法人と会社の違いをわかりやすく解説！どっちがどっち？

「法人」と「会社」、どちらもビジネスの世界でよく耳にする言葉ですが、実はちょっとした違いがあります。 法人と会社の違い を正確に理解することは、ビジネスを始める上でも、社会の仕組みを知る上でも、とても大切なんです。このページでは、この二つの言葉の違いを、小学生でもわかるように、ていねいに説明していきますね！

「法人」ってそもそも何？

まず、「法人」について考えてみましょう。法人というのは、簡単に言うと、 「人と同じように、法律で権利や義務を持てる、まるで人間みたいな存在」 のことです。人間は、お買い物をしたり、契約を結んだり、裁判を起こしたりできますよね？法人も、それと同じようなことができるんです。例えば、会社が土地を買ったり、銀行からお金を借りたりするのも、法人ができることの一つです。

法人には、大きく分けて二つの種類があります。

営利法人 ：利益を得ることを目的とした法人。私たちがよく知る「会社」がこれにあたります。
非営利法人 ：利益を得ることよりも、社会貢献や特定の目的を果たすことを目的とした法人。例えば、NPO法人や学校法人、宗教法人などがあります。

つまり、「法人」は、法律によって「人」とみなされる、より広い概念なんです。そして、その「法人」の中の、利益を目的としたグループの一つが「会社」ということになります。

「会社」は「法人」の仲間

次に、「会社」について見ていきましょう。「会社」は、先ほど説明した「法人」の仲間の一つで、特に 「営利法人」 に分類されます。会社は、みんなでお金（資本）を出し合って、事業を行い、利益を得ることを目的としています。そして、その会社も、法人なので、人間と同じように、法律の上で「法人格」というものを持ちます。

会社の種類はいくつかあります。代表的なものを紹介しましょう。

会社の種類	特徴
株式会社	一番よく聞く会社。株を発行して資金を集める。
合同会社	株式会社より設立が簡単で、自由な経営ができる。
合名会社・合資会社	無限責任社員がいる、昔ながらの会社。

このように、「会社」は、法人という大きな枠組みの中にあり、その中でも事業を営んで利益を出すことを目指す存在なのです。

法人格の重要性

「法人格」という言葉が出てきましたね。これは、法人であることの証のようなもので、 「法人格があるからこそ、法人（会社）は、あたかも一人の人間のように、法律上の権利や義務を持てる」 のです。例えば、会社が借金を返せなくなった場合、会社自身が責任を負いますが、会社の経営者（社長など）個人の財産が直接取られるわけではありません（※例外もあります）。これが「法人格」のおかげなのです。

法人格がないと、どうなるでしょうか？例えば、個人事業主の場合は、事業で得た利益も、負った借金も、すべてその個人のものになります。つまり、事業と個人が一体なのです。

法人格がある場合：事業と個人は別
法人格がない場合：事業と個人は一体

この「法人格」の有無が、法人とそうでないものを分ける、とても大きなポイントと言えます。

「法人」と「会社」のまとめ

ここまでの話をまとめると、「法人」は、法律によって人と同じように扱われる存在の総称であり、「会社」はその法人の中でも、利益を目的として事業を行うグループの一つ、ということになります。 法人と会社の違い を理解するためには、「法人」が大きなカテゴリーで、「会社」はその中の具体的な形の一つ、と考えると分かりやすいでしょう。

もう少し具体的に見てみましょう。

法人：権利や義務を持てる、法律上の「人」。
会社：法人格を持った、営利目的の事業体。

例えば、学校を運営している「学校法人」も法人ですが、これは会社ではありません。一方、皆さんがよく知る「トヨタ自動車株式会社」は、会社であり、同時に法人でもあるのです。

設立方法の違い

法人や会社を設立する際にも、いくつかの違いがあります。一般的に、会社を設立するには、法務局への登記手続きなど、いくつかのステップが必要です。

会社の設立 ：
- 定款の作成
- 資本金の払い込み
- 設立登記
非営利法人の設立 ：
- 目的の明確化
- 所轄庁への認可・登記

会社の場合は、株主や出資者から集めた資金で事業を始めるのが一般的です。一方、NPO法人などの非営利法人の場合は、社会的な活動の目的を明確にし、行政などから認可を得ることが重視されます。

事業目的の違い

一番分かりやすい違いは、事業の目的でしょう。これは、先ほども少し触れましたが、非常に重要なポイントです。

営利目的（会社） ：

事業活動を通して、利益を上げ、それを株主や社員に分配することを目指します。
例えば、商品の販売、サービスの提供など、お金儲けをすることが中心です。

非営利目的（NPO法人、財団法人など） ：

社会福祉、環境保全、学術研究、文化振興など、公益性の高い活動を行うことを目的とします。
利益を上げることは目的ではなく、活動資金を賄うことが主眼です。

このように、何のために活動するのか、という「目的」が、法人と会社（営利法人）を分ける大きな理由の一つです。

責任の範囲の違い

法人格を持つことによる責任の範囲も、個人事業主とは大きく異なります。 法人と会社の違い を考える上で、この「責任」の話はとても大切です。

会社（法人）の場合 ：

会社は法人格を持つため、事業上の借金や損害賠償責任は、原則として会社自身が負います。
株主は、出資した金額以上の責任を負うことはありません（有限責任）。

個人事業主の場合 ：

事業で発生した借金や損害賠償責任は、すべて個人が負います。
事業がうまくいかなくなり、借金が返せなくなった場合、個人の財産も差し押さえられる可能性があります。

この「有限責任」という点は、会社を設立する大きなメリットの一つと言えます。

税金のかかり方の違い

法人と個人では、税金のかかり方も変わってきます。これは、法人と個人が、法律上、別々の「納税義務者」になるからです。