「Microsoft Office 365」と「Microsoft 365」って、結局何が違うの？ この疑問、多くの人が抱えているのではないでしょうか。実は、 Microsoft Office 365 と Microsoft 365 の違い は、名称変更とサービス内容の拡充が主なポイントであり、基本的な部分は引き継がれています。この記事では、この二つの違いを分かりやすく、そして詳しく解説していきます。
名称変更の背景と進化
まず、一番大きな違いは名称です。Microsoft Office 365 は、2020年4月に「Microsoft 365」へと名称が変更されました。これは単なる名前の変更ではなく、Microsoftが提供するサービス全体を包括するブランドとして「Microsoft 365」を位置づけたためです。Officeアプリケーションだけでなく、より高度なセキュリティ機能やコミュニケーションツール、そしてAIを活用した生産性向上のためのサービスが追加されたことを示しています。
具体的には、以下のような進化が見られます。
- Office アプリケーション（Word, Excel, PowerPoint など）
- クラウドストレージ（OneDrive）
- コミュニケーションツール（Teams）
- 高度なセキュリティ機能
- AI を活用した機能
この名称変更は、Microsoftが提供するサービスが、単なるオフィスソフトのスイートから、より包括的な生産性向上プラットフォームへと進化していることを示しています。
| 旧名称 | 新名称 |
|---|---|
| Microsoft Office 365 | Microsoft 365 |
Microsoft 365 に統合されたサービス
Microsoft 365 には、Office 365 の機能はもちろんのこと、さらに多くの便利なサービスが統合されています。これにより、ユーザーはより多機能で連携の取れた環境で作業できるようになりました。
具体的に追加された、あるいは強化されたサービスには以下のようなものがあります。
- Microsoft Teams : チャット、ビデオ会議、ファイル共有などを統合したコラボレーションツール。Office 365 でも一部機能はありましたが、Microsoft 365 ではより中心的な存在となりました。
- Microsoft Editor : 文章作成をサポートする、より高度な校正・推敲ツール。文法、スペル、スタイルなどをチェックし、より洗練された文章作成を支援します。
- AI 機能の強化 : Excel の「アイデア」機能や PowerPoint の「デザイナー」機能など、AI が作業をサポートする機能が拡充されています。
これらのサービスが連携することで、チームでの共同作業や個人の生産性向上が格段に向上します。例えば、Teams で会議をしながら、リアルタイムで OneDrive 上のファイルを共同編集するといったことがスムーズに行えます。
プランとエディションの違い
Microsoft 365 には、個人向け、家庭向け、法人向けなど、様々なプランとエディションが存在します。Office 365 の時代からプランは存在しましたが、Microsoft 365 では、より細分化されたニーズに対応できるようになっています。
主なプランとしては、以下のようなものが挙げられます。
- Microsoft 365 Personal : 個人向けのサブスクリプション。
- Microsoft 365 Family : 家族で共有できるサブスクリプション。
- Microsoft 365 Business Basic/Standard/Premium : 法人向けのプランで、機能や管理機能が異なります。
- Microsoft 365 Enterprise : 大規模組織向けの、より高度なセキュリティや管理機能を提供するプラン。
それぞれのプランで、利用できる Office アプリケーション、OneDrive の容量、Teams の機能などが異なります。自分がどのような目的で利用したいのかを明確にし、最適なプランを選択することが重要です。
| プラン例 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Personal | 個人利用 | Word, Excel, PowerPoint, Outlook, OneDrive, PC/Mac, タブレット/スマホ で利用可能 |
| Microsoft 365 Family | 家族共有（最大6名） | Personal と同等機能に加え、家族で共有可能 |
| Microsoft 365 Business Standard | 中小企業 | Office アプリ + Exchange, SharePoint, Teams, OneDrive for Business |
提供されるアプリケーション
Microsoft 365 で利用できるアプリケーションは、Office 365 の伝統を引き継ぎつつ、さらに強化されています。基本となる Word、Excel、PowerPoint、Outlook に加えて、様々なツールが利用可能です。
代表的なアプリケーションは以下の通りです。
- Word : 文章作成ソフトウェア。
- Excel : 表計算ソフトウェア。
- PowerPoint : プレゼンテーション作成ソフトウェア。
- Outlook : メール、予定表、連絡先管理ソフトウェア。
- OneDrive : クラウドストレージサービス。
- OneNote : デジタルノート作成ツール。
- Publisher （Windows のみ）: ページレイアウトソフトウェア。
- Access （Windows のみ）: データベース管理システム。
これらのアプリケーションは、常に最新の状態にアップデートされるため、常に最新の機能を利用できます。また、Web 版やモバイル版も提供されているため、場所を選ばずに作業を進めることが可能です。
クラウドサービスとの連携
Microsoft 365 の大きな特徴の一つは、クラウドサービスとの密接な連携です。Office 365 の時代からクラウドの恩恵はありましたが、Microsoft 365 ではさらにその重要性が増しています。
クラウド連携のメリットは多岐にわたります。
- どこからでもアクセス可能 : OneDrive や SharePoint に保存されたファイルは、インターネットに接続できる環境であれば、どのデバイスからでもアクセスできます。
- 共同作業の効率化 : 複数のユーザーが同時に同じドキュメントを編集したり、コメントを付け合ったりすることが容易になります。
- 自動バックアップと復旧 : ファイルは自動的にクラウドに保存されるため、万が一デバイスが故障してもデータを失う心配がありません。
- 最新バージョンの維持 : 常に最新のファイルバージョンが共有されるため、「誰のファイルが最新かわからない」といった混乱を防げます。
これは、リモートワークやハイブリッドワークが主流となる現代において、非常に強力なアドバンテージとなります。
セキュリティ機能の強化
Microsoft 365 は、Office 365 時代からセキュリティ面でも進化しています。特に法人向けのプランでは、高度なセキュリティ機能が標準で提供されるようになっています。
強化されたセキュリティ機能の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 多要素認証 (MFA) : パスワードだけでなく、追加の認証要素（スマートフォンのアプリなど）を要求することで、不正アクセスを防ぎます。
- 高度な脅威対策 : マルウェアやフィッシング詐欺など、様々なサイバー攻撃からデータを保護します。
- データ損失防止 (DLP) : 機密情報が意図せず外部に共有されるのを防ぐためのポリシーを設定できます。
- アクセス権限管理 : 誰がどの情報にアクセスできるのかを細かく設定し、情報漏洩のリスクを低減します。
これらの機能により、企業は自社のデータをより安全に管理し、ビジネスを継続することが可能になります。
まとめ：Microsoft 365 は Office 365 の進化形
結論として、 Microsoft Office 365 と Microsoft 365 の違い は、名称変更とそれに伴うサービス内容の拡充、そしてクラウド連携やセキュリティ機能の強化が主な点です。Microsoft 365 は、単なるオフィスソフトのパッケージではなく、現代の働き方に合わせた包括的な生産性向上プラットフォームへと進化しています。Office 365 を利用していたユーザーにとっては、より多くの機能やメリットを享受できるようになったと言えるでしょう。