました。
  • テーマカラーの選択肢が増え、自分好みの見た目にカスタマイズしやすくなりました。
  • 「ファイル」タブから「アカウント」を選択すると、Officeのテーマカラーを変更できます。

これらのデザインの変更は、単なる見た目の好みだけでなく、操作性を向上させるための工夫も含まれています。 例えば、ボタンの配置やアイコンの視認性が改善され、直感的に操作しやすくなっていると感じる人もいるでしょう。

新機能の追加と強化

Excel 2016 では、Excel 2013 に比べて、より強力で便利な新機能が追加されています。これらの新機能は、データ分析やレポート作成の効率を格段に向上させるものです。

  1. 新しいグラフの種類

    Excel 2016 では、以下のような新しいグラフが追加され、データの可視化の選択肢が広がりました。

    • ツリーマップ
    • サンバースト
    • ウォーターフォール
    • ヒストグラム
    • パレート
    • 箱ひげ図
    • 瀑布図

    これらのグラフは、特定の種類のデータをより分かりやすく表現するのに役立ちます。

  2. ピボットテーブルの機能強化

    ピボットテーブルは、大量のデータを集計・分析するのに非常に強力な機能ですが、Excel 2016 ではさらに使いやすくなっています。

    機能 Excel 2013 Excel 2016
    フィールドリスト 標準 改善され、検索機能などが追加
    計算アイテム/フィールド 利用可能 より直感的な操作が可能に

    特に、フィールドリストの検索機能は、大量のフィールドがある場合に非常に便利です。

関数と数式における進化

Excel 2013 と Excel 2016 の違いは、見た目や機能だけでなく、関数や数式にも及びます。Excel 2016 では、より高度な分析を可能にする新しい関数が追加されたり、既存の関数が強化されたりしています。

新しい関数の登場

Excel 2016 で追加された注目の関数としては、以下のようなものがあります。

  • XLOOKUP 関数 (※これはExcel for Microsoft 365 で追加された関数で、Excel 2016 には直接含まれませんが、類似の機能は強化されています。Excel 2016 でよく使われるようになった関数として、MATCH や INDEX といった関数を組み合わせることで、より柔軟な検索が可能になっています。)
  • TEXTJOIN 関数 : 複数のセルの文字列を、指定した区切り文字で結合できます。
  • IFS 関数 : 複数の条件を順番に評価し、最初に真となる条件に対応する値を返します。IF関数のネストが不要になり、数式がスッキリします。
  • MAXIFS 関数, MINIFS 関数 : 特定の条件を満たす範囲内の最大値/最小値を返します。

これらの新しい関数を使うことで、これまで複雑な数式を組んでいた処理が、よりシンプルかつ効率的に記述できるようになりました。

数式の入力補助の改善

数式を作成する際の入力補助機能も、Excel 2016 ではさらに進化しています。関数名を入力し始めると、候補が表示されるだけでなく、関数の説明や引数のプレビューも表示されるようになり、どの関数を使えば良いか、そしてその関数にどのような情報を入力すれば良いかが、より分かりやすくなりました。

データ分析ツールの強化

Excel 2016 は、データ分析の観点でも大きな進化を遂げています。より強力で直感的なツールが追加されたことで、専門知識がなくても高度な分析を行えるようになっています。

パワーピボットとパワーマップ

Excel 2016 では、より高度なデータモデリングと分析を可能にする「Power Pivot」や、地理空間データを可視化する「Power Map」(Excel 2016 では「3Dマップ」に名称変更)といった機能が統合または強化されました。これにより、大量のデータを効率的に管理し、多角的な視点から分析することが可能になりました。

クエリ機能の進化

外部データソースからデータを取得し、整形する「クエリ」機能も強化されています。Webサイトやデータベースなど、様々なソースからデータを簡単に取得し、Excelに取り込めるようになりました。これにより、手作業でのデータ集計の手間が大幅に削減されます。

共同作業機能の進歩

現代のオフィスワークでは、複数人で一つのファイルを編集することも一般的です。Excel 2016 は、こうした共同作業をよりスムーズにするための機能も強化しています。

リアルタイム共同編集

Excel 2016 では、Office 365 を利用している場合、複数のユーザーが同時に同じファイル上で作業できるようになりました。誰がどこを編集しているかがリアルタイムで把握できるため、作業の重複やコンフリクトを防ぎ、効率的な共同作業が可能になります。

コメント機能の改善

コメント機能も使いやすくなりました。特定のセルにコメントを追加し、それに対して返信をすることも可能です。これにより、ファイルに関する議論やフィードバックを、ファイル内で完結させることができます。

互換性と移行について

Excel 2013 から Excel 2016 への移行は、一般的に非常にスムーズです。ほとんどの場合、Excel 2013 で作成されたファイルは Excel 2016 でも問題なく開くことができます。

ファイル形式の互換性

基本的なファイル形式(.xlsx)は互換性がありますが、Excel 2016 で追加された新しい関数や機能を利用した場合は、Excel 2013 で開くとそれらの機能が正しく表示されない可能性があります。もし、Excel 2013 のユーザーとファイルを共有する場合は、Excel 2013 で利用できる機能に限定して作成するか、互換モードで保存するなどの配慮が必要になることもあります。

Excel 2013 と Excel 2016 の違いは、単なるバージョンアップ以上の進化を遂げています。新しい機能や強化されたツールを活用することで、より高度で効率的なデータ管理と分析が可能になります。どちらのバージョンをご利用でも、これらの違いを理解して、ぜひExcelのポテンシャルを最大限に引き出してください。

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