知っておきたい!防水 と 耐水 の 違いとは?

「防水」と「耐水」、どちらも水に強いイメージですが、実はこの二つには明確な違いがあります。普段何気なく使っている言葉だけに、その違いを知っておくと、製品選びで失敗しにくくなりますよ。今回は、この「防水 と 耐水 の 違い」を分かりやすく解説していきます。

水との戦い方、それが「防水」と「耐水」の分かれ道

まず、一番大きな違いは「水に対する防御のレベル」です。防水は、文字通り「水を完全に防ぐ」ことを目指しています。たとえ水中に沈められたとしても、水が内部に浸入しないように設計されているのです。これは、特殊な素材や構造によって実現されます。

一方、耐水は「ある程度の時間、水に耐えられる」という性能を表します。水に濡れても、すぐに壊れたり、機能が失われたりしないように作られているのですが、防水のように「完全に水を遮断する」というレベルではありません。例えば、雨に濡れる程度なら問題ないけれど、水に沈めると故障してしまう、といったケースがこれにあたります。

この違いを理解することは、自分の用途に合った製品を選ぶ上で非常に重要です。

  • 防水の例 : スマートフォン(IPX7以上)、ダイバーズウォッチ
  • 耐水の例 : 傘、レインコート、一部の腕時計

製品選びで大失敗しない!「防水」の真実

防水性能は、JIS(日本産業規格)やIEC(国際電気標準会議)などの規格で等級が定められています。特にスマートフォンの場合、「IP」という表記で防水性能が示されることが多いです。例えば、「IPX7」なら、一時的に水没させても大丈夫、「IPX8」なら、さらに深い水深でも耐えられる、といった具合です。

防水製品は、内部に水が一切入らないように、隙間なく密閉されています。そのため、:

  1. コネクタ部分にゴムパッキンが使われている
  2. ボタンが少ない、またはボタンレス設計
  3. 筐体(本体のケース)が一体成型されている

といった特徴が見られます。これらの工夫により、水没による故障を防いでいるのです。

IP等級と性能の目安
等級 説明
IPX7 一時的に水没しても内部に浸水しない
IPX8 継続的に水没しても内部に浸水しない(メーカーが条件を設定)

「耐水」って、どこまで大丈夫?

耐水性能は、製品によってその基準が大きく異なります。例えば、傘は雨粒が当たる程度なら問題ありませんが、バケツの水に浸けてしまえば当然濡れてしまいます。レインコートも同様に、激しい雨から身を守ることはできても、水圧がかかるような状況には耐えられません。

耐水性の製品は、:

  • 素材の撥水加工 : 水滴を弾く
  • 縫製部分の工夫 : 糸の密度を高くして水の浸入を遅らせる
  • 一部の部品の耐水性 : 全ての部品が完全に防水されているわけではない

といった特性を持っています。つまり、日常的な水濡れには対応できるけれど、長時間の水没や強い水圧には弱い、と理解しておきましょう。

シーン別!「防水」と「耐水」の使い分け方

さて、具体的にどんな時にどちらの性能が必要になるのでしょうか。シーン別に考えてみましょう。

アウトドア・レジャー :

  • キャンプや登山 : 急な雨に備えて、防水のリュックやウェアが安心です。スマートフォンの防水性能も、地図アプリを使う際に重要になります。
  • 水辺のアクティビティ : シュノーケリングやカヤックなど、水に濡れる可能性が高い場合は、防水ケースや防水カメラが必須です。

日常生活 :

  1. キッチンでの使用 : 食器洗い中に水がかかったり、飲み物をこぼしたりする可能性を考えると、ある程度の耐水性があると安心です。
  2. 子供との生活 : お風呂場での使用や、子供がおもちゃで水をかけてしまうことも考えられます。防水のスマートフォンやタブレットは、こうした場面で活躍します。
シーン別推奨性能
シーン 推奨性能 理由
雨の日の外出 耐水〜防水 急な雨に備える
水没の可能性が高い場所 防水 水が内部に浸入しないことが絶対条件

「防水」と「耐水」、どちらを選ぶべき?

製品を選ぶ際には、まず「どのくらいの水濡れを想定するか」を考えることが大切です。水に沈める可能性があるのか、それとも雨に濡れる程度なのか。

もし、水没の可能性が少しでもあるなら、迷わず「防水」性能を持つ製品を選びましょう。特に、電子機器の場合、少しの水の浸入でも故障の原因となり、修理費用が高額になることもあります。

一方、普段使いで「ちょっと水に濡れても大丈夫」という程度であれば、「耐水」性能で十分な場合が多いです。耐水製品は、防水製品に比べて価格が手頃なこともあります。

「防水」と「耐水」の表示に注意!

製品のパッケージや説明書には、「防水」「耐水」といった表示がされていることがあります。しかし、その具体的な性能レベルは、製品によって異なります。

例えば、「日常生活用防水」と書かれていても、これは「水に軽く濡れる程度は大丈夫」という意味合いが強く、水没は想定されていません。一方、「10気圧防水」といった表示は、水深100メートルに相当する圧力に耐えられる性能を示しており、これはかなり高い防水性能と言えます。

「防水」と書かれていても、どのような状況で防水なのか、具体的な性能を必ず確認するようにしましょう。

「防水」と「耐水」、それぞれのメリット・デメリット

それぞれの性能には、メリットとデメリットがあります。

  • 防水のメリット :
    • 水没しても安心
    • 水辺でのアクティビティや悪天候でも気にせず使える
    • 電子機器の故障リスクを減らせる
  • 防水のデメリット :
    • 価格が高めになる傾向がある
    • 設計上の制約から、デザインが限定されることがある
  • 耐水のメリット :
    • 価格が手頃なものが多い
    • デザインの選択肢が広い
    • 日常的な水濡れには十分対応できる
  • 耐水のデメリット :
    • 水没させると故障する可能性が高い
    • 長時間の雨や強い水圧には弱い

これらの点を踏まえ、自分のライフスタイルや重視するポイントに合わせて選ぶことが大切です。

まとめ:賢く選んで、快適な毎日を!

「防水」と「耐水」、その違いを理解すれば、製品選びで失敗することも少なくなります。あなたの用途に合った「水に強い」製品を選んで、もっと快適で安心な毎日を送りましょう!

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