「by」と「from」の違い、これでバッチリ! ~ネイティブのように使いこなそう~

「by」と「from」、どちらも「~から」「~によって」といった意味で使われることがあるので、日本人学習者にとっては少し混乱しやすい助詞ですよね。でも、この二つの単語の使い分けをマスターすれば、英語表現がぐっと自然になります。今回は、この「by と from の 違い」を、分かりやすく、そして楽しく解説していきます!

「by」と「from」の基本的な役割って?

まず、一番の違いは、それぞれの単語が表す「動き」や「関係性」にあります。「by」は、ある地点や状態に「近くにいる」「通過する」というニュアンスが強いです。一方、「from」は、ある場所や状態を「起点として離れる」という、出発点や起源を示す役割が強いんです。 この「接近」か「離れる」かの違いが、一番のポイントと言えるでしょう。

例えば、「I walked by the park.」(私は公園のそばを通って歩いた。)という場合、公園に立ち寄ったり、中に入ったりするのではなく、ただ通り過ぎただけ、という状況を表します。一方、「I came from Osaka.」(私は大阪から来ました。)という場合は、大阪が出発地であり、そこから離れてきた、ということを意味します。

この基本的な違いを理解した上で、具体的な使い方を見ていきましょう。

  • by: 接近、通過、手段
  • from: 起点、由来、分離

「by」が示す「手段」と「方法」

「by」は、何かを達成するための「手段」や「方法」を示すときにもよく使われます。例えば、「I go to school by bus.」(私はバスで学校に行きます。)という文では、「バス」という乗り物が移動の手段であることが分かります。これは、「by」が、その行動を可能にする、あるいはその行動を遂行するための「道具」や「方法」に結びつくことを示しています。

また、「He learned English by reading books.」(彼は本を読むことで英語を学びました。)のように、学習の「方法」を表す場合もあります。この場合、「本を読む」という行為が、英語学習という目的を達成するための手段となっています。 「~することによって」という、能動的なプロセスや努力を表すときに「by」が使われることが多いです。

ここで、いくつかの例文を見てみましょう。

  1. Send it by email.(メールで送ってください。)
  2. He paid by credit card.(彼はクレジットカードで支払いました。)
  3. The song was written by a famous musician.(その歌は有名なミュージシャンによって書かれました。)

「from」が示す「由来」と「起源」

一方、「from」は、物事の「由来」や「起源」を示すのに非常に適しています。「This wine is from France.」(このワインはフランス産です。)という文では、ワインが作られた場所、つまりその「起源」がフランスであることを明確に示しています。

さらに、「He is from a wealthy family.」(彼は裕福な家庭の出身です。)のように、人物の「出自」や「背景」を表す場合にも使われます。これは、その人がどこから来たのか、どのような環境で育ったのか、というルーツを示唆しています。

「from」は、しばしば「~という状態から」という、変化や状態の開始点を示すこともあります。

意味
This material is from nature. この素材は自然(由来)です。
He recovered from his illness. 彼は病気から回復しました。

「by」と「from」で変わる「距離感」

「by」と「from」の使い分けは、物理的な「距離感」にも影響を与えます。「I live by the sea.」(私は海の近くに住んでいます。)という場合、海との距離は比較的近く、海辺の雰囲気を楽しんでいるようなイメージです。海そのものから離れているわけではありません。

しかし、「I moved from the seaside.」(私は海辺から引っ越しました。)という場合、海辺という場所が「出発点」となり、そこから離れたことを意味します。つまり、海辺との物理的な関係性が断たれた、というニュアンスになります。

このように、同じ「海」という単語を使っても、「by」と「from」で、その関係性が全く異なってくるのです。 この「関係性の変化」を意識することが、より正確な意味を伝える鍵となります。

「by」と「from」:感情や感覚の表現

感情や感覚を表す場合にも、「by」と「from」は異なるニュアンスを持ちます。「He was surprised by the news.」(彼はその知らせに驚いた。)という場合、「その知らせ」という外部からの刺激によって驚きが生じた、という受動的なニュアンスが強いです。驚きの「原因」が「news」にあることを示しています。

一方、「I am tired from working all day.」(一日中働いて疲れた。)という文では、「一日中働く」という行為が「疲労」という状態の「原因」であり、その状態から離れられない、というニュアンスが含まれます。働いたことによって生じた状態、という起源を示しています。

感覚的な表現では、以下のような違いも見られます。

  • by: 外部からの影響
  • from: 内部から生じる、あるいは状態の継続

「by」と「from」:時間的な表現

時間に関する表現でも、「by」と「from」は明確に区別されます。「by 5 o'clock」は、「5時までに」という意味で、5時よりも前であればいつでも良い、という「期限」を示します。5時を「最終到達点」として、それ以前のどの時点でも完了すればOK、というニュアンスです。

対して、「from 5 o'clock」は、「5時から」という意味で、5時が「開始点」となります。5時を過ぎた時点から、その活動が始まることを示します。 「いつまでに」か、「いつから」か、という時間軸の捉え方が、この二つの単語の使い分けのポイントです。

時間に関する表現のまとめです。

  1. by: 期限、締め切り
  2. from: 開始点、起点

「by」と「from」:所有や所属の表現

所有や所属を示す場合、「by」と「from」はしばしば混同されがちですが、意味合いは異なります。「This book is by a famous author.」(この本は有名な作家のものです。)という場合、その作家が「作者」であることを示しています。つまり、その作品の「創造者」や「生みの親」であることを意味します。

一方、「This gift is from my friend.」(このプレゼントは友達からです。)という場合、プレゼントが「誰から贈られたか」という「送り主」を示します。つまり、プレゼントの「起源」や「由来」が友達であることを意味します。

「by」は「作者」、「from」は「送り主」と覚えると分かりやすいかもしれません。

「by」と「from」:人物の特定

人物を特定する際にも、「by」と「from」は使われますが、その示し方が異なります。「He is known by his nickname.」(彼はニックネームで知られています。)という文は、その人物が「ニックネーム」という手段や方法によって特定されている、あるいは識別されている、というニュアンスです。ニックネームが、その人物を識別するための「目印」のような役割を果たしています。

一方、「She is known from her family name.」(彼女は苗字で知られています。)という場合、苗字がその人物の「出身」や「所属」を示すものとして、人物を特定する起点となっています。苗字が、その人物の「ルーツ」や「家柄」と結びついていることを示唆します。

このように、「by」は「~という手段で」という識別、「from」は「~という出自で」という識別を表すことが多いです。

これで、「by」と「from」の主な違いは掴めたでしょうか? どちらも非常に基本的な単語ですが、その使い分け一つで英語のニュアンスが大きく変わります。色々な例文に触れたり、自分で文章を作ったりしながら、この二つの単語をマスターしていきましょう!

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